大学時代の友人の葬儀で顔をあわせることになった四十代半ばの4人。5人は共に生活した仲の良い友人であったが卒業後一同に集まるのは久しぶりのこと。友を見送りそれぞれの生活に戻りかけたところで淳平が「この車で一人で帰って、自殺する」と言い出す。さらに「自殺の理由を思い出したらやめる、理由は共に暮らしたあの頃にある」と言う。思い止まらせるために仲間はそれぞれ帰りの予定を変更し、あの4年間を想いながらのロングドライブが始まる。
楽しかった、幸せだったあの頃を時間に縛られずに思い巡らす。
もう一緒には歩めない友を弔う、その最高の方法を淳平は思いついたわけだ。
もちろんきれいなことばかりではなく忘れてしまいたい苦いことも思い出されるがそれも含めてのあの頃。
共に泣いて笑って怒って過ごした日々を素直に宝だといえることを羨ましく思う。
最高の弔いをして家庭のある二人が帰った後の本当の告白。
「慎吾とはたびたび会っていた」の意味する切なさが肝。
でも、一点だけは理解できない。そう、復讐のこと。
「それでいいのか?」と止める人がどうしていなかったのか疑問。
自分だったらそんな経験した後は数人ずつでも再会するのは勘弁して欲しい。
だって、新聞をチェックするくらいに悪いことである意識はあるんでしょ?
「HEART BLUE」でもそうだったけれど小路さんは登場人物にどうしてこんなことさせるのかな。
集団心理の恐ろしさがまとわりついて困る。
「HEART BLUE」の感想で否定的なこと言っていたくせにまた手に取るほど読みたい、読ませる、なのに。
5人と一緒の茜は見えるけれど、問題の部分となるとちょっとちぐはぐな気がしないでもないし。
これも合わせていつか私にもわかる日がくるのだろうか。
タイトルの単語、morningだとばかり思っていたらmourningでした。
答えを見つけた朝と友の喪と、二重の意味をもつタイトルだったのですね。
世代的には自分より上だが、学生時代に憧れていた講師の世代と丸かぶりでミュージシャンや曲名に切ない気持ちを穿り返された。
憧れの人の趣味って追いかけたくなるでしょ(笑)。
そういった意味では私にも青春振り返り小説でありました。
11月9日追記
TBさせていただきました。
こんな夜だから本を読もう(shiba_motoさん)
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無題
こんにちは。初めてコメントさせていただきます。
最近この本を読んだのですが、やはりあの復讐は疑問ですね。あのエピソードを入れなくても、さほどストーリーに影響は内容にも思えますし。
勢いに流されるような集団心理の怖さを感じます。
TBさせていただきました。よろしくお願いします。
最近この本を読んだのですが、やはりあの復讐は疑問ですね。あのエピソードを入れなくても、さほどストーリーに影響は内容にも思えますし。
勢いに流されるような集団心理の怖さを感じます。
TBさせていただきました。よろしくお願いします。
Re:無題
いらっしゃいませ♪
復讐のエピソード、疑問ですよね。
私もあれがなくてもいいんじゃないかなと思いました。
上にも書きましたが、復讐があったら彼らにあそこまでの結びつきは逆になくなるのではないかとさえ。
「HEARTBLUE」でも感じたことなので、歯止めの効かない集団心理が余計に印象に残ってしまいました。
復讐のエピソード、疑問ですよね。
私もあれがなくてもいいんじゃないかなと思いました。
上にも書きましたが、復讐があったら彼らにあそこまでの結びつきは逆になくなるのではないかとさえ。
「HEARTBLUE」でも感じたことなので、歯止めの効かない集団心理が余計に印象に残ってしまいました。