入江さんの本は楽しいのですが、京都物は敷居が高く敬遠気味。
どちらかというと、英国を題材にした本のほうがお気に入り。
地方ごとに文化の違いがあるのはわかるが、なかでも京都には特別なものを感じる。
でもこの本はとても面白かった。
楽しむためにはまずイケズに対する誤解を解くことから。
陰険、意地悪、イヤミ…といったイメージを持っていたがそれとは別物らしい。
京都以外の人がもっている上記のイメージは大抵、人間の持つ裏表の面で、相手によって態度が変わるもの。
でもイケズは正面から堂々と行われ、同じ視線からバチっと照準を合わせ、その人個人に向けられる。
単なる皮肉やイヤミではなく、その人に気付かせてあげるためにあるようだ。
直接的では傷つけてしまうので、遠回り気味に教えてくださっているのですね。
相手が気付くか気付かないかの匙加減が京都人の技なのでしょうか。
お客様にカマス、イケズの代表とされる「ぶぶづけ」。
しかし、これは伝説であったことが判明。
でも昔、ドラマで見たのですよ。
京都に嫁いだ女性が、親戚にお遣い物を頼まれて「ぶぶづけでも」と言われていただいてきました、という話。
家に帰ると、もうその親戚から「あんたのところのお嫁さん、ぶぶづけ食べていきはったえ(注:偽京都弁)」と連絡済で、姑から散々小言をもらっていた。
京都をおもしろおかしく表現するために使われたに過ぎなかったのか。
ひさうちみちおさんの絵もよろしおすなあ。
読むと偽京都弁ブームがきます(笑)。
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