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本の感想
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嵐を走る者 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
「嵐を走る者 (ハヤカワ・ミステリ文庫)」
 [文庫]
 著者:T.ジェファーソン パーカー
 出版:早川書房
 発売日:2009-01-24
 価格:¥ 882
 by ええもん屋.com

保安官補のストロームソーは自分を狙った爆弾で妻子を亡くし、自身も重症を負う。
犯人は高校時代の親友で現在はマフィアのボスのタバレス。
かつての親友が何故そこまで憎しみをぶつけてくるのか?というのがメインテーマ。
酒浸りの生活を脱して旧友の警備会社でボディガードを勤めることになったストロームソーの担当するのがお天気キャスターのフランキー。
単なるストーカー事件と思われていたフランキーの護衛が、彼女が祖父から受け継いだ人工降雨研究こそが真のターゲットだった、と広がりを見せる。
刑務所内のタバレス人脈がフランキーの事件に関わっていたり、と愛憎溢れる人間関係は読んでいて退屈しないのですが、どうしたものか。
この作家さん好きだったんだけどなあ。
実際に研究されているものとはいえ、人工降雨に興味を持てなかったのが私の敗因だろうか。
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レッド・ボイス (Hayakawa Novels)
T.ジェファーソン・パーカー 七搦 理美子
早川書房
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主人公ロビー・ブラウンロー刑事は、3年前に人を助けようとしてホテルの6階から落ちた。
命は助かったが頭を強く打ち、共感覚を持つようになった。
ロビーの場合、話し相手が嘘をついていると赤い四角が見えるという。
これが邦題の所以でしょうね。
この設定を読み、特殊能力さんの話は勘弁して欲しいと思ってしまったが、訳者あとがきによるとこの共感覚というのは実際にあるらしい。
ある刺激を受けたとき別の感覚が伴うことを共感覚と呼び、どの感覚が結びつくかは人それぞれだが、ロビーのように視覚と聴覚が結びつく場合が多いらしい。
本当にあることなら新しいことを知る機会だ、でも超能力刑事として奔走していたらどうしよう、と迷いながらも読む。
迷ったのは前作(?)「カリフォルニア・ガール」が私にはいまひとつだったからというのもある。
ロビーが取り組んだ事件の顛末は私好みではない。
大スキャンダルを見せておいて、殺人の真相は別のところですから。
それも解決しなければならないことであったのは確かだが。
共感覚の使われ方もただ見えるだけで中途半端だなあと思っていたが、むしろそれこそ自分が懸念したことじゃないのか?と少しばかり反省。
ミステリとして読むとかなり消化不良。
しかし読み終えた後にロビーの再出発の物語だったのだな、と思えるとこの静かな運びにも納得。
知らず知らずのうちに静かに心を震わせられているという感じ。
でも反面、「サイレント・ジョー」のような深い唸りをもう一度体験したいな、とも。
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カリフォルニア・ガール (ハヤカワ・ノヴェルズ)
「カリフォルニア・ガール (ハヤカワ・ノヴェルズ)」
 [単行本]
 著者:T・ジェファーソン・パーカー
 出版:早川書房
 発売日:2005-10-14
 価格:¥ 1,995
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本を読むのが遅い上に年末の何やかや、体調を崩すなど様々なことが重なった。
おかげでこの本を読み終えるのに10日以上かかっている。
こんなに日数をかけてしまうとストーリーをちゃんとつかめたか心配だ。
なぜなら、良かったのだが今ひとつピンとこない。
いろんなところで大絶賛の記事を見るが、私はそこまでいかない。
この作品で2度目のアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞を受賞したというのも手伝って期待しすぎたのだろうか。

子供のころから知っていた少女の首切り惨殺死体。
その事件をめぐる家族の物語。そして1960年代のアメリカの物語。
家族の描かれかたが魅力的。
主人公の家族の互いを大切に思う気持ちがやりきれない中にも伝わってくる。
対比させて死体となった少女の家族が描かれているからなおさら。
ミステリではなく小説だなという印象が強い。
好きな作家の作品で絶賛されているのに、それに同調できないのは寂しいものがある。
やはり原因は読むのに費やした日数だろう。体調もか。

余談ですが「サイレント・ジョー」で、主人公が自宅で夕飯の支度をするのにテレビ・ディナーを3つ温めるシーンがある。
「客が2人来るのか」と思っていた。確かに客は来た。1人。
でもそれは予定外の客だった。
「今から夕飯だけど、食べませんか」と誘ったが、客は辞退した。
テレビ・ディナー3つが1食分というのが当時、とても印象に残った。
今でも忘れられない。
確かに主人公は体が大きい設定だったけれど。
photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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