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本の感想
よしきた、ジーヴス (ウッドハウス・コレクション)
「よしきた、ジーヴス (ウッドハウス・コレクション)」
 [単行本]
 著者:P.G. ウッドハウス
 出版:国書刊行会
 発売日:2005-06
 価格:¥ 2,310
 by ええもん屋.com

そこそこ間を置きながらのペースで読みたいとか言っておきながら、もう次を読んでしまった(笑)。
面白かったからいいけど。
今回のバーティーは、危うくなった友だちの婚約と叔母さんの結婚生活、はたまた別の友だちの恋心をなんとかしようと奔走する。
そうジーヴスではなくバーティーが。
これが間違いのもとで、揉め事は混迷を極め、更なる揉め事を招き、どうにもならなくなったところでジーヴス登場。
そしてやっぱり見事に解決。
「早くジーヴスに頼んじゃいなさい!」と何度思ったことか。
バーティーが意地になっているわけではなく「ジーヴスは冴えてない」と思っているところに問題があるのに、それに気付いてないところがまた好ましい(笑)。
気付いているのはジーヴスが真っ白いジャケットを気に入ってないということだけ。
解決を託してもお礼とばかりに当然のように件のジャケットを処分することを禁じる約束をしても、「不注意でアイロンを放置してしまいました」といつもの運命をたどることに。
絶対に計画的なこの「不注意」がジーヴスたるところ。
約束した時点で計画ができていたものと思われる。
それにしても、バーティーをバカにしない程度に軽んじるという鮮やかな手腕はお見事。
長編も楽しかったけれど、短編で次々にジーヴスの作戦が繰り出される方が好みだな。
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比類なきジーヴス (ウッドハウス・コレクション)
「比類なきジーヴス (ウッドハウス・コレクション)」
 [単行本]
 著者:P.G. ウッドハウス
 出版:国書刊行会
 発売日:2005-02
 価格:¥ 2,100
 by ええもん屋.com

以前に途中まで読んだ記憶はあるけれど、どうして最後まで読まなかったのか理由がわからない。
くだらなくって実に私好みなのに。
おっとり主人のバーティーと、しっかりもの執事ジーヴス、間抜けな友だちビンゴ、強烈なおせっかいアガサ伯母さん、イタズラ方面に勤勉な従兄弟のクロード&ユースタス、誰もが愉快すぎる。
とにかく、ジーヴスは曲者。
バーティーに絶対服従しているようで、実は操っているのだから。
かといって、バーティーを軽んじているわけでもなく、本人に気付かれることなく操縦している手腕には脱帽。
服装のセンスが気に入らないと冷たくするところもいいじゃないですか。
すぐに処分してしまうのではなく、人に譲ってしまったり焼いたりするタイミングも絶妙。
バーティーが完全におバカさんではなく、学はあるけれど生きていくにはちょっと何かが足りなくて(ビンゴが騒動のタネを持ち込んでこなければ大丈夫かもしれないけれど)、それをジーヴスなら何とかできて、という不思議な関係が大好き。
ジーヴスが、助けることと自分が利益を得ることは別、としっかりしているところも憎めない(笑)。
シリーズとしてかなり刊行されているが、まとめて読むのは危険な気がするので、そこそこのペースで読み続けたい。
ドラマにもなっているのですね。
訳者によると、ドラマ版バーティーはどうしようもないばかに描かれていて幻滅らしい。
それはそれで一度見てみたい(悪趣味)。
…って調べたら、バーティー役Hugh Laurie(ハウス先生) じゃないですかっ!
たいへんだ、何とか見る手段を探さねば(笑)。
だから、ひとりだけって言ったのに
「だから、ひとりだけって言ったのに」
 [単行本]
 著者:クレール・カスティヨン
 出版:早川書房
 発売日:2010-08-06
 価格:¥ 1,890
 by ええもん屋.com

