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本の感想
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ちょいな人々
「ちょいな人々」
 [単行本]
 著者:荻原 浩
 出版:文藝春秋
 発売日:2008-10
 価格:¥ 1,600
 by ええもん屋.com

体調悪くて気分が弱り気味でも、笑わせてくれ、世の中をナナメに見る感じも味わえて満足でありました。
特に気に入ったのは連作とも思える「犬猫語完全翻訳機」、「正直メール」。
すべてを知ること=幸せ、とは限らないのだなということを改めて心に刻みました。
でも私もきっと犬用のモニターに応募しただろうな(笑)。
それにしてもこの技術、すごいよね。そしてそれが一つの方向だけというのがまたいいオチ。
いろんなことに振り回されながら、最後に人としての心にたどりつくあたりに、少しだけ奥田さんの「家日和」を感じるのは私だけだろうか?
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愛しの座敷わらし
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荻原 浩
朝日新聞出版
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座敷わらしとの交流(笑)が始まるまではちょっとだるかった。
それが現実のものなのだとわかってからの話はあっという間。
だるいなと感じた部分も、壊れかかった家族というのが十分伝わってくるし、再生の道をたどり始め生き生きしてくる様子も楽しめたのですが。
読み出してこのタイトルではネタバレというかこのように落ち着くのは火を見るよりも明らかなのでは…?それが残念と言えば残念。
テーマはそんなことではないのでそんなの問題ではないのでしょうが。
現れた家に福を呼ぶくらいの大雑把なことしか知らなかった座敷わらしが、どういった経緯で人々の心に誕生したのかが語り伝えられているので、しゃぼんだまではしゃぐ座敷わらしに動揺「しゃぼんだま」へ込められた本当の意味(と言われていること)が重なって、かわいらしくも切ないシーンが目に浮かびます。
押入れのちよ
押入れのちよ
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荻原 浩
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「噂」を読んでちょっと気になる荻原さんの9編からなる短編集。
長編のじわじわと盛り上がってクライマックスへ向かうのもよかったが、瞬発力の短編も面白かった。
普通にホラーなものから読後にしんみりと優しい気持ちにしてくれるのにホラーテイスト、さらにはブラックコメディ、と多彩。
タイトルになっている「押入れのちよ」は優しい気持ちになれる。
見栄坊だった主人公が、格安の部屋に住む「ちよ」と出会ったことで自分を取り戻すお話。
人相判断のできるちよを就職先に使おうと試すが、ちよの悲しい生い立ちを聞いてからはちよのために!となる。
いい出会いだな~とこっちも喜べる。
どの話も好きだが昔読んだ「殺意の団欒」が凝縮されたような「殺意のレシピ」がお気に入りかな。
不仲の夫婦がお互いに「今日こそは!」と決戦の日を迎える。
その日のために年単位で計画している執念は見上げたもの。
打ち合わせもしないのに同じ日を選ぶなんて、やり直してみてもいいんじゃないかな?(笑)

まだ2冊しか読んでいないがスルーしていたのが後悔されるくらい、好みの作風の方であります。

殺意の団欒
文藝春秋
北村 太郎(著)ジェームズ・アンダースン(翻訳)James Anderson(著)
発売日:1989-06
おすすめ度:4.0

噂 (新潮文庫)
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「NYから来たレインマンが女の子の足首を切っちゃうんだって。でもミリエルをつけてると大丈夫なんだって」香水を売り出すためのWOM(WORD OF MOUTH)口コミ作戦が成功。しかしその噂が少女の連続殺人として現実となってしまった。所轄の小暮は警視庁からきた名島とチームを組み捜査にあたる。

都市伝説好きでもあるので、噂がどう扱われているのか興味深かった。
しかし、うっかり先に解説を読んでしまったので仕掛けられた「カミソリ」が気になって(笑)。だから名島が犯人の特徴を述べた時にわかりましたよ。やはり解説は先に読んだらいけないな。しかし本当のびっくりは最後の一言にあるわけだから問題ないか。あ、カミソリってこっちのことか!日常のやりとりを聞いていると、そんなふうには見えないんだけど。それが今時の女子高生ってことなのかな。
小暮は5年前に事故で奥さんを亡くし高校生の娘と二人暮らし。娘との生活を優先するため本庁勤務だったのを所轄に転属。私の好きな心に傷を抱えた男の登場かと期待したが。読むものみんな壊れた男だったら食傷だからいいんだけどさ(笑)。
刑事を辞めて制服警官に戻ろうか、名島と組んだことで気づかないうちに甦った刑事捜査の性分、それがぐるぐる葛藤する様子がよかった。若い女性警部補のお守りとの意識から、彼女の境遇を知り能力を認めチームとしてゴールを向かえるのも気持ちがよかった。この小柄な女性警部補の見た目のイメージが福家警部補と重なったのは私だけですかね?
photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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