忍者ブログ
本の感想
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

それってどうなの主義
斎藤 美奈子
白水社
売り上げランキング: 184037


「誤読日記」でアンネ・フランクのすごさを教えてくれた斎藤美奈子さんのエッセイ。

ここ10年ほどに書き溜めたものの採録。
エッセイはその時のものなので、掲載されていた雑誌や新聞の名前や掲載日が文末に添えられているのが好き。
最後にまとめて書かれているのもないよりはいいけれど、できればその項目を読んだ時に一緒に知りたい。
そんな私のエッセイの趣味はどうでもいいですね。
「それってどうなの主義」とは何か違和感を感じた時に「それってどうなの」とつぶやいてみる。
それは違和感を外に向かって表明すること、小さくても変革を期待する主義。
大きな声ではなく、小さな声でぼそぼそとが効果的だそうです。
最近読んだ日垣さんとは対照的かな。
しかし、変だと思ったことには黙っていないというのは共通点。
感じた後の出力の仕方が違うのです。
自分で変えていこう、と変革への一歩になれば、の違いでしょうか。
「子どもと学校の周辺」の章は、自分も通ってきた道なだけに興味深いと同時に最近の学校周辺というものをあまりにも知らなかったことへの驚きが共存してなんとも複雑。
なかでも「今の小学校では地動説を教えなくていい、小学生は天動説で正解」というのはびっくり。
自分が天動説と地動説をどこで覚えたのか定かでないが、教えられたことを後に「本当は違うんだよ、実は〜」と変えられることの矛盾に私の頭もよじれるのでした。
PR
刑事の墓場
「刑事の墓場」
 [単行本]
 著者:首藤 瓜於
 出版:講談社
 発売日:2006-04-18
 by ええもん屋.com

警察官から「刑事の墓場」と呼ばれる動坂署が舞台。
不祥事を起こしたものの表立った処分をすると、
それを手繰って上層部の責任問題まで追及されそうな、
そんな警官を動坂署に転任させる。
そこで仕事らしい仕事も与えられず、飼い殺しの状態にされる。
動坂署自体が窓際。はみ出しものの集まり。
こんなところに送り込まれたやる気のない集団かと思いきや、
初の捜査本部が置かれる事になってから生き生きと動き出す。
捜査本部が置かれた目的は動坂署を無くすことだと知り、
彼らは必死で署の存続のために事件の捜査をするのであった。
彼らが必死で守りたい動坂署に隠された真実とは…?

こんなお話。
ミステリとすると弱いし、警察小説としても弱いです。
でも、この設定がとても魅力的なのでOKです。
あれ、こんなこと前にも書いた覚えがあるぞ(笑)
動坂署に赴任したほうがよさそうな刑事もいるので
シリーズにならないかな、と期待しちゃいます。
犯人に告ぐ
「犯人に告ぐ」
 [単行本]
 著者:雫井 脩介
 出版:双葉社
 発売日:2004-07
 価格:¥ 1,680
 by ええもん屋.com

児童誘拐事件の捜査を仕切っていた巻島警視。
身代金受渡し現場で失敗し、犯人らしき男を取り逃がした。
そして誘拐された子供は死体となって発見される。
さらにその経過を語る記者会見の席で醜態を晒す。

6年後、連続幼児誘拐殺人事件が起こる。
捜査に行き詰まった中、警察はテレビのニュース番組での公開捜査を取り入れる。
出演する捜査官として選ばれたのが、6年前に醜態を晒し左遷されていた巻島。

小説だから展開される捜査方法。実際だったらありえない。
それだけに面白い。
視聴者の反響とともに犯人からの手紙が届く。
もちろん悪戯、便乗の手紙も半端じゃない。
大反響をよんで番組の視聴率も高騰する。それにライバル局が反応し、対抗手段をとる。
ライバル局の投じた疑いの情報に、視聴者や警察までもが揺すられていく。
事件より政治的立場をとる上司の登場はもちろん、
ライバル局のキャスターに捜査情報を横流しする上司までいる。
敵は犯人だけではなく、内部にもいるのだ。

