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本の感想
道徳という名の少年
「道徳という名の少年」
 [単行本]
 著者:桜庭 一樹
 出版:角川書店(角川グループパブリッシング)
 発売日:2010-05-11
 価格:¥ 1,365
 by ええもん屋.com

何世代にも渡る、異型の美貌をもったが故の醜さに溢れた、大人の童話ともいえる小説。
短編集で、それぞれ発表された媒体も違っているが、五編で一つの小説として完結。
とびぬけた美しさは何かしらの闇を運んでくる、それが自然で運命論でもないところに惹かれる。
きれいなのに、何かしらの落ち着かなさや裏の表情を想像してしまうイラストとの相性もぴったりだったように思う。
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お好みの本、入荷しました (桜庭一樹読書日記)
「お好みの本、入荷しました (桜庭一樹読書日記)」
 [単行本]
 著者:桜庭 一樹
 出版:東京創元社
 発売日:2009-12-26
 価格:¥ 1,680
 by ええもん屋.com

桜庭さんの読む本はとても気になるので(CREAを買ったのもそのせいだし)、この読書日記シリーズはたいへん楽しみ。
WEBで読んでいた時期もあったけれど、やはり本になったものを一気に読みたい。

相変わらずの読書ぶり。
カンヅメ、長編執筆、とただでさえ忙しそうなのに、今回はなんと結婚までされているのですよ。
一体、どこにそんな時間とエネルギーがあるのか不思議。
速読トレーニングが身につかなかった私とは脳の使い方が違うのだろう。
桜庭さんは脳が活性化しているということなのかもしれない。
めまいの対症療法で、頭を振られた話には驚いた。
しかも民間療法じゃなくて、テレビで花粉症の解説をするような耳鼻科の先生とのことですよ。
めまいの種類にもよるのでしょうが、今度ためしてみようかな。
自分で振っても大丈夫かなあ?
書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記
「書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記」
 [単行本]
 著者:桜庭 一樹
 出版:東京創元社
 発売日:2008-10
 価格:¥ 1,575
 by ええもん屋.com

Webミステリーズ!で連載された桜庭さんの読書日記第二弾。
第一弾の「少年になり、本を買うのだ。」は図書館で見かけたと思ったらそのうちに「ありません」となってしまったので、うやむやのうちに見つけた第二弾を読むことに。
そうだ、第一弾が見つからないから雑誌「CREA 2008年9月号」の読書特集を買ったんだった(桜庭さんの選ぶ人生の100冊が紹介されてるのですよ)。
連載中に日本推理作家協会賞を受賞したり、直木賞に落選したり受賞したり、と大きな出来事に襲われている中「静かに本が読みたい…」という切実なお気持ちが伝わってきますね。
桜庭さんの読書が気になるのは「本棚」を見てから。
私の読みたい本が棚につまっているんですもの。
なので読書日記を読んで自分が全く知らない本でも読んでみたいなあ、という気になる。
作品よりも読書日記に強く惹かれて申し訳ないような気もする…(笑)。
巻末の座談会、F嬢の「本人が健全でないとあんな小説は書けない」というケッチャム論、賛同いたします(笑)。

桜庭一樹読書日記―少年になり、本を買うのだ。
「桜庭一樹読書日記―少年になり、本を買うのだ。」
 [単行本]
 著者:桜庭 一樹
 出版:東京創元社
 発売日:2007-08
 価格:¥ 1,680
 by ええもん屋.com
CREA (クレア) 2008年 09月号 [雑誌]
「CREA (クレア) 2008年 09月号 [雑誌]」
 [雑誌]
 出版:文藝春秋
 発売日:2008-08-07
 価格:¥ 680

