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本の感想
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二枚舌は極楽へ行く (FUTABA・NOVELS)
「二枚舌は極楽へ行く (FUTABA・NOVELS)」
 [新書]
 著者:蒼井 上鷹
 出版:双葉社
 発売日:2006-10
 価格:¥ 860
 by ええもん屋.com

12のミステリ短編集。
話ごとの主要人物は違うけれども、どこかで前に読んだ誰かが登場してくる。
途中でストーリーよりも「これはアレの○○だ」を探している自分を発見。
ドラマを見ている自分のようだ。
つまり私の見方は一貫しているのだ!無関係なことを再認識。

肝心の本ですが、お話はスッキリと解決しているとはいえず、
どれもが少し嫌な余韻を残す。
そういうのは嫌いじゃない。
嫌な余韻を残す原因は各話の最後に記されている<参考>のせいかも。
私が無知なだけかもしれないが、関係性がよくわからない。
<参考>までは1話なのかも。
著者がインスパイアされたって意味のことなのかな。

私は他の本も読んでみたくなったけれど、どうでしょう?
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配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)
「配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:大崎 梢
 出版:東京創元社
 発売日:2006-05-20
 価格:¥ 1,575
 by ええもん屋.com

本屋さんを舞台に、書店員杏子と大学生アルバイト多絵が5つの謎を解いていく。
舞台が舞台なのでそんな凶悪なことは起こらない。
警察が介入するのもあったけど。
何がいいって、本来あるはずの人間の善意、良心が感じられるってこと。
事の次第がわかった途端、一致団結する人たちに心の底からほっとする。
そんな意味で「パンダは囁く」やタイトルになっている「配達あかずきん」がお気に入り。
いつもすごいドラマばっかり見ているからかな?(笑)

身近に書店員がいますけど、本屋さんの毎日の仕事もさりげなくリアルに書かれているようで、書店員の共感度も高いらしい。

勝手に町の小さな本屋さんを想像してたので、お洒落な駅ビルに入っているというのはちょっと驚き。
やどかりとペットボトル
「やどかりとペットボトル」
 [単行本]
 著者:池上 永一
 出版:河出書房新社
 発売日:2006-11-16
 価格:¥ 1,260
 by ええもん屋.com

久しぶりに読了できた本です。

池上さんの本は初体験。それが小説ではなくエッセイ。
まあ、沈んだ心にも行き渡る面白さ。
幼少時のエピソードが最高。
これは本当にエッセイなのだろうか?と思うこと必至。
嘘じゃないだろうけれど、針小棒大っていうか針小丸太棒大ってところか。
算数の文章問題で「太郎さんも花子さんも食べ物しか買わないので飽きちゃう」ってくだりがツボ。
私も同じようなこと思って、文章問題嫌いだったなあ。

沖縄に触れているところも、同世代の人が生活の中で感じたままに書かれているので親しみが。

俄然興味がわいてきた池上さんだけれど、小説は読めるかなあ?(笑)
145gの孤独
「145gの孤独」
 [単行本]
 著者:伊岡 瞬
 出版:角川書店
 発売日:2006-06
 価格:¥ 1,680
 by ええもん屋.com

元プロ野球投手倉沢。
試合中、打者の頭にボールをぶつけ再起不能にしてしまう。
この件が尾を引き倉沢はプロの世界を去る。
そして今は便利屋をやっている。
倉沢にぶつけられた西野とその妹と。ちょっと微妙だけれど。
そこに「付き添い屋」という特殊な依頼が舞い込む。
子供に付き添ってサッカーを見に行くだけなのに高額な報酬、国に帰る女性が飛行機に乗るまで見届ける、泊まることが条件の本の整理…どこか裏がありそうな胡散臭さ。
倉沢がそれぞれの背景にある謎を解いていく、というお話。
でもそれだけならただの連作短編集。それだけではないのですよ。
人の選手生命を奪い、それをきっかけに自分の選手生命をも失った倉沢自身のエピソードが胸に詰まる。
最初から伏線が張られていたことに驚かされた。
そう知ってから、とぼけっぱなしの会話を思い返すともう結滞がおきそうなくらい。

この倉沢のエピソード、大好きな奥田英朗さんの「邪魔」に出てきた刑事を想い出させる。
この刑事の話は途中から疑いだし、そうなんだとわかった時には胸が張り裂けそうだった。
「145gの孤独」は疑わせなかった。伏線に気付きもしなかった。
日常の謎を解いているようで、実は倉沢の謎が描かれているというとても好きな展開。
脇に出てくる倉沢の子分の花屋も実にいい子分っぷり。
そっけなさすぎる西野の妹と対照的。これも伏線の一つかな?
イケズの構造
「イケズの構造」
 [単行本]
 著者:入江 敦彦
 出版:新潮社
 発売日:2005-02-19
 価格:¥ 1,155
 by ええもん屋.com

入江さんの本は楽しいのですが、京都物は敷居が高く敬遠気味。
どちらかというと、英国を題材にした本のほうがお気に入り。
地方ごとに文化の違いがあるのはわかるが、なかでも京都には特別なものを感じる。
でもこの本はとても面白かった。
楽しむためにはまずイケズに対する誤解を解くことから。

陰険、意地悪、イヤミ…といったイメージを持っていたがそれとは別物らしい。
京都以外の人がもっている上記のイメージは大抵、人間の持つ裏表の面で、相手によって態度が変わるもの。
でもイケズは正面から堂々と行われ、同じ視線からバチっと照準を合わせ、その人個人に向けられる。
単なる皮肉やイヤミではなく、その人に気付かせてあげるためにあるようだ。
直接的では傷つけてしまうので、遠回り気味に教えてくださっているのですね。
相手が気付くか気付かないかの匙加減が京都人の技なのでしょうか。

お客様にカマス、イケズの代表とされる「ぶぶづけ」。
しかし、これは伝説であったことが判明。
でも昔、ドラマで見たのですよ。
京都に嫁いだ女性が、親戚にお遣い物を頼まれて「ぶぶづけでも」と言われていただいてきました、という話。
家に帰ると、もうその親戚から「あんたのところのお嫁さん、ぶぶづけ食べていきはったえ(注:偽京都弁)」と連絡済で、姑から散々小言をもらっていた。
京都をおもしろおかしく表現するために使われたに過ぎなかったのか。

ひさうちみちおさんの絵もよろしおすなあ。
読むと偽京都弁ブームがきます(笑)。
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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