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本の感想
雨に祈りを (角川文庫)
「雨に祈りを (角川文庫)」
 [文庫]
 著者:デニス レヘイン
 出版:角川書店
 発売日:2002-09
 価格:¥ 1,000
 by ええもん屋.com

パトリック&アンジーのシリーズ、とうとう五つ読んでしまった。
現在書かれているものではこれが最後。
あとがきに「ミスティック・リバー」の後にもう一つノン・シリーズ(「シャッター・アイランド」のことか?)を書いたらまた書くつもり、とあるがこの文庫が出版されたのは2002年の9月。「運命の日」と短編集「コーパスへの道」の邦訳は出たものの、このシリーズが書かれたという情報はない。
最初は続きが読みたい派だったけれど、今回シリーズ通して再読してみて微妙に変化。
これがパトリックとアンジーの最後でもいいかもしれない、これでもまだこの仕事を続けようとする彼らは逆に見たくないような気もする。
パトリックは小さな仕事だけしているかもしれない。
でも、電話をもらったのに連絡をとらなかった罪悪感から無報酬でものめりこむような男だもの、続けていないはずはない。
よくよく考えてみると今回の事件も、前作「愛しき者はすべて去りゆく」と微妙に重なる部分があるわけで、それに対しての二人の想いが少々足りないように感じる。
あのことが原因で離れることになったのに、再会して思い出さずにはいられない事を目の当たりにしたのに、終盤の激しい銃撃と合わせて、事件の本筋ではなかったから、というにはさみしいものが。
前作を映画を含めて好きすぎるからだろうか。
ということで私にとって「雨に祈りを」は、シリーズを通じて読むからこそブッバとの友情、アンジーとの意思のつながり、そういったものが沁みてくるのだ、という本ですね。
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愛しき者はすべて去りゆく (角川文庫)
「愛しき者はすべて去りゆく (角川文庫)」
 [文庫]
 著者:デニス レヘイン
 出版:角川書店
 発売日:2001-09
 価格:¥ 1,000
 by ええもん屋.com

私立探偵パトリック&アンジーのシリーズの四作目。
読み始めてからあまり心の具合がよくなく、読み続けるのを躊躇った。
一度読んでいるのだから大丈夫、と読み続けたが、やっぱり辛さは半端ではない。
単なる幼児誘拐事件と思われたが(単なるってのも嫌な言い方。虐待されている可能性が大きいもの)、自堕落な母親へリーンが麻薬売上金を掠め取ったことへの報復との色合いが強くなり、中盤でその金と誘拐されたアマンダの交換という山場を迎えるが取り引き失敗、金もアマンダも行方知れず。
しかしこれは誘拐事件の本当の姿を見せる入り口に過ぎなかった。
幸せな家庭を与えるためなら法律を無視してもいいのか?答えを出せないまま、パトリックとアンジーの想いもすれ違ったまま話は終わる。
過去三作も、すっきりと明るい最後ではなかったがこれはツライ。
パトリックがへリーンの元を訪れて現実を見ているからなおさら。
海外ドラマ「コールドケース5」の最終回も似たような誘拐事件で、希望と不安、どちらともとれるエンディング。話としては好きだけど、子ども幸せとは…と考えるとねえ…。
最初と最後の挿話の意味をパトリックが知ったらと思うと「彼女を家へ帰してやっただけだ」という言葉が重過ぎる。

このシリーズを再読しだした理由は、この四作目が原作の映画「ゴーン・ベイビー・ゴーン」を見るため。
もう一度読んでから見たかったのですもの。これでHDDでお休みいただいているのをいつでも見られるぞ~(笑)。
ゴーン・ベイビー・ゴーン [DVD]
「ゴーン・ベイビー・ゴーン [DVD]」
 [DVD]
 レーベル:ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント
 発売日:2009-12-16
 by ええもん屋.com

穢れしものに祝福を (角川文庫)
「穢れしものに祝福を (角川文庫)」
 [文庫]
 著者:デニス レヘイン
 出版:角川書店
 発売日:2000-12
 価格:¥ 1,000
 by ええもん屋.com
 
休業中のパトリックとアンジーを誘拐してまで依頼する仕事とは、癌で余命半年の大富豪トレヴァー・ストーンが失踪した娘デジレーを探して欲しいというものだった。元々はパトリックの師匠にあたるジェイ・ベッカーに依頼されたものだが、彼も調査の途中で行方がわからなくなっているという。途中までの報告書を頼りに失踪中の二人の足跡をたどり始めたパトリックとアンジーだったが、聞かされてきた情報の信憑性に疑問を感じ、誰をも信じられなくなったところに真相を連れてある人物が現れる。

パトリック&アンジーのシリーズ第三作。
仕事を休んでいることに前作の心の傷がうかがえる。
余命半年の大富豪の境遇に動かされたところもこの二人らしい。
報告書を元に追う前半は、カルト集団にカモにされたかもしれないか弱いデジレーが思い浮かぶが、後半(ほとんど終盤かな)になるとイメージはガラッと変わる=失踪事件も表情を変えてくる。
真相には読んでたどりつかないと興醒めなので。
ただ、ラストは…。
初めて読んだ時は興奮状態のままだったけど、読み返してみると少し強引?というかあり得なくないか…という気がしないでもない。
持つもの(金)持ってない人にはわからない世界なのか?

