忍者ブログ
本の感想
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


「へんなほうりつ」「2階でブタは飼うな!」に続いて、世界の理解不能な法律紹介本。
違った著者のものを読んでみようと思ったのに、盛田さんは「のり・たまみ」の「のり」の方だというオチが…(笑)。

「2階~」の自虐的なエッセイ部分は途中で勘弁して欲しくなったので読み始めは不安だったが、「へんな~」寄りで読みやすかった。
同じ方が書いているので取り上げている法律もかぶっているものがあるわけだが驚かされた部分も。
それは中国の執行猶予付き死刑判決だ。
執行猶予中に何も犯罪を犯さなければ無期懲役減刑されるのだそうだ。
「再教育目的が強い刑」とあるが死をチラつかせることが再教育なのか疑問。
どれだけの死刑囚がこの恩恵に授かっているのかも知りたかった。

「仮装して犯罪を犯してはならない」というデラウェア州法。
これは防弾チョッキを着たり、覆面をしたりということが犯罪をする気満々と受け取れるので重罪になると聞いたことがあるのでわかる。
わからないのはこれにつけられた解説。
日本のレッサーパンダ帽子を被った男による通り魔殺人を例にあげている。
著者は
わざと人目につく奇妙な格好での無差別殺人であったことから、世間に大きな衝撃を与えた事件でした

と締めている。
「自閉症裁判」を読んでいると「わざと人目につく~」には違和感を覚える。考え方の違いだろうか。
自閉症裁判―レッサーパンダ帽男の「罪と罰」
佐藤 幹夫
洋泉社
売り上げランキング: 60623

PR
安楽椅子探偵アーチー (創元クライム・クラブ)
松尾 由美
東京創元社
売り上げランキング: 870076

誕生日プレゼントのゲーム機を買うために2万8千円を握り締めディスカウントショップへ向かう小学5年の及川衛。
しかし、途中の骨董屋で見かけたアンティークの椅子から聞こえたため息が気になってゲーム機はやめてこの椅子を買うことに。
透明人間付きで椅子を買ったと思う衛だったが、実はこの椅子自体が喋るのだった。
こうして衛と椅子のアーチーの奇妙な関係が誕生。

安楽椅子探偵モノを読みたいと思って探していたら、そのものズバリのタイトルを見つけたのでチャレンジ。
そうとは知らずに読み進めたら、安楽椅子探偵は本当に椅子だった。
ただ意識があって喋るだけでなく、衛が首を傾げる出来事を磨きぬかれた洞察力で解決に導く。
アーチーの手となり足となり情報を披露する衛とミステリ好き同級生野山さんとのやりとりが可愛らしくって。
そんなよき友アーチーも自分の素性に関して気掛かりなことがあり、いつか衛に2番目のご主人様を見つけてもらいたいと思っている。
さて、衛はアーチーの力になることができるのかな?と、どの話もそういう優しい気持ちで楽しめる。
このシリーズが他にも出ているようなので読んでみようかな。
そう言って放ったらかしのシリーズもあるけどさ(笑)。

図説 世界三面記事全書
マルタン モネスティエ
原書房
売り上げランキング: 454664

大半を占めているのは素っ頓狂だったりお国柄だったりする記事だけれど、その前に三面記事の歴史等が学術的にまとめられている。その部分は私には少し難しい(笑)。
難しいながら興味深かったのは三面記事におけるイラストの重要性。記事における写真は当然事件が起こった後に撮影されたもの。しかしイラストは事件を把握した上でその時の様子を描き出し、記事に命を吹き込む役割を担っているようだ。この本にもいたるところに調劇画調のイラストが掲載されているが、それなら記事と合わせたイラストを掲載した方がよかったんじゃないのかな?(笑)。
三面記事というかB級ニュース好き(つまり野次馬)だが、ここまでわんさかとあると腹いっぱいだ(笑)。その地域の風習や習わしを知らないと伝わりきらないというのもあるだろうし。
記事紹介部分は、空いた時間に少しずつ読むには最適。
この著者は「図説~」シリーズを他にも出されているようで他のものにもちょっと興味がある。
つっこみ力 ちくま新書 645
「つっこみ力 ちくま新書 645」
 [新書]
 著者:パオロ・マッツァリーノ
 出版:筑摩書房
 発売日:2007-02-06
 価格:¥ 735
 by ええもん屋.com

別ブログで海外ドラマにつっこみを入れることを楽しんでいる身としては当然タイトルから興味を持ったわけであります(笑)

メディアリテラシーなんて言葉、ご存知でしょうか?
目や耳から入ってきていたのかもしれませんが意味の想像がつかなかったのでそのまま出て行ってしまっていたのかもしれません。
私だけですか。
メディアが伝える内容には意図的な偏りが含まれるので、その意図を見抜いて判断しましょう、ということらしい。
リテラシーって意味を知ってれば想像がつくものなのですね。
このわかりにくいメディアリテラシーという言葉を「つっこみ力」と命名したらどうか、と著者は提案しています。
批判や批評が嫌がられるのは一方的に言うだけで自分は無傷でいようとするから。
それでは角が立つので、つっこむことによって場を和ませるというか自分自身にもつっこませる余地を残しておくわけですね。
この言葉をあまりにも気に入ってしまいましたが、この本は言葉を定義することが目的ではありません。
この「つっこみ力」をふまえて物事を見ていきます。
以前読んだ「反社会学講座」でも提示されるデータの疑わしさが解説されていましたが、今回もそれが健在です。
常々思う、データをまとめる側が普通の生活の人ではないので普通の生活形態がわかってないんじゃないの?ということを改めて感じましたよ。
取り上げられてる自殺と失業の照らし合わせにしても、無職とはどうして無職なのかによって中味が違いますからね。
働き盛りが仕事を取り上げられたのか、定年まで全うしたのか。
意味の違うこの二つも同じ無職ではデータと呼べるのかどうか疑わしいです。
ぼんやりと思っていたことが言葉として整理できてスッキリした感じです。

何でも疑ってかかるというのは夢がないような気がしますが、鵜呑みにするのではなく自分なりに噛み砕いてみて納得できますか?出来なくてもいいんじゃないですか?そこを声に出してみましょうよ、ってことではないのでしょうか。
片眼の猿 One‐eyed monkeys
「片眼の猿 One‐eyed monkeys」
 [単行本]
 著者:道尾 秀介
 出版:新潮社
 発売日:2007-02-24
 価格:¥ 1,680
 by ええもん屋.com

三梨は盗聴を主体にした私立探偵。
ライバル楽器メーカーのスパイ疑惑を調べて欲しいとの依頼で調査中、殺人事件を「知って」しまう。

読む本は、ある程度の内容を知って「面白そう」等興味をもって選ぶ。
それは最低限のことに限られる。
なのでこれは実に説明しにくい。
どれをとっても仕掛けられたところに関わってくるようで。
仕掛けといっても読むほうの想像に任せられている、というのかな。
その想像を膨らませる方向が違うと騙された、となるのか。
想像していたのと真逆のところもあったが、それは問題でない。
殺人事件なんておまけ。
この本で真に展開されているのは眼に見えていないことの大切さ、かな。
多くを付け足さなくても成り立つということは、特異なんてそういうこと、なわけだ。
前のページ HOME 次のページ
photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
忍者ブログ [PR]
更新中
RSS表示パーツ
ブログ内検索
読書メーター
カクテキさんの読書メーター
アクセス解析