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本の感想
マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン
「マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン」
 [単行本]
 著者:小路 幸也
 出版:集英社
 発売日:2009-04-24
 価格:¥ 1,575
 by ええもん屋.com

東京バンドワゴンのファンは前日譚に酔ってしまうかも。
シリーズ開始時、既に故人だったサチさんと貫一の出会い、堀田家やサチさんの実家の奇遇なつながりとか、作られすぎのような雰囲気が強くても「そうであってよかった」と思えてくる。
ここにはいざこざは似合わないの。
何か問題が起きても、騒々しさの中でお互いがお互いを思いやっているうちに解決してしまう、そんな堀田家の動かしようのない歴史を見たような気がする。
でもお国とか絡まなくて、いつもみたいに日常感漂うほうが私は好きだ。
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スタンド・バイ・ミー―東京バンドワゴン
小路 幸也
集英社
売り上げランキング: 28306

相変わらずのにぎやかさと人情解決にほっとさせられ、安心して読めるシリーズ三作目。
今回も秋から夏へと堀田家の四季を満喫。
大スキャンダル発生未遂事件の納まり具合とか、古本全部買うとはスケールの違いすぎる藤島さんの決定は突飛過ぎないか?…と思わないでもない。
でも現実では絶対出会えないであろう堀田家周辺なので許せてしまう(笑)。
大スキャンダル話の結末に違和感があるのも普通な感じがしたからなのだろうな。
何かしらあって違和感もった部分に「らしい」と思わせてくれる展開があるよう、今後に期待できるからいいかな。
この件も青の言葉があればそれで十分な気もするけど、向こうさんにもね、何かしら期待しちゃうのが我儘読者なのですよ(笑)。
モーニング Mourning
実業之日本社
発売日:2008-03-19
おすすめ度:4.0

大学時代の友人の葬儀で顔をあわせることになった四十代半ばの4人。5人は共に生活した仲の良い友人であったが卒業後一同に集まるのは久しぶりのこと。友を見送りそれぞれの生活に戻りかけたところで淳平が「この車で一人で帰って、自殺する」と言い出す。さらに「自殺の理由を思い出したらやめる、理由は共に暮らしたあの頃にある」と言う。思い止まらせるために仲間はそれぞれ帰りの予定を変更し、あの4年間を想いながらのロングドライブが始まる。

楽しかった、幸せだったあの頃を時間に縛られずに思い巡らす。
もう一緒には歩めない友を弔う、その最高の方法を淳平は思いついたわけだ。
もちろんきれいなことばかりではなく忘れてしまいたい苦いことも思い出されるがそれも含めてのあの頃。
共に泣いて笑って怒って過ごした日々を素直に宝だといえることを羨ましく思う。
最高の弔いをして家庭のある二人が帰った後の本当の告白。
「慎吾とはたびたび会っていた」の意味する切なさが肝。
でも、一点だけは理解できない。そう、復讐のこと。
「それでいいのか?」と止める人がどうしていなかったのか疑問。
自分だったらそんな経験した後は数人ずつでも再会するのは勘弁して欲しい。
だって、新聞をチェックするくらいに悪いことである意識はあるんでしょ?
「HEART BLUE」でもそうだったけれど小路さんは登場人物にどうしてこんなことさせるのかな。
集団心理の恐ろしさがまとわりついて困る。
「HEART BLUE」の感想で否定的なこと言っていたくせにまた手に取るほど読みたい、読ませる、なのに。
5人と一緒の茜は見えるけれど、問題の部分となるとちょっとちぐはぐな気がしないでもないし。
これも合わせていつか私にもわかる日がくるのだろうか。

タイトルの単語、morningだとばかり思っていたらmourningでした。
答えを見つけた朝と友の喪と、二重の意味をもつタイトルだったのですね。

世代的には自分より上だが、学生時代に憧れていた講師の世代と丸かぶりでミュージシャンや曲名に切ない気持ちを穿り返された。
憧れの人の趣味って追いかけたくなるでしょ(笑)。
そういった意味では私にも青春振り返り小説でありました。

11月9日追記
TBさせていただきました。
こんな夜だから本を読もう(shiba_motoさん)
HEARTBLUE (ミステリ・フロンティア 40)
小路 幸也
東京創元社
売り上げランキング: 335410

NY市警失踪人課のワットマンの元へ少女を捜す少年が現れる。またワットマンと知り合いの巡矢もあるきっかけからNYで別の少女の行方を追いかける。それぞれがたどり着いた先に待っていたものはあまりにも哀しすぎる現実。

話的につながっているわけではないが「HEARTBEAT」を読んでいないと巡矢の気の回し方やワットマンがどうして巡矢に連絡を取らないのかを鬱陶しく感じるかも。読んだ私も詳細忘れてるし。びっくりしたのは感想を読み返そうとしたら存在していなかったということだ(笑)。確実に読んでるんですけどね、どうしたんでしょ。
二つの方向から探っていたことが同じところにたどり着き、先に知ってしまった方が守りたい人を守るためにつく大きな嘘。巡矢ならそうするだろう。でも、その手段には嫌悪感。ベースにあった事件がそういうものだから仕方ないかもしれないけれど、ちょっと違うんじゃないかな。怒りを表しながらもそれを利用するってところは私にはだめだったな。しかも間違ってたし。疑いはかけられたものの真の悪人なんて一人も出てこない、そんな世界だからこそワットマン父の間違ってしまった愛情が哀しすぎる。だって、レベッカでも繰り返してしまったということでしょ。

海外ドラマ好きとしてはNY市警のミッドナイトブルーの制服に「サード・ウォッチ」を重ねずにはいられないし、NYで失踪人というのも「WAT」が浮かんでくる。「WAT」はFBIのNY支局だけど。

追記
読んだのに書いてないというのが不思議だったけれど、ありましたよ。探し方が悪かっただけでした(笑)。相変わらずの粗忽ものです。
シー・ラブズ・ユー―東京バンドワゴン
小路 幸也
集英社
売り上げランキング: 40915

東京の下町で古本屋とカフェを営む堀田家の物語、「東京バンドワゴン」の続編です。
人物関係図が書かれているので初めての方も安心です。
でもお話がきちんと流れているので最初から読んだ方がより楽しめます。

また1冊で四季を過ごせます。
季節や進行していく時間がそのまま感じられるのも魅力ではないでしょうか。
子どもは進級し、妊婦さんは妊娠期間を経て出産を迎え、といった具合に。
今回、今の堀田家を立て直した秘密が語られるところに、ただにぎやかな大家族ではないというところにほろりとさせられます。
持ち込まれる謎の部分もこれくらいが調度よく、堀田家の四季をいつまでも見ていたいです。
赤ちゃんふたりに藍子さんの結婚、と家族は一気に増えることになります。
紺や青も悩んでいた堀田家の部屋割りがどうなるのかを含め、次が楽しみです。
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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