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本の感想
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犯人に告ぐ
「犯人に告ぐ」
 [単行本]
 著者:雫井 脩介
 出版:双葉社
 発売日:2004-07
 価格:¥ 1,680
 by ええもん屋.com

児童誘拐事件の捜査を仕切っていた巻島警視。
身代金受渡し現場で失敗し、犯人らしき男を取り逃がした。
そして誘拐された子供は死体となって発見される。
さらにその経過を語る記者会見の席で醜態を晒す。

6年後、連続幼児誘拐殺人事件が起こる。
捜査に行き詰まった中、警察はテレビのニュース番組での公開捜査を取り入れる。
出演する捜査官として選ばれたのが、6年前に醜態を晒し左遷されていた巻島。

小説だから展開される捜査方法。実際だったらありえない。
それだけに面白い。
視聴者の反響とともに犯人からの手紙が届く。
もちろん悪戯、便乗の手紙も半端じゃない。
大反響をよんで番組の視聴率も高騰する。それにライバル局が反応し、対抗手段をとる。
ライバル局の投じた疑いの情報に、視聴者や警察までもが揺すられていく。
事件より政治的立場をとる上司の登場はもちろん、
ライバル局のキャスターに捜査情報を横流しする上司までいる。
敵は犯人だけではなく、内部にもいるのだ。

感情をあまり表に出さない巻島。
でもそれは6年前の事件が自分の中で片がついていないから。
終盤で爆発させた感情がもうこの本のクライマックスそのものかも。

私には捜査の結末よりも、テレビを巻き込んだ警察内部の駆け引きや、単純にえげつない視聴率神話の話のほうが魅力的だった。
警察内部の駆け引きというよりも、情報横流しの上司はヨコシマな感情のみだったんですけどね。
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