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本の感想
造花の蜜
「造花の蜜」
 [単行本]
 著者:連城 三紀彦
 出版:角川春樹事務所
 発売日:2008-11
 価格:¥ 1,890
 by ええもん屋.com

「圭太君が蜂に刺された」という電話で慌てて幼稚園へ駆けつけると「蜂に刺されたのはおばあちゃんでしょ?圭太君は先ほど迎えに来たあなたに渡しました」と先生に告げられ驚愕する母親香奈子。
蜂事件は仕組まれた嘘で圭太は誘拐されたのだった。
犯人の要求に翻弄されながら家庭の複雑な状況が露見するがそれは始まりに過ぎなかった。

誘拐事件、事件の真相、その後、という三つに大きく分けられる。
真相を知るところまででも十分に一つの小説として成立していると思ったので「その後」の必要性に首をかしげながら読んだ。
そこまでで、予想のつかなかった本当の誘拐事件の姿に驚かされ、何があっても驚かないつもりだったが「そうだったのか…」感は隠せない。
なるほど、連城さんが余計なことをするわけはない。
しかし驚きっぱなしの本だったなあ。
どんどん変わる誘拐事件の顔、一面からでは見られない犯行グループ、単なる虚勢ではない警察への挑戦、それらが加速して一気にラストへ駆け抜けていった感じ。
勢いで一気に読了してしまうが、香奈子の義姉とか、香奈子の元姑の隣人とか、その後の小川家山路家とか、気になる部分がないこともない。
それは純粋に人生の淵を見てしまった人たちの今後だったりという、奥行きに想いを馳せるといったことだが、犯人の資金の出所は単純にして最大の疑問。
「その後」では圭太君事件で手に入れた金を回しているのだろうが、じゃあ圭太君事件は?
複数犯を無報酬でつなぎとめられるわけはないだろうし。
それまでに造花の蜜を吸って得たものが資金ということでいいのだろうか。
蜂にこだわったのも疑問といえば疑問だが、「川田」に共犯者&被害者以上のものを感じていたのでは?という気もする。単にポーズとして利用したという見方もできるけど。

連城三紀彦さんで誘拐とくれば「人間動物園」がありますが、今月19日(日)にWOWOWでドラマとして放送されます。
読んだ頃は内容の覚書はしていなかったので、細部は忘れているがたいへん面白かったと思ったことだけは覚えている。
WOWOWのドラマも力が入っているので期待できるかも…?

人間動物園 (双葉文庫)
「人間動物園 (双葉文庫)」
 [文庫]
 著者:連城 三紀彦
 出版:双葉社
 発売日:2005-11
 価格:¥ 660
 by ええもん屋.com

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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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