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本の感想
「世界音痴」の衝撃で、続けてエッセイを読んだら「中った感」があったので御無沙汰していた穂村さん(笑)。
しかし広告で見た「絶叫委員会」の
町には、偶然生まれては消えてゆく無数の詩が溢れている。
不合理でナンセンスで真剣で可笑しい、天使的な言葉たちについての考察。
といううたい文句に心くすぐられて久しぶりに読む。
また中ろうとしているのか、二冊読む(笑)。

整形前夜
「整形前夜」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:穂村 弘
 出版:講談社
 発売日:2009-04-10
 価格:¥ 1,470
 by ええもん屋.com

「変」になる、に書かれている階段を降りられなくなる感じに共感。
私も時々あるなあ。
どっちの足を出したらいいか、ひどい時などはそもそも足を使うのか?とさえ(笑)。
気持ち悪くて誰にも話したことなかったけれど、他にもいるんだとわかりちょっとほっとしてみたり。
そういう、「ちょっとわかる」というようなプチ共感が嬉しく楽しいから読んじゃうんだよなあ…。


絶叫委員会―天使的な言葉についての考察
「絶叫委員会―天使的な言葉についての考察」
 [単行本]
 著者:穂村 弘
 出版:筑摩書房
 発売日:2010-05
 価格:¥ 1,470
 by ええもん屋.com

見聞きした言葉からその言葉に隠れる真実とか背景が広がって、楽しかった。
一緒に会話をしていた相手が発したのか、たまたま聞こえた会話の断片なのか、初めて通った道での貼り紙なのか、想像のスタート地点が違うことで真意とは違うかもしれないけれども広がる想像(妄想)っていいなあとしみじみする(意味不明?)。
表紙にもある、「でも、さっきそうおっしゃったじゃねえか!」って最高だよね。
相手との関係は意識しながらも、話し終わらないうちに怒りがそれを乗り越えてるのだもの。
ある家の前にあった「猛犬にっこり」も好き。
おそらく「猛犬注意」の「注意」が薄くなったところに「にっこり」と書かれたのだろう。
犬を飼い始めたから配達や検針でやってくる人へ一応の注意を示したものだったけれど、なんとびっくりぜんぜん吠えないの、穏やかったらありゃしない、これは看板に偽りありだな、と文字が薄くなって書き換えるのを待っていたかのような状況が浮かぶ(私だけか?)。
そう思うと、背景が見えない、通りすがりに出会った言葉の方が勝手な想像には楽しいですね。
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現実入門
「現実入門」
 [単行本]
 著者:穂村 弘
 出版:光文社
 発売日:2005-03-23
 価格:¥ 1,470
 by ええもん屋.com

今までの経験していないことを連載の力を借りてこなしたものをまとめられた本。
結婚関連だとか新しい生活だとかに妙に近づいていると思ったらそういうことでしたか。
おめでたいことなのでいいのですが、ダメ人間ファンとしては普通の人寄りにいってしまったようで悲しくもある。

「夢のマス席」で長年の疑問(そんな大袈裟じゃないが)だったことが解決されてスッキリした。
頭のとがった審判員のこと。当時の技術では一度埋めたシリコンは取り出せなかったためだとか。
現役時代恐くなかったのだろうか。あんな頭がぶつかってきたら…って対戦相手のことじゃなくて、頭からぶつかっていって破れでもしたら…と。
女性の胸に入れるのと違ってもっと強く覆われているのだろうか。
本当はちがうんだ日記
「本当はちがうんだ日記」
 [単行本]
 著者:穂村 弘
 出版:集英社
 発売日:2005-06
 価格:¥ 1,470
 by ええもん屋.com

