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本の感想
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兄理一の家で姪っ子ひとみと遊ぶのが楽しみな刑事舞田歳三の関係する事件の連作短編集。ゲームや他愛のない会話、その会話に事件解決のヒントが隠されていたりで一石二鳥だ(笑)。

刑事が普通の自宅で事件の話をすると解決らしいので頭の中では都筑道夫さんの「退職刑事」の図式が出来上がってた。
でも退職刑事役のひとみちゃん(注:私の中だけでですよ)は事件の話もあまり聞かされないし、発するヒントも歳三が閃くのであってひとみちゃんには意識がない。ダンスもしてない(笑)。そういう意味では肩透かし。
著者が「ゆるミス」「やわらか本格」と表現されているそのままに楽しめるのは間違いないのですけど。
1話だけでキャラクターのアウトラインを説明してしまうことをせず、話を追うごとに少しずつ明らかになっていくのも楽しみがいがある。
そう考えると収録されている6話で1話かもしれない。
「ゆるミス」等と表現されてはいるが、小学生が闇金に金を借りて「死んじゃったから返さなくてよくなってラッキー!」とか、市会議員の性的嗜好とか、従順であるが故に鬱積したものが爆発するとか、病んだ社会がこれでもかと登場。
その陰惨な部分を中和するのが舞田家のキャラクターの役割なのかも。

当然これも図書館本なのですけど、タバコ臭くてかなわなかった。
それでも読み通したというところで面白かったんだなということをわかっていただきたい(笑)。
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リッチ リッチ バーガーズ  -ハンバーガーを食べまくるハンバーガー日記
イノウエ シンゴ
洋泉社
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会社員のかたわら、趣味で全国のハンバーガーを食べ歩いた感想をブログにしていたものが本になったのだとか。

ハンバーガーといえばマクドナルドやモスバーガーくらいしか知らない私はリッチなハンバーガーと聞いてもピンとこなかった。せいぜいモスの匠か、食べたことないけど(笑)。
それがこの本に紹介されているのは本当にリッチでリッチなハンバーガー。お値段も見た目も倍以上!ホテルのハンバーガーなんてお値段の後に「サ抜」とか書いてあるし。
普段サービス料払うような外食してないからそれだけでもう別次元の食べ物だ。
それでも写真を見ていくにつれ、それなりに納得してくる。だっておいしそうだもの。
というわけでハンバーガーに対する見識が覆った本でした。
それにしてもアボカドをつかったバーガーのなんと多いこと。
食べてみたいなあ~、とりあえず口唇炎を治してからにしよう。
そう思うくらいに「こんな嵩のもの、どうやって食べるんだ?」という疑問が。
でもご安心を。ちゃんと著者が経験をふまえた食べ方講座を書いてくれてます。なんて親切!
が、お店の紹介はしていても地図がなかったり、後半カラー写真じゃなくなったりしているので相殺。むしろ減点だ。
だって、ハンバーガーを色で説明すると薄い茶色でしょ。それなのにカラーでないページの写真は薄いオレンジ。ほとんど何が何やらわかりません。ブログで確認して下さいってことですか。

のはなし
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伊集院 光
宝島社
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雑学王としてもおなじみの伊集院さんのお題にそったエッセイ。週3回、1回400文字以上、というメールマガジン連載(と言うのかな?)されていたものから加筆しての選りすぐり。お題はメールマガジンの読者に「7文字以内のテーマを」と依頼してのものとか。

ラジオの伊集院さんファンとしては過去に聞いた覚えのあるものもいくつか。でもそれをまた文字で読むと新鮮。印象に残る話はやはり2メートルの蛙かな。幼稚園の頃に遭遇したらしいが、私もそのくらいの年の頃に見た馬が家より大きかったような記憶があるからそういうことなんだな、と納得できる。
産まれても生きられなかった犬に対しての心情も伊集院さんだな、と思わせる。犬なんだからなるべく擬人化しないようにと自分にブレーキかけている感じがなんとも。私自身、犬を亡くしたことを人間と区別できず未だに哀しみから抜け出せてないからなあ。
あと670本あるそうなので、次も出版されることを期待。その際にはオリジナルの年月日もつけてくれるとうれしい。いつ頃書いたことなのかがわかった方がより楽しめるもの。
この指とまれ  -GONBEN-
この指とまれ -GONBEN-
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小川 勝己
実業之日本社
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父親が会社で不正を働き逮捕された吉田、少年時代に暴れまくったが更生したようでいてアル中の夏樹、恋人に貢いだのに別の女に乗り換えられた夏子らが歩に持ちかけられ詐欺グループを結成。
計画は綿密に「ビジネス」は次々と成功するが、ヤクザに手を出したことから身辺がきな臭くなる。
学生サークル詐欺グループは自分たちの尻を拭えるのか?


以下、内容を連想させる部分もあります。

GONBEN−ごんべん−とは警察業界擁護で詐欺のこと。
次から次へと詐欺の手口が出てくる。
どうしてこんなことに引っ掛かるかな、よりもかなり大掛かり。
1年もの期間を費やしているものまで。
ニュースに出てくる「許せない人たち」なわけですよ。
イギリス海外ドラマ「華麗なるペテン師たち」と似た設定。
決定的に違うのはドラマはターゲットは悪人で一般人には手を出さないのに対し、こっちの選定基準はカモになるかどうかそれだけ。
情け容赦ない人選とでもいいましょうか。
どうして引っ掛かるのかわからないようなニュースがあるが、詐欺師たちはターゲットが逃れられないよう万端の準備をしてくるのだから無理な話なのか。
詐欺の組織力の恐ろしいこと。
でも…文中に出てくる「詐欺師は二人組みが多い、人数増えると分け前が減るから」というのがラストの恐ろしさに直結!

ご本人の日記に「全部読んでいる人なんているのだろうか」とありました。
巻末の全仕事でチェックしてみると…いましたよ、ここに!(笑)
出版されているものは全部読んでました。
描写がキツイところもあるけれど、それを含めて何故か好き。
あまりにもダメ人間でこっちが苦しくなるようなこともある。
登場人物の生活感がリアルにくるところが好きなのかなあ。
小川さんが体調をくずされているのは心配ですが、本は楽しめました。
彼らの今後とかそれ以前も知りたくなる読後感です。

前作の出張編は読んでないですが。
イメージとして短編の方が読みやすいというかまとまるような気がするので。

成風堂という書店を舞台にした謎解き短編集。
バイトの多恵ちゃんの推理も健在です。
できれば警察が介入するような事件が背後にチラつかないで欲しいと願うのは、直前に読んだ本のせいでしょうか(笑)。
「取り寄せトラップ」、ピースが寄せ集まっていく感じがとても好きなのですが背後に浮かんできてしまった殺人の可能性、これを思うと話の枠から出て悲しさが。
そこまで含んで組み立てられてるんでしょうね。
つまりこれもトラップか?(笑)

書店に勤めている知人に聞くと、謎解きのストーリーよりも(?)書店員の日常が書かれているのが嬉しいとか。
女性誌発売日の恐怖やお客様の思い込み、そういったことに頷くのも楽しいらしい。
本好きなら想像して含み笑いのできるネタもありなのが好評の理由なのかも。
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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