母と娘の関係をテーマにした19の短編。
ひどく落ち着かない気持ちにさせられた。
でも次の話が気になって困るので読んでしまう。
無邪気で、悪意で、無関心ではないけれど無神経、でも愛情は流れているという、本当に居心地の悪い話ばかりだ。
親との関係がうまくいっているとはいえない自分だからそう感じてしまうのだろうか。
でも身につまされるというのとも違う気がする。
この本は12の言語に翻訳されていて、次作はこの本以上にアクの強いものになっているらしい。
この本で感じたことがまた再現されるのか、翻訳されたら読んでみたいと思う。
のら犬ローヴァー町を行く (Hayakawa novels)
「のら犬ローヴァー町を行く (Hayakawa novels)」
 [単行本]
 著者:マイクル・Z. リューイン
 出版:早川書房
 発売日:2000-06
 価格:¥ 1,995
 by ええもん屋.com

のら犬ローヴァーの生活を追った短編集。
ローヴァー、かっこいい!
群れず、宿を持たず、しかし困ったものには手を差し伸べる、そんな犬なのですよ、ローヴァーは。
助けが必要な犬には本犬が望むのなら寄り添ってあげ、決してべたべたしすぎないところなど、まさに理想の男(笑)。
タイトルやイラストを見ると、童話のような気もするが、書かれていることは人間界の縮図で時に手厳しく、時に優しく、ほのぼのしたり苦しくなったり、実に奥深い。
最近読んだ「パーフェクト・ブルー」「心とろかすような」では、主人公の犬が人間の言葉を完全に理解していたが、ローヴァーでは犬と人間は通じ合ってはいない。
だからこそ、語られる命の尊さや無駄遣い、環境問題などがリアルに感じられるのかも。
印象的だったのは「幸運」。
寝床も食べ物も、運動も十分、いつもかまってくれる飼い主に恵まれたロールシャッハとの出会い。
私からするとロールシャッハはなんて幸せな、いい飼い主に恵まれたなあと思える。
でもローヴァーは、門が開いているのにそこから飛び出す犬らしさを忘れてしまったロールシャッハを気の毒に思っている。
人に飼われることは犬の本能を邪魔しているのかな、と考えさせられる。
ロールシャッハが、ボール投げ遊びについて飼い主のことを「彼はこの遊びに夢中でね」というのはちょっと思い当たる節がないでもないなあ(笑)。
サーバーおじさんの犬がいっぱい
「サーバーおじさんの犬がいっぱい」
 [単行本]
 著者:ジェイムズ サーバー
 出版:筑摩書房
 発売日:2009-03
 価格:¥ 2,310
 by ええもん屋.com

偶然手にしたのですが、犬といえばジェイムズ・サーバーといわれるくらいに犬関連の話をたくさん書いている作家らしい。
イラストも、生活している犬の感じが匂ってくるようでなんともいえない。
表紙にもいるブラッド・ハウンドちゃんのパラパラまんがが右ページ下で楽しめるのもステキ。
サーバーは1930年代から1950年代に活躍した人とのことなので、当然書かれているのもその頃のこと。
でも、時代が変わっても犬をとりまく、犬を愛する人の行動は変わらないのだな、と古さは感じられない。
犬と生活をしたことのある人なら、どれを読んでも頷けるし、そのユーモアにも隣にその犬がいるような錯覚を起こすと思う。
そんな中、メドゥヴィというプードルとの思い出と、死に対して捧げた「メモリアル」は心に沁みる。
これをもっと前に読んでいたなら、まさとのお別れにも毅然としていられたかもしれないと思うとまた涙、だ。
犬は私などよりよっぽど賢くて、その時がきたらたったひとりで受け入れる覚悟ができているのだ、とそう思えていたなら別れの時はもう少し違っていたかもしれない。
こういう気持ちにさせてくれるサーバーも、「メモリアル」について「亡くした直後に書いたので、そこかしこが夕暮れ色に染まっている」というので、愛するものとの別れとはそういうものなのだな、と。
しんみりしてしまったけれど、全編通じてユーモアに溢れていて楽しい本。
気に入った描写を引くと
辛抱強くて熱心なイングリッシュ・ブラッドハウンドが私服警官だとすれば、ジャーマン・シェパードは制服警官だ

ジャーマン・シェパードの犬刑事レックス、本当は制服警官なんだ!(笑)
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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