えーと、穂村さんブーム終焉の予感と書きましたが、重いものを読んだ後なのでこんな時に読むには最適かな?と思いまして。
やはり漂うデジャヴ感。
それでも目をつけるところが相変わらずステキなわけですよ。
「みえないスタンプ」なんてまさに私のツボなわけです。
みえないスタンプ帳があって私たちの行いや言動に対して誰かが判断してるんですよ。
こつこつと善行を繰り返していた人にある日たいへんな幸運が訪れる、その逆に小さいことでも悪事を重ねていると痛い目に合う、とか。
これはそれぞれ良いスタンプと悪いスタンプが引き換え時になったからなのだ。
これも言葉では表現できなかったけれど、穂村さんのこの例えで膝を打つほどにスッキリした。
しかし現実には「何も悪いことなんかしていないのにね」という人に不幸が、「そんなことばっかりして」という人に何の報いもなかったりする。
スタンプ係、ちゃんと見てくれよ!と叫びたくなる。
スタンプがあるんだ、と自分に言い聞かせないと辛くなることがあるからね。
何もおきていないとすればその人は引き換え時を後に回したんだ、と思うようにいたします。

穂村さんブーム終焉、と思ったのは恋愛について意外と前向きだからかもしれない。
性欲とか普通に登場するし。
そんな言葉が出てくると照れちゃうのではなくて、多少のがっかりが伴うのかも。
いったい私は穂村さんにどんな人間であることを期待しているのだ?
もっとダメな人であって欲しいんだろうな。
なんとも失礼な読者だ。
もうおうちへかえりましょう
「もうおうちへかえりましょう」
 [単行本]
 著者:穂村 弘
 出版:小学館
 発売日:2004-05
 価格:¥ 1,470
 by ええもん屋.com

穂村さんブーム終焉の予感(笑)
いや、面白いんですよ。
立て続けにエッセイを三つも読んだ自分がいけないんですよ。
同じ人のエッセイを続けて読んではいかんということです。
微妙な内容かぶりが気になってしまったのです。
もちろん、ほんの少しだけなのに。
読者というものはワガママなわけですよ。

「赤信号対策」での時間の伸び縮みで急に思い出したことが。
あれは小学一年生の時。
担任が結婚式と新婚旅行で数日留守。
その間代理の先生は来ず、プリントかなんかで自習だったと思う。
私たちにはまだ何時何分から授業で何時何分で終わるという観念はなかった。
全てチャイムの音で行動していた。
鳴ったから始める、鳴ったから終わる、その繰り返し。
そして幼い私たちには休み時間というものが欠落していた。
チャイムのことも鳴ったではなく、そのうち「聞こえたんじゃないか?」という誰かの空耳もカウントされてしまった。
当然ものすごいスピードで時間は過ぎる。
時間の間違いが露見したのは確か係が給食を取りに行ったからだったと思う。
給食が準備されていないことを不思議に思って給食室の人にたずねちゃったんだろうね。
それに驚いた校長だか教頭だか隣のクラスの先生だかが猛スピードの私たちにブレーキをかけてくれたようだ。
クラスに40人ほどいたであろうに誰も気づかないこの不思議さ。
それほどあの時の私たちは先生がいなくてもキチンとできる!という使命に夢中だったのだろう。

あー、本のこと書いてないや。
三つめのパートは、ほとんどが「本の雑誌」に掲載されたもの。
読んでたわ、私。何で気づいてないんだろう?
世界音痴
「世界音痴」
 [単行本]
 著者:穂村 弘
 出版:小学館
 発売日:2002-03
 価格:¥ 1,365
 by ええもん屋.com

「によっ記」の穂村さんの初エッセイ集だったらしい。
タイトルを聞いて旅行が苦手?方向音痴?と想像したが、この「世界」とは「雰囲気」かなあ。
自然さを保てないことに苦悩する穂村さん。
うまく言葉にはできないけれど、なんとなく言わんとしていることは伝わってくる。
自分に向けられた感情に対する適正な感情表現の度合い、そんなことを考えてしまうことが世界音痴なんだな。
「パンピー」の、奇妙で的外れな優しさに涙した話など他人事ではない気がしてくる私も音痴なんだろうな。
パンピーって飲み物は知らんが。

半分くらい最後に短歌が添えられている。
私は短歌や詩のように言葉が少ないものを解する力がないのだが、ひとつとても胸を撃たれるものがあった。
サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい

今さらながら関心が強くなるのでした。
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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