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本の感想
毒殺魔の教室
「毒殺魔の教室」
 [単行本]
 著者:塔山郁
 出版:宝島社
 発売日:2009-02-06
 価格:¥ 1,470
 by ええもん屋.com

ある小学校で男子生徒がクラスメイトを毒殺し、自らも同じ毒で自殺するという事件が起きる。すっきりと解明されることもなく被疑者死亡で事件は幕を閉じる。30年後、ある人物が当時の事件関係者に話を聞きに廻りだしその時にはわからなかった事件の側面が見え、事件の背景にあった真実にたどり着く。

インタビュー形式で進んでいく話は好き。
同じ事を体験したのにも関わらずその感じ方は人様々、人物設定というわけではないがどういうキャラクターなのか見えてくるし。
毒殺事件の真相を探るインタビュー小説なのだと思っていたから、その奥に隠された歪んだ情熱が見えてきてからの展開は想像できなかった。
小学6年生にそんな計算が…と思わないでもない。
全てがその時に、ではなくそれまでの人生通じてなのは承知してるけど。
一旦クライマックスを迎えたかに思えたところでの急激な話題転換にもびっくり。
乗せられて質問答えちゃってるよ、この人!というのはつっこみどころであるのと同時に真相の真相につながっていたことにまたびっくり。
恩田陸「ユージニア」、湊かなえ「告白」を想起させる点がマイナスポイント、と本の雑誌4月号で見たがどちらも未読の私には影響なかったようだ。

ユージニア (角川文庫)
「ユージニア (角川文庫)」
 [文庫]
 著者:恩田 陸
 出版:角川グループパブリッシング
 発売日:2008-08-25
 価格:¥ 660
 by ええもん屋.com
告白
「告白」
 [単行本]
 著者:湊 かなえ
 出版:双葉社
 発売日:2008-08-05
 価格:¥ 1,470
本の雑誌 310号
「本の雑誌 310号」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:本の雑誌編集部
 出版:本の雑誌社
 発売日:2009-03-11
 価格:¥ 680

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目からハム シモネッタのイタリア人間喜劇
田丸 公美子
朝日新聞出版
売り上げランキング: 3548

タイトルに惹かれました。
何をふざけたことを…と思ったらこれがイタリアで本当にある言葉だというではないですか。
確かに生ハムならではとも言える(笑)。
著者はイタリア語通訳歴30年を越す方で、エッセイもこれが三冊目だとか。
通訳の方ならではの話題にあふれていてそれこそ私には目からハムだ。
通訳は知らない言葉に出会ってもその場で調べるということができないし、映画から学術分野まで多岐にわたって要求されいつも本番であるすごさを感じますが、どんな状況でも著者の度胸は素晴らしい限りです。
また、日本人の表現力の低下を嘆かれてもいます。
そういったことを厳しくもユーモアを交えて気付かせてくれる楽しい本でした。
これも始めて知りましたが亡くなられた米原万里さんと親友で、タイトルにあるシモネッタも彼女から譲り受けたものだとか。
お友だちであることがわかるような気がしました。
トルコで私も考えた (1) (ヤングユーコミックスワイド版)
集英社
高橋 由佳利(著)
発売日:1996-12
おすすめ度:4.5

