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本の感想
ピクトさんの本
「ピクトさんの本」
 [ペーパーバック]
 著者:内海 慶一
 出版:ビー・エヌ・エヌ新社
 発売日:2007-04-20
 価格:¥ 1,050
 by ええもん屋.com

自ら苦痛を被る人「被苦人(ピクト)」さん。
いろいろなところで様々な注意を喚起してくださっているのにその生態を考えたことはなかったなあと反省(笑)。
転倒系、落下系、衝突系、はさまれ系…と専門分野の多々ある中、黒ピクトさんは切ない。
だって、悪いマナーだったり、犯罪をやってみせるのだから。
絶対不本意なはず。
みんなに正しくあって欲しいからあえて悪いことをしているのだと、犠牲の心を察して正しく生きていきたいと誓うのでした(ウソ)。
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家族の勝手でしょ!写真274枚で見る食卓の喜劇
「家族の勝手でしょ!写真274枚で見る食卓の喜劇」
 [単行本]
 著者:岩村 暢子
 出版:新潮社
 発売日:2010-02-19
 価格:¥ 1,575
 by ええもん屋.com

食卓から家族を見つめる調査「食DRIVE」の調査、2003年以降の数年分のレポート。
1960年以降生まれが親である家族の関係を見つめることがテーマであるらしい。
①:食卓に関する意識、実態を細かく紙面で質問
②:決められた1週間の1日3食を、毎回写真撮影し、メニュー決定理由、入手先、作り方、時間、食べた人などを記録
③:①の回答と②の記録を突き合わせて、矛盾や疑問を細かく問うインタビュー
という3つのステップを経た調査とのこと。

いやあ、驚きました。
買ってきたものを並べるのが大好きで、栄養素のことは考えず、大きな皿に出したものをそれぞれが茶碗で受けて食べる…うちの母親、20年くらい時代の先取りしてたんだ!(笑)
笑い事ではない。重い病気が待っていたのだから。
私が食事の主導権をとるようになってからは、主食、主菜、副菜、汁物、と野菜を多く摂ることを心がけているが、母親の病気がなければ笑えない食生活のままだったかも。
実際、今でも私ができない時は買ってきたものを並べてるし…一応はたんぱく質に偏らないとか、気にはしているようだけれど。

うちのことはともかく、これだけコンビニ、スーパーの総菜売り場、弁当屋が花盛りということはみんなが利用しているからなわけで、当然と言えば当然なのかもしれない。
でもあくまでも、私の頭には「たまに利用する」というのがあったのですよ。
さらに、野菜料理は「洗ったり、切ったりが面倒くさい」と!
ああ、そういうことを面倒くさいと思ってもいいんだ…という変な共感が生まれそうで怖かった(笑)。

事前調査と実際の違いを問われての開き直りともいえる発言に笑えていたのも最初のうちだけ。
皿数を増やしたくない(食洗機に入りきるようにか?)、子どもが食べたいと言い出さない、子どもは騒ぐもの、指が入らなくなっても使い続けるトレーニング箸…親としての責任はどこへ?
これが同居している成人だったらある程度は個人の責任。
しかし何も判断できない子どもに、決まった食事時間、形態を伝えるのは親の務めではないのか?
時代先取りのうちの母親でさえ、決まった時間と残さずに食べることは守っていたぞ(笑)。
親の仕事の形態も様々で、いつも同じ時間に全員がそろうのは不可能だとしても、日々のスケジュールがあることで、普通ではないことをも学ぶのではないか。
親だけでなく、「完食の達成感を持たせたいから嫌いなものは入れるな」という保育園の弁当指導にも驚く。
いろいろ驚いて、喜劇を通り越して悲劇に感じ、一周してやっぱり笑うしかないように感じるのは私が人の親ではないからだろうか。
とにかく、いくつもの問題を孕んだ貴重なレポートだと思う。
世界屠畜紀行
「世界屠畜紀行」
 [単行本]
 著者:内澤 旬子
 出版:解放出版社
 発売日:2007-01
 価格:¥ 2,310
 by ええもん屋.com

世界各地での屠殺の様子(工場だったりお宅だったり)をイラストでわかりやすく見せてくれる本。
宗教観や食習慣で、方法や感じ方も様々であることが伝わり、たいへん素晴らしい。
しかし、屠殺と差別を一緒の枠で考えることはどうだろうか。
私は差別問題についての教育を受けたことがなければ、自分から情報を集めたこともない。
著者の「日本では食肉加工の仕事を穢らわしいとされてるのよ」という質問に、各国の方々が「信じられない」と返答するのに近い感覚かも。
特にBSE問題以降、日本の食肉加工は素人はやれない(「させていない」かな?)、このことに専門性と敬う気持ちの方が大きかったかもしれない。
映画「ファーストフード・ネイション」で、密入国者が経験も関係なくいきなり工場に放り込まれるのを見て、そこから日本のシステムに安心してみたりした口だ。
これら全てが私の無知故だと言われれば、そうだとしか返答のしようがない。
そこに、自分は屠殺という行為に携わらないという前提があるからだろうと言われれば、そうかもしれないし。
野菜を食べることだって命をいただいていることに変わりはない。
そこに心臓があるか、血が流れるか、という違いがこんなに大きいということにショックを受ける自分もいる。
改めて「いただきます」、「ごちそうさま」の意味を考えずにはいられなくなった。