赤朽葉家の伝説
東京創元社
発売日:2006-12-28
おすすめ度:3.5

「私の男」には疑問符がついてまわったけれど、やはり読みたくなってしまう桜庭さん。

千里眼奥様と呼ばれた祖母万葉、最強レディースの後人気漫画家となった母毛毬、そして何者でもない私瞳子。鳥取の旧家赤朽葉家三代にわたる物語。
家にまつわる話を万葉から聞かされて育った瞳子が書き記したという設定。
激動の時代変遷なのにさらっと進んでしまうのはそういうことだからなのかな?
自分の意見などもてなかった万葉の時代、高度経済成長で世の中そのものが自由だった毛毬の時代、その反動か誰もが何をも見つけられない瞳子の時代、一つの流れの中にすべてが納まっているのはすごいなあ。
でもこれは本当の世の中の流れなのですよね。
万葉の残した言葉「人を殺してしまった」を調べていくという形で最後の章は進む。
万葉は文字が読めないということと、途中で感じた違和感が答えそのものだったが、卒倒した意味にはつなげられなかった。
恋をしていた、それ以上に心の支えだった人の最期の言葉を理解できなかったことへのショック、「恥ずかしかった」そう思いさえしなければ…との後悔があの言葉になるわけなのか。
瞳子の解決、私には満足だった。
何者でもないと卑下しながら本当に何もしなかったことに比べれば理解者が瞳子であることに万葉も頷いてくれるのではと思える。
世代としては毛毬に近いのでレディースだとか、正当派の不良だとか、読みながら記憶の断片が刺激されるような単語が懐かしい(笑)。
でももっと万葉と姑タツの物語も読みたかった。
初のお産時、一瞬でその子の生涯を「視て」しまった万葉の衝撃は読んでるこちらにも衝撃だったもの。
タツがどうして万葉を見初めたのかとか、家での権力を掌握するにいたった逸話とか、想像するともう一冊本になりそうだ。
私の男
文藝春秋
発売日:2007-10-30
おすすめ度:4.0

読む前のネタバレは避けようとしていてもこの本に流れるテーマは目や耳に入ってきていた。
そのことを明らかにしてもなお読ませる何かがあるのだと前向きに考えて読んでみた。
が、私にはダメだ。
今から徐々に過去に返りながら状況が見えてくるのはとても興味をひかれたけれどダメだ。
近親相姦に嫌悪感があるのももちろんだけれど花と淳悟がわからない。
いつかもわからない娘の帰りを寒空の下で待つとかその理由が浮かんでくるところなどは好きだが。
良いも悪いもない、どうしてなのさ!というのが正直な感想。
家族を失った花を引き取ろうとする淳悟を心配する大塩のおじさんが「君は欠損家庭だから」と本人に向かっていうのがとても引っ掛かった。
このじいさん、何てデリカシーのないことを言うんだ?と。
しかし読後にはそれが正しかったように思えてしまった。
もちろん実際の世の中ではそんなことないというのはわかってます。
淳悟に限っては大塩さんの見立ては間違ってなかったのかなと感じたということです。
そう感じてしまったのは奥尻から花を連れ帰る淳悟が二人が親戚であることを話す場面で、自分は花が産まれる前奥尻に預けられていたがそれっきり、俺も、あきちゃったしというところ。
あきちゃったし、この言葉に拒否反応。
何にあきたのか、奥尻?竹田の家?花のお母さん?そう思うともう…。
父親を亡くし、存在としての母親も亡くしたこと、大塩のおじさんが本当に手を差し伸べなければならなかったのはその時の淳悟だったのだな、そう気付いたからこその後悔が事件を生んだように思う。
本を読み終えると登場人物の今後や以前を想像するのが好きだったりするのだが、これはできない。
花が淳悟を捜すのか捜さないのかなんてどうでもいい。あれ?ちょっと想像してるじゃないの(笑)。
共感できるかどうかだけを追い求めて本を読んでいるわけではないのに。
もしかしてこの本の本当に評価すべきところを見逃しちゃったのかなあというくらい世間様の評判とはかけ離れていると感じたのでした。
桜庭さんの他の本は結構好きなのになあ。
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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