トルコで私も考えた (2) (ヤングユーコミックスワイド版)
集英社
高橋 由佳利(著)
発売日:1999-06
おすすめ度:5.0

トルコで私も考えた (3) (ヤングユーコミックスワイド版)
集英社
高橋 由佳利(著)
発売日:2002-08-19
おすすめ度:5.0

トルコで私も考えた (4) (ヤングユーコミックスワイド版)
集英社
高橋 由佳利(著)
発売日:2005-04-19
おすすめ度:5.0

字がギッシリのコミックエッセイ。
ちょっと前の新聞でこのシリーズの21世紀編を出したことで一区切りつけるというインタビューで存在を知った。
異文化体験の話も好きだし、トルコ自体興味深い国なので読んでみることに。
意識してかせずなのかはわからないが、巻数を追うごとに訪れた人からそこの人になっていくのが面白い。
本人にはこちらには想像できないジレンマもあるのでしょうけれど。
イスラム教の国なので食べ物の話題は敏感かと思いきや、信仰の篤い人でなければ意外と「知らないで食べちゃったら仕方ない」らしい。豚肉は嫌われてますけどね。
衛生上、犬が好かれてないってのは犬好きにはショック(笑)。
そういう普通の日常が楽しみながら感じられる本です。
最終巻の「21世紀編」もそのうちに読んでみたい。

トルコは親日国と聞くし、気候も過ごしやすそうなので元々憧れの国だった。
それに拍車を掛けたのがNHK-BS2で放送されていた「世界の人気番組」という番組。
ここでトルコが取り上げられた時に人間のエネルギーというものに驚いた。
あまりにも興奮したのでブログに書いてしまったのでよろしければ別ブログのコチラへ。
ボランティア番組で不幸な母親に家財道具付き部屋を1年分の家賃をつけてプレゼントというのがあったが、この本で「初めて訪ねる家には日常よく使うものを持っていく」というのを知り、ボランティア番組はそれの発展系なのだなと納得がいった。
逆説探偵―13人の申し分なき重罪人
鳥飼 否宇
双葉社
売り上げランキング: 382648

12の事件とストーリー全体の謎を解く1篇からなる連作短編集。
五龍神田(ごりゅうかんだ)刑事がそりの合わない上司らと難事件に立ち向かう。
馴染みのホームレスたっちゃんとの会話が気分転換になることもある。
新入りホームレスじっとくの言葉が事件解決のヒントとなるのだが…。
五龍神田はせっかくのヒントをいつも読み間違う。
読み間違ったままそりの合わない上司に報告してしまう。
そこには既に真相をつかんでいる上司がいて一笑に付される。
ひねりが足りないんだよね、ひねりが。
五龍神田の「五龍」は「五流」の間違いなのでは?と思うほどの外しっぷりだ。
その繰り返しでもへこたれないのはある意味大物なのかもしれない。
推理披露で必ず主人公が負けるパターンだと油断しているといきなり正解もあるので注意も必要だ。
途中から怪しげな探偵も加わって、全体を通して隠されていた謎を解く最終章へと導かれる。
狙ったわけでもないのに図らずも最近読んだ「舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵」と似通った筋立てであったことに驚く。
こちらの最終章は完全に謎解き章なわけでちょっと違いますが。
じっとくの素性はなんとなく想像できてしまったうえに、自分におきた偶然の方に驚いて消化不良気味。
何か申し訳ない感じ(笑)。
北京大学てなもんや留学記
谷崎 光
文藝春秋
売り上げランキング: 98708

「中国てなもんや商社」が面白かった谷崎さんの留学記です。

実際に勉強して生活して、良いところも悪いところも率直に書いてます。
それはどうかな?と谷崎さんに対して思うこともありますが、正直に突っ込んでいるところは好きです。
日本人に興味があるけれど心の底では敵であることに寂しさも感じますが、それを含めて中国なんだな、と。
留学生としての生活の話も興味深いですが、中国産商品の不安のところがまさにツボ。
目に刺激が強すぎて開けられない本棚や箪笥、水刺しを疑う肉、新品ということは実験台、等最近の中国産商品に対する不安を裏づけするような話です。
大気汚染の酷さに北京オリンピックで倒れる選手が出るのでは?という言葉も笑えません。

世界の国々の医療の話を読むと崩壊しかけているとはいえ、つくづく日本の保険制度のありがたみを感じます。
北京の話も同様です。
うっかり診察してしまうと「うちの保険対象病院ではないから払わない!」と代金をもらい損なうといけないのでやたらと診察しない医師とか。
救急医療というものは存在しないのかな。
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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