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本の感想
からくりがたり
「からくりがたり」
 [単行本]
 著者:西澤 保彦
 出版:新潮社
 発売日:2010-08
 価格:¥ 1,470
 by ええもん屋.com

自殺した兄の日記を発見した妹が、おおよそ兄の性格からは想像できない愛欲日記であることを疑問に感じて探ってみると…という連作短編集。
あっちの登場人物がこっちにも!というつながりのある話は個人的に大好き。
しかし、それなのに、西澤さんなのに、私には物語の着地点が見えませんでした…体調が悪いからか?
「計測機」なる囁き人がダメだったのかなあ?
でも、私確か「腕貫探偵」にはそういう人を求めてたよね(笑)。
最終的にひとつの物語になっているけれど、私にはひとつひとつ独立した話と受け止めたほうが受け入れやすかったかも。
いや、そうするとこのつながりの妙がもったいなくなってしまう。
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腕貫探偵、残業中
腕貫探偵、残業中
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西澤 保彦
実業之日本社
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腕貫探偵の勤務時間以外での活躍を集めた短編集。
彼のいかにもお役所的な対応が好きだったので、勤務時間以外に相談事を聞いてあげるのは私的にはあまり嬉しくない(笑)。
時間だから、と途中で遮ることこそが腕貫探偵の魅力なのに。
不似合いな場所への登場と去り方から不思議な存在、本当は見えているのはその相談者にだけというイメージがあったがこれは私の頭の中だけであったようだ(笑)。
というわけでプライベートな時間、食事中の店で事件に遭遇したり、そこで出会った女子大生に想いを寄せられたりと人としての腕貫探偵に出会った感じ。
仕事だろうがプライベートだろうが、腕貫探偵は冷静に事実を見つめ人間関係の暗部を見つけ出してくれるのでした。

収穫祭
収穫祭
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西澤 保彦
幻冬舎
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1982年8月12日、台風が接近中の首尾村。
中学3年生のブキ、カンチ、ゲンキはカンチの家の離れで夜を過ごすはずだった。
不審な物音を聞き外へ出ると、同級生のマユちゃんの悲鳴が。
家族が自宅で殺されているという。
助けを求めようと村を彷徨うも、出会うのはマユちゃんの家族同様殺された人ばかり。
おまけに外とつながる橋は濁流と犯人によるガソリンで燃え消滅。
身を寄せ合って助けを待つ3人…。
9年後、犯人とされた英会話講師の家族が息子の無実を証明するために来日。
するとなぜかまた同じような殺人が…。
犯人は別人だったのか?

人が死にます。とにかく死にます。
1982年の事件で村一つ消滅してますからね。
最初こそ○人も殺された、と数えてたけれど止めましたよ。

助けが欲しいのに出会うのは死体ばかり、中学生なりの知恵を出し合って助け合いながら進んでいく最初の章は見事に引き込まれた。
犯人とされた外国人英会話講師も実は犯人じゃないんだなというのもわかるし、それ以降の真犯人へのつながりに期待も十分!
…でも私的にはどんどん失速。
途中、発熱したせいもあるかもしれないが。
無実の証明にあたるお金持ちさんの介入があまりにも…。
調べるのはいい。
しかしその解決法、どうでしょうか。
真犯人にいきついて激昂してつい、じゃないでしょ。
最初からそうするつもりだし。
それじゃ殺し屋じゃん!

カンチの登場にもいきなり感が強くないかなあ。
そこに至る心がブキとの会話でしかわからないんだもの。
真犯人が凶行に至った理由もそうか!とはいかないなあ。
心を病んでしまうとはそういうこと、で片付けるにはあまりにも…。
病んでしまった人の病んだ犯罪でいいのかなあ?
ブキも含む。
連発される性描写も心の闇を描くのに必要だったのかもしれないが、私には過剰にしか思えなかった。

そうそう、真犯人の人が登場したところではその違和感、ありましたよ。
そのわりには冷静じゃないの?って。

いろんな疑問が解けていく過程は納得させられるけれど、嫌な感じともったいない感が強い。
発端は最高だと思うもの。
方舟は冬の国へ (カッパノベルス)
「方舟は冬の国へ (カッパノベルス)」
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 著者:西澤 保彦
 出版:光文社
 発売日:2004-08-20
 価格:¥ 900
 by ええもん屋.com

休職中の青年が、ハローワークの前で奇妙な仕事にスカウトされる。
これから1ヶ月、監視カメラやマイクのある別荘で、ある女性と少女の3人で仲の良い家族を演じてもらいたいと。
好奇心と破格の報酬から引き受けることにするが、到着早々不思議なことが起こり始める。

といってもホラーではない。後できちんと(?)説明がつく。
話の本筋の合間に偽夫婦が語るお互いの過去。
納得がいかなかった思い出を語るのだが、それを相手が推理するという、安楽椅子探偵風味も入っている。でもあんまり…。
メインテーマじゃなく、キャラクターを知らせてくれるための挿話程度かな。

少女の希望であろうことまでは、なんとなく想像できるが、その理由の背景は出来ませんでしたね。
疑心暗鬼であったのが、だんだんとつながりを強く感じていく様子は、最近読んでいた西澤さんの本とは違った趣で優しい気持ちにさせてくれます。
「おとなのお伽噺」と西澤さんも書いておられますが、そのとおりですね。
フェティッシュ
「フェティッシュ」
 [単行本]
 著者:西澤 保彦
 出版:集英社
 発売日:2005-10
 価格:¥ 1,995
 by ええもん屋.com

5つの話が一緒に進行していく。一緒というのは語弊がありますが。
老人、看護師、刑事…とそれぞれの視点から。
早々に挫折しそうになったが、刑事がどうも通り一遍の刑事ではなさそうなので、そこに興味の主点を置いて読んだ。
この刑事の追っている事件が、この話の流れなのですが、読後、やはり私にはよくわからない。
金持ち娘たちの道楽と呼ぶには酷すぎる。
道徳的にどうとかそれだけじゃなくて。
あまり大っぴらにはしたくない趣味を持っていてもそれはかまわない。
でもそれと人格が破綻しているのとは別問題。
予備知識ゼロで読み始めたからこんな感想しか持てないのか。
終息の仕方が説明にしかとれないのは残念。
でも話の展開はあっちにつながり、こっちにつながり、と興味をかき立てられました。
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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