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本の感想
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あなたの隣の〈モンスター〉 (生活人新書 253)
齋藤 孝
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最近暑すぎるし、入れ込んで見ていた海外ドラマがクライマックスを迎え、それに気を取られていたので本読みが進まず。
だって、一つはグランドフィナーレですよ、もうないんですよ(泣)。
満足できる素晴らしい終わり方でしたけど。

著者の話題になった本は一冊も読んだことないが、これはたまたまそういう場面にも出くわした直後に目にしたのでつい手にとってしまった。
近所のスーパーのレジで。
私の前に並んでいた年配の男性が手にしているのは一点だけで「袋はいらないよ」と穏やかに声をかけていた。
店員さんは「ありがとうございます」と言って商品に店名の入ったテープを貼り付けた。
そしたら穏やかだった男性が「こんなことをするならもういらない!金を返せ!」と怒鳴った。
真後ろで見ていた私には何がいけなかったのか全くわからない。
店員さんも唖然として言われるままに返金して商品を受け取った。
これで怒り出すポイント、わかります? もうこれ以上説明加えること一つもないんですよ。
テープを張ったことがそんなに機嫌を損ねるなんて想像できないじゃないですか。
この本はそういう本。
事例が並べられ続けるわけではなく、モンスターペアレントだとかモンスターペイシェントだとか呼ばれる人が増えている世の中を著者なりに分析して語られてます。
ゴネ得、という言葉が浮かぶ。うちだけの言葉じゃないことを祈る(笑)。
どこで何をどう履き違えたのか、サービスを要求しないと損という気持ちが根付きだしたのではないだろうか。
誰かさんがクレームつけたら満足いくようにかなえられたんだから自分だって、がエスカレートしたとでも言うのかな。
レンタルDVDのお店で「見たけど想像していたのと違うから返金しろ」と言っている客の話を聞いたことがある。
笑い話だと思っていたらどうやら違うらしい。
これは過剰なサービスを要求していることのいい例で、しかもまだまだかわいいと思えてきた。
伊集院光さんのラジオの「日常モンスターハンター」は笑えないものばっかりだし。
外で騒ぎ出す大人なんてそうそう目にするものではないと思っていたのに、何だか今の世の中はコミュニケーション不足なのか、普段の生活に全く関係のない人にはどんな態度をとってもいいとでも思っているかのようだ。
自分はそうでないと信じたいけど、いつゴネてる人を羨ましく思うわないとも限らない。この暑さのせいか…(笑)。
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パリのお店をワンさんたちが案内してくれているような趣向の写真満載だけど分類は写真集ではないようだ。
どのワンさんたちもこの前の「アジワン」とは表情が違って見えるのは気のせいだろうか(笑)。
おすまししてるってわけではないのだろうけれど、何か違う空気を感じる。
私のパリに対するイメージのせいなのかもしれない。
ワンさんたちが風景に溶け込んでいるのが好きなので無理な相談だと思っていた年齢と名前が添えられているのにはちょっと興奮(笑)。
それがあるだけで想像が広がるじゃないですか。
ペット専用のお菓子屋さんは珍しいとか、洋服を着せるのは防寒対策等の実用性からがほとんどというのはオシャレの街のイメージとかけ離れていて意外。
フランスといえば犬の糞、というくらい飼い主が道路に放置状態というのは有名な話だったが最近では片付けないと罰金を科せられるらしくそんなことないらしい。
糞を片付ける専用の袋も通りに設置されているとか。
「糞を片付けるなんて!何のために税金払ってるんだ?」という意見も罰金には勝てなかったようだ。
ここまで書いてようやく「アジワン」との決定的な違いに気付いた。
こっちはほとんどが犬種がはっきりしてなさる。飼われ方の違う結果か。

著者は存じ上げないのですが、都市伝説好きとしては一度見てみたいと思っていた本。
しかし…でだしこそいわゆる都市伝説の世界だけれど、ページが進むに従ってノストラダムスの遺したものを解読しているのと似た印象。
先に答えがあって、そこへ結びつけるためにああだこうだいろいろ引っ張り出してきた感じ。
それはそれで、そう考えられるということを面白いとも思うけど。
考えていた内容とは性質が違ってたかな。
サブタイトルにもある「信じるかしんじないかはあなた次第」、そういうことです。
第一章の扉にジャン・ハロルド・プルンヴァンの言葉を引用してるから期待しすぎちゃったのかも。
死体洗いのアルバイト―病院の怪しい噂と伝説
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都市伝説好きには見逃せないタイトル。
私の好きなJ・H・ブルンヴァンの名前も時々出てきます。

本音を言えばもっと出所不明な都市伝説を期待していたので普通すぎる印象。
PART1の「病院の怪談」が比較的私の期待に近かったかな。
それ以外のPARTは素直に「へぇ〜」と思うことが中心かも。
「診察儀礼の秘密」などはそういう機会に出くわしたら気をつけようと思うこと必至。
そういった点でいうと怪しい噂・伝説を楽しむというよりもためになる本だったかもしれない。
なんでもこの本は「医学都市伝説」というサイトの一部だそう。
…また訪問するサイトが増えてしまったかも。
最愛
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真保 裕一
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「奇跡の人」、好きだったんだけどなあ。

小児科医押村悟郎は姉の千賀子が病院へ運ばれたと警察から連絡を受ける。
医師であるのでかなり深刻なダメージであることは悟郎にもわかる。
この姉弟は幼い頃交通事故で両親を亡くし、千賀子は伯母、悟郎は伯父に引き取られる。
親戚の集まりくらいしか会う機会がない。
その上、伯父と伯母の間の遺産をめぐる諍いでその機会さえも取り上げられてしまう。
悟郎は新しい家庭に恵まれたが、千賀子は受け入れられず苦労したようだ。
遠ざけられるのを期待するかのように荒れた生活を送り、ついには家を飛び出し、伯父の家とも疎遠になっていた。
それが回復の見込みのない状態での18年ぶりの再会となる。
この18年間埋めようと、悟郎は千賀子のアパートにあった年賀状の送り主を訪問し、姉を知ろうとする。
曲がったことを許せない姉の行動を知るたびに悟郎はそんな姉を誇らしく思っていく。
これがすごく青臭くて。
「姉を知る」行動を起した瞬間に悟郎は30過ぎた小児科医ではなく、姉と疎遠になった少年の日に戻ってた、ということなのかな。
姉の軌跡をたどることで少年の日をやり直しているのだろうか。
千賀子の行動は正義感の塊で真直ぐすぎる。
見習いたいけれどできない、といった感じで現実味は希薄かも。

面白くないわけではない。
でも少年の冒険小説に思えてしまう。
それだと底に流れていた濁りの部分が範疇越え。
だから読後複雑なのかな?
もうひとついえば、もしもそうしなければならないとしても、最後のアレは私なら裁判が終わってからにすると思う。
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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