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本の感想
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本棚探偵の回想
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喜国 雅彦
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図書館本ではない!

しかもこれもだ!
本棚探偵の冒険
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「冒険」では本棚を作り、本の箱をつくり、豆本を作り、そしてどんな冒険小説よりも胸を躍らせたポケミスマラソン!
「回想」も何が飛び出してくるやら期待しないでいられない。
なのに2004年10月5日とあるから3年近くも寝かせてしまった。
入手したのは発売間もない頃。
何故こんなに経ってから読んだかというともったいないから
我慢して我慢してようやく読んだという、ファンなのか蔑ろにしてるんだか。
装丁もイラストも検印や月報まで凝っているのですもの。手元に置いておきたい本ですよ。

というわけで「回想」について。
今回はアンソロジーを編み、交換不可のトレカをつくり、古書蒐集家心をがっちりつかんだどっきり計画等、やはりどれをとっても面白すぎ。全部について話したい!
古書に詳しくもない私が何故にこんなに本棚探偵様にとりつかれてしまったのだろう。
それは喜国さんの結婚エピソードのせいではないか、と思う。
娘の結婚相手が漫画家なんて浮き沈みのあることやってたら不安だろうな、と相手のご両親の心を心配し、まず自分の家を建てたそうです。なんという心意気。
それから喜国さんは私の理想の人となりました。
家を建ててくれるんですよ。それにギャンブルもしないし、酒も飲まない。で、自分で何でも作っちゃう。素敵だ。
で、今回惚れ直したのはあとがきの「本棚探偵の敗北」のところ。
喜国さんファンでよかった。私もそういうタイプだ。
でも漫画はほとんど知らないというオチつきでございます。

「冒険」はすでに文庫になっているようなので是非本棚探偵様の世界を体験して欲しいです。
ポケミスマラソンは必読です。
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赤い羊は肉を喰う
「赤い羊は肉を喰う」
 [単行本]
 著者:五條 瑛
 出版:幻冬舎
 発売日:2007-01
 価格:¥ 1,890
 by ええもん屋.com

八丁堀にある内田調査という計数屋に勤務する偲。
今は出店するブランドショップの事前調査を依頼されている。
そんな折、今まで平安だった街で小さな犯罪が頻発する。
次第に強盗や暴力が発生するまでにエスカレートする。
これはあのブランドショップのイメージ広告が影響しているのではないか、と偲は独自に関心を示すのだった…。

ペンギンの群れは最初に動き出した一匹につられて行動している、これを世間を動かすことに利用できるか?というような意味の新聞広告を見てこの本に関心を持った。
ちょっと道をつけてやるとそれについて行ってしまう人間の愚かな部分をついたもの。
サブリミナルは視覚というか脳に直接訴えるが、これはブティックの宣伝を隠れ蓑に囮のリーダーを設えてそれに従わせようというもの。
ただの宣伝ではなく、選挙や複雑な人間関係が絡み合ってるんですけどね。
ブティックの広報と国会議員選挙、あちこちに散らばっている過去の早過ぎた天才たちがどうつながるのか、この展開もお楽しみだ。

五條さんの本は読んだことがなかった。
内容紹介等を見ると重厚なテーマが多く、軽薄で深刻な問題は避けたい私にはキツイかな、と思っていた。
この本は「意図的な大衆操作」という興味のもてるテーマだったので手にとることができた。
思ったよりも読みやすく、他の本にも興味がわいたが果たしてチャレンジする気力があるだろうか。
とても面白かったが、あえて苦言を言うとすれば主人公の内田偲について。
あんた、薄給だというわりには人に奢りすぎじゃないかい?かな(笑)。
裁判官が日本を滅ぼす
「裁判官が日本を滅ぼす」
 [単行本]
 著者:門田 隆将
 出版:新潮社
 発売日:2003-06
 価格:¥ 1,575
 by ええもん屋.com

裁判を傍聴したこともなければ体験したこともない。
法律についても大学の授業で学んだ程度。法学部ではないし。
裁判や法律とは全く無縁の生活をしてきた。
それが数年後、裁判員制度の導入で裁判に参加する可能性が生じてきた。
私は裁判員になりたくない。
正当な判断ができるとは思えないから。
他のブログをご存知の方はわかると思いますが、私は相当偏った思考の持ち主。
一般的な考え方ができるのか不安だ。
もちろん普通に自分が生活する分にはかまわない。
しかし裁判員は人様の人生を左右するのだ。そんなこと恐くてできない。
この本のタイトルにもうすでに自分ではなく、裁判官がだめにしてるなら…と慰みを求めた(ウソ)。