著者が「ウチザワは大丈夫」と言うのが気になる。
血が流れ出す様子やそこにいた家畜がみるみる食材になっていく様子に何の抵抗もないのはかえって信じられない。
著者は仕事に従事したり、食材を自ら調達する生活をしてきたわけではないでしょう。
初めて目にすることに嫌悪感を持てと言っているわけではない。
著者の「大丈夫」の中には「なんで嫌がるのかわからない」の気持ちが強く感じられることが、この言葉にひっかかる理由だ。
そして嫌がる理由を知る気などないようにも感じる。
韓国での犬肉の話でも、あんなぎゅうぎゅうに囲われている様子を見てもつっこまないところも解せない。
なぜなら著者は、かわいがることと食用にすることが一緒に成り立つと考えているようなのに。
かわいがる心があるのなら、ぎゅうぎゅうづめにされて生かされている犬の様子に何も感じないのは逆にわからない。
結局は取材なのかな…と考えてしまった。
しかし、著者は自分で飼育した豚を食べることをしたらしい(高野秀行さんのブログで読んだのかな?)。
この本を書いた時と、実際に自分で食べた後で何か感覚に違いはあったのだろうか。
それも本になるのだろうか。
私は読むだろうか。
王様は島にひとり
「王様は島にひとり」
 [単行本]
 著者:池上永一
 出版:ポプラ社
 発売日:2010-01-19
 価格:¥ 1,365
 by ええもん屋.com

「やどかりとペットボトル」に次ぐ、池上さんのエッセイ第二弾。
自分で書いた「やどかり~」の感想読んで、針小棒大って言ってることに驚いた。
今回もやっぱり思いましたよ、しかももう少し悪くて(いい意味で)「よくて針小棒大、悪くすると捏」って(笑)。
捏造ってことはない。
それだけ人間を観察することに長けているということだ。
針小棒大というのも、丸太大の棒って書いてたけど、今回思ったのは、「とげとげいっぱいついてる鬼が持ってる金棒」だ。
それだけいろんなものがくっついてるというか、飛び出している。
つまり、お楽しみいっぱい♪ということだ。

なかでも好きなのは、作家の○○さんを心の兄貴と慕っているところ(笑)。
この慕い方はきっと、私が「本棚」で感じたことと一緒だと思う。
スタジオを兼ねた部屋の、帽子が並んだ本棚見ちゃったら慕うしかないよねっ!

これだけエッセイを気に入っているのに、小説を読んだことがないというのは問題アリかも。
トリガー
「トリガー」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:板倉 俊之 (インパルス)
 出版:リトル・モア
 発売日:2009-06-29
 価格:¥ 1,575
 by ええもん屋.com

お笑いコンビ、インパルスの板倉さんの初小説。
ネタをやっているところはあまり見たことないのですが、「世界まる見え!テレビ特捜部」で時々見せる「悪さ」が好きなので読んでみました。
そうそう、この番組でエアガンやサバイバルゲームの趣味を披露してましたね。
銃の存在感は、その影響もあるのでしょうか。

2028年、国王制になった日本で犯罪を減らすために「射殺許可法」なる法律が制定された、という設定。
射殺許可法とは、各都道府県に一人「トリガー」という、全ての犯罪者に裁判なしで即刻死刑を下す人物が配置されるというもの。
支給される銃にはICチップが内蔵され、住民登録している都道府県から出るとロックされる等の決まりごともありますが、トリガーがどのように銃を使っても法的には問題なし、ということらしい。

章のタイトルが人名なので、それぞれのトリガー視点で話が進むのかと思ったら、時々違うので注意が必要(笑)。
ここは統一してもらったほうがよかったような気もするけれど、誰がトリガーかあえて明かさないようにしているのかしら?

志願者の脳波測定で、国王により近い者がトリガーに選ばれるらしいが、積極的に処刑するもの、射殺許可法に反対の立場のもの、銃の重圧で壊れてしまうもの、と様々なのは面白かった。
でも、アドレナリン分泌のタイミングや量までもが国王に近い者が選ばれたにしては違いすぎないか?という気がしないでもない。
そこが、まったく同じ人間なんていない、コントロールなどできない、ということの面白さなのかもしれないけど。

話がリンクを持っているような部分や、仮想世界のアイデアも好きだけど、「~拭っているのは汗だけではなかった~」に代表されるような表現は少し寂しかったかな。
でも次にどんなことを考えてくれるのか、たいへん興味があります。
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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