明治から続く古書店「東京バンドワゴン」を舞台にした大家族を取り巻くドラマ。
あの頃、たくさんの涙と笑いをお茶の間に届けてくれたテレビドラマへ。と最終ページに小路さんからメッセージが。
大家族といっても各テレビ局で一つは担当している子沢山の殺伐とした家族ではなく(ちなみに私はこの手の番組大嫌い)、四世代が同居しているというもの。
彼らがですね、一見飄々としているようでも家族のことをしっかり見守っているのがステキだ。
べたべたするでもなく、かといって家族のことに無関心なんて人は誰もいない。
これがまたおせっかいとは違うのが心憎い。
近所に対してもそう。
困ってるなら助けてあげたい、でも押し付けちゃいけない、というのがみんなに沁みこんでる。
家族だけでも9人、そこへご近所さんやわけありさんが加わるので登場人物が混乱しそうだが、これが意外にも混乱しない。
語り口もあるのだろうが頭の中に個々のイメージが広がるからかな。
2年前に亡くなったものの、堀田家を離れられないでいるサチおばあちゃんが私を導いていくれているのかもしれない。
章立ては春夏秋冬、それぞれでサチさんが風景も匂わせてくれ、自分も一緒に四季を過ごしているような感じもしてくる。
家族関係にちょいと悩みを抱える私は、今すぐにでも堀田家に飛び込んでいきたくなるなあ…。
続編も出たようなので、それを読むことで耐えるか(苦笑)。
PR
10年後の約束の日に委員長はNYから戻ってきた。
しかし約束の相手ヤオは現れず夫と名乗る人物が彼女の失踪を告げる。
ヤオを捜そうと決めた委員長は高校時代の同級生巡矢を頼る。
青春の軌跡をたどる物語かと思ったがそればかりでない。
委員長が帰国の際の搭乗手続きを教授にしてもらっているのが気になったので身体的に何かを抱えての帰国かと想像した。
しかし帰国後の様子からするとそんなことはなさそう。
なのですっかり冒頭で気になったことは忘れていた。
このことがタイトルと重なってキーだった。
ずるいかもしれないが、委員長の約束への想いの深さのあらわれなんだな、と。
NYでの日々がこの約束をより重要なものにしているわけで。
こっちの話とそっちの話がつながっていたというのは偶然度が高い気もするが、主要人物たちの生まれ育った街だからありえないことでもないか。
委員長の、心がつながってしまった人のことは放っておけないところが海外ドラマ「プリズン・ブレイク」のマイケルと通じるかも。