冒頭にも書いたように法律にも詳しくなければ裁判もわからない。
そんな私でもコレは…と驚くことの連続。
司法試験合格者の中でも裁判官は更に優秀、といったイメージがあったけど。
たいへんな狭き門を通過するためのお勉強だけに必死で、普通の生活がわからなくなってるんじゃないの?と感じる。
不動産トラブルの話の中で「裁判官は退官後、大手銀行の顧問弁護士になるのが最高の花道」とある。
それじゃ、銀行側を訴えても勝訴できる見込みがないといってるのと同じこと。
著者が書いているように、裁判が始まる前に判決を決めているような例もあるのでは?と疑われてもしかたない。

一番困るのは医療裁判のように専門知識を必要とする場合。
その裁判について勉強はするだろうが、自分がそうであるように専門職の知識にかなうものはないと思っている感が否めない。
医療過誤裁判での病院側の主張を「専門家が言ってるから」って理由だけで、検証しているとは思えなかった。
裁判官がそうならもっと一般人の私たちはどうやってそれが真実なのか見極められるのだろう。

有名な事件の裁判についても書かれているので興味深いが、著者は被害者側からの視点である。
裁判官に取材も試みているが職務上の理由なのか、みなさんお答えなし。
なので一方的な感じがしないでもない。
両方の話が聞けないと本当のところはわからない、とも思う。
疑っているわけではないけど。
やっぱりね、こういう視点になると思うのですよ。
そうしたら裁判官と意見が対立するわけでしょ。
考え方が違うんだもの、どうやって歩み寄ればいいんだろうか。
もし本当に裁判官の心構えがこんなだったら意見の歩み寄りなんてできないと思う。
というわけで裁判員制度に対する気持ちは更に萎えるのでした。

5月11日追記
加害者が少年であった場合に登場する人権派弁護士というのも…
人を殺して反省もないのに守ってあげる必要があるのだろうか。
反省もしてないのに権利だけは主張するのはいかがなものか。
また裁判の過程でそれを吟味することなく、少年加害者の人権しか頭に置かない裁判官もどうだろうか。
この本の通りだとすると、裁判というのは時間と金の無駄だと感じる。
だって、裁判が始まる前に裁判官は犯罪のチェック項目に印をつけてその結果で罪状や量刑を決めている感じがするもの。
もう決まっていることを吟味するなんてしないでしょ。
1日おいてもやっぱり萎えた気持ちは変わらないや。
ねにもつタイプ
「ねにもつタイプ」
 [単行本]
 著者:岸本 佐知子
 出版:筑摩書房
 発売日:2007-01-25
 価格:¥ 1,575
 by ええもん屋.com

「気になる部分」ですでに大感動していたので落ち着いて楽しむことができた。
先にこっちを読んでいたらやっぱり驚くだろうな。

最も共感を覚えたのは「奥の小部屋」。
「郵便局にて」にも近いものがあるかな。
ただ私は時々口に出しちゃってるので危険が伴っている。
これからは脳内のみで闘わせるよう気をつけます(笑)

エッセイなのだけれど、どこかショートショートを読んでいるような気がしてくる。
「夢十夜」な雰囲気も(笑)
あとがきで、タイトルとは違って物事を根にもつタイプではない(たぶん)と書かれている。
しかし、18年前にバリ島で釣銭をごまかされたことへのわだかまりをいまだに捨てきれていないというのは相当…なのではないか?

ここで驚いたリンクが発生!
先日、図書館でタイトルに魅かれて借りた(苦笑)バリー・ユアグローの「たちの悪い話」。
不勉強で存じ上げない作家。
なのに「波3月号」で評を書いているじゃないですか、岸本さんが!
岸本さんのエッセイを読んだ今となっては、図書館で妖精が私の脳に何かしたとしか考えられない。
気になる部分 (白水uブックス)
「気になる部分 (白水uブックス)」
 [新書]
 著者:岸本 佐知子
 出版:白水社
 発売日:2006-05
 価格:¥ 966
 by ええもん屋.com

世の中には知らないことのほうが圧倒的に多いので、
岸本さんのお名前も存じ上げませんでした。
某特殊翻訳家の方が岸本さんのエッセイ「ねにもつタイプ」をたいへん面白いと書いておられたので
お試しに、と図書館で探したところ「気になる部分」しかなかったのでこちらを借りてみました。

いやー、面白かった。
どこまでが本当でウソなのか、興味は尽きませんが。
「マイナーな人」にある○ップヌードルクイズに思うことなんて私も思ったこと。
他にも算数の文章問題とか、私には安心できる内容が盛りだくさん。
これは当然「ねにもつタイプ」も読みます!
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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