感情をあまり表に出さない巻島。
でもそれは6年前の事件が自分の中で片がついていないから。
終盤で爆発させた感情がもうこの本のクライマックスそのものかも。

私には捜査の結末よりも、テレビを巻き込んだ警察内部の駆け引きや、単純にえげつない視聴率神話の話のほうが魅力的だった。
警察内部の駆け引きというよりも、情報横流しの上司はヨコシマな感情のみだったんですけどね。
バカポジティブ
「バカポジティブ」
 [単行本]
 著者:関根 勤
 出版:マガジンハウス
 発売日:2005-10-20
 価格:¥ 1,260
 by ええもん屋.com

関根勤さんのファンだ。どのくらいファンかというと、彼を「ラビー」と呼ぶくらい。
これは関根さんが日々思っていることを書き綴ったもの。
ちょと社会派なことからくだらないことまでいろいろ関根流に斬っています。
以前このブログで「自動車のシートベルトは自己責任」てなことを書きましたが、関根さんは「シートベルトをしていないことで予想以上の事故になって他の人に迷惑をかけることにもなる」と言っています。
なるほど、それも言えますね。
たとえ自爆でもしているのといないのとでは事後処理も違うかもしれません。
関根さんの犬への愛情がすごい。
寝るときには必ず「星に願いを」をかけて「いい夢を見るんだよ」と声をかけ、眠るまでそばにいてあげることもあるらしい。
ライル君は幸せ者だなあ。
犬に無償の愛と感謝で応えるという。
ライル君はいつも関根さんの話を黙って聞いてくれるから。
犬のことはちょっとしか触れていませんが、犬好きなら頷けると思います。
誤読日記
「誤読日記」
 [単行本]
 著者:斎藤 美奈子
 出版:朝日新聞社
 発売日:2005-07-15
 価格:¥ 1,575
 by ええもん屋.com

ベストセラー本やタレント本はあまり読まないので、こういうガイド本が好き。
読んでなくてもなんとなく読んだ気になる。
他にも普段読まないジャンルの紹介もあるので、そこで見なかったらずっと知らなかったかもしれない本との出会いも楽しい。
その中から「へー、読んでみよう」とか「やっぱり読まなくて正解か」なんて笑いながら選んだりする。

今回関心をもったのは元夫婦、郷ひろみと二谷友里恵。
話題になったときは全く興味なかったが紹介された内容を見るとなんて面白そうな。
もったいなかったかなあ、読んでなくて。
特に二谷さんの文体に興味がわいた。読んでみようかしら。

『泣き本』と私がよんでる本がある。
病気や事故で死んじゃったりするやつ。
ヒットしてるでしょ。映画になったり。どうも苦手。
だって、大切な人が死んじゃったら哀しいのは当たり前でしょ。
宣伝等からうける『死んだから哀しい』『泣くところはここです』という印象が私にはダメ。
感動や涙の押し売りは嫌だ。
誤読日記を読んでやっぱりこの分野はいいや、と思った。

感動や涙の押し売りで思い出したことが。
もう何年も前のこと。本の雑誌で何かの特集だったと思う。
ある読者がある本を紹介してるんだけど、その書き方が
「この本で泣かないやつはダメ。○ページ○行目、●ページ●行目...で泣け!」てな具合。
それこそ押し売り。
「自分はここで涙した」ならわかる。
「ここで泣け」はないでしょう。
当時、すごく嫌な感じがしたことを思い出した。
ついでにその本は「氷壁」だったような気がする。
自分も読んでいたから余計にそんな書き方が許せなかったのかもしれない。

あ、誤読日記のことあまり書いてないや。
でも書評本だから感想もないわな。
前のページ HOME
photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
忍者ブログ [PR]
更新中
RSS表示パーツ
ブログ内検索
読書メーター
カクテキさんの読書メーター
アクセス解析