前二作では匂わせるだけだったパトリックとアンジーの過去がはっきりと書かれている。
16歳の時に二人は結ばれたがそれっきりだったこと、アンジーの12年にわたる不幸な結婚、パトリックはアンジーの姉と短い結婚生活を送った、と。
この関係に前作が容易には癒えない傷を残したが、今作で二人はお互いにパートナー、恋人、友人のどれをも超越した愛情を体感する。
足枷がなくなったからくっつく、もしくはそのせいで敢えて距離を置く、という展開でなかったことを嬉しく感じる。
闇よ、我が手を取りたまえ (角川文庫)
「闇よ、我が手を取りたまえ (角川文庫)」
 [文庫]
 著者:デニス レヘイン
 出版:角川書店
 発売日:2000-04
 価格:¥ 980
 by ええもん屋.com

私立探偵パトリック&アンジーシリーズ「スコッチに涙を託して」に続くの第二作。
マフィアに狙われているかもしれないという精神科医の依頼。そこへ磔にされた死体が発見されたところからこの事件の元は精神科医ではなく、パトリックの過去へと結びついていく。

人間関係の描かれ方がたまらない。
大切な人を大切だと認められたところに訪れる悲劇、それが新たな心の別れを作り出したかに思えるが「永遠に生きつづけるつもりなの?」の言葉を発した人物ならではの絆の再確認。
この二作目で関係性にやられたんだなあ、と感慨深い。
一作目だけだとパトリックとアンジーとどうしてフィルが仲良しなのか理解できないもの。
アンジーだけならそういう男に引っ掛かったという見方もあるけど。
パトリックの父親への想いもさらに苦く、でもそれが深みを呼び、今作のキーにもなっている。
このシリーズは途中のどれかひとつをいきなり読んだら損する。
異常者の挑戦状のような事件も実はパトリックの過去に関わっているわけで、それには彼の周囲の人との関わりを本のとおりに知っていく方が厚みや驚きの響き方が違ってくると思う。

偶然にも今発売中のミステリマガジンはデニス・ルヘインの特集。
もちろん、このシリーズを含め全作品の解説付き。
再読し終えたら「運命の日」に手を出そうかな。先の長い話だけど。

ミステリマガジン 2009年 02月号 [雑誌]
「ミステリマガジン 2009年 02月号 [雑誌]」
 [雑誌]
 出版:早川書房
 発売日:2008-12-25
 価格:¥ 840
 by ええもん屋.com
運命の日 上 (1) (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ)
「運命の日 上 (1) (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ)」
 [単行本]
 著者:デニス・ルヘイン
 出版:早川書房
 発売日:2008-08-22
 価格:¥ 1,890
運命の日 下 (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ)
「運命の日 下 (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ)」
 [単行本]
 著者:デニス・ルヘイン
 出版:早川書房
 発売日:2008-08-22
 価格:¥ 1,890
スコッチに涙を託して (角川文庫)
デニス レヘイン
角川書店
売り上げランキング: 79380

私立探偵パトリック&アンジーのシリーズ第一弾。
「書類を盗んで失踪した掃除婦ジェンナを探して欲しい」と上院議員からの依頼。
簡単な仕事に思われるのに結構な報酬、書類の性質に訳があった。
ジェンナはその追及のため書類を渡そうとするが、直前にパトリックの目の前で射殺される。
議員もギャングも欲しがる書類とは何なのか、パトリックとアンジーは真相を探る。

読もうと思って購入した五冊というのはこのシリーズのこと。
映画化された四作目「Gone,Baby,Gone」のDVD発売をきっかけにまた最初から読んでみたくなった。
人種問題、児童虐待を同時に手繰り寄せるという緊迫した内容で
「おまえの中にある憎しみや怒りのすべては-いや、そのいくらかでも、親父が死んだとわかった時、消えたのか?」…パトリックの傷の深さに声も出ない。
だからと言って、パトリック&アンジーが正義のために手を下したことは法に背いている。
でもそれを間違っているとは思えないのをどうしたらいいだろう。
白人議員は殺せない、黒人ギャングは抗争で死んだと思われる、それを利用したとも言えるが、二人はこれをずっと背負っていくわけだから…。
パトリックはアンジーのことが好き、でもアンジーには暴力亭主がいる。
それは終盤で決着を迎えるが二人の関係への影響は…?といった期待も持たせる。

図書館で本を借りてしまうとどうしても自分本は後回しになってしまう。だったら図書館に行かなければいいと思われるでしょうが、図書館本はできるだけ早く読まないとくだびれてきてしまうから(笑)。
気取ってるわけではなく、手に湿疹ができやすいものでしてね。

ゴーン・ベイビー・ゴーン
ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント (2008-09-17)
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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