大倉崇裕さんの「丑三つ時から夜明けまで」みたいな話だと思ってたんですよ。
捜査にあたる刑事に霊能力があるというのは同じだが、アチラの静岡県警捜査第5課は悪さをする霊を取り締まるのが目的、コチラの神奈川県警R特捜班(Rは霊-REI-の頭文字)は霊には悪意はなくむしろ事件現場の証人、本来いるべきところに優しく導いてあげるというものでかなり趣が違った。
R特捜班の霊に対する優しさに満ちた短編集でありました。
R特捜班と県警の連絡係、岩切大吾がそういった話を恐がるタイプ。
しかし彼らの霊に対する態度に触れて心が成長していく青春警察心霊ミステリといったところでしょうか。
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大学の二年間を無駄に過ごしてしまった男が、基本的には同じ状況で、サークルの選択が違っていたなら…という四話からなるパラレルワールド(?)。
何を選ぼうとも、唾棄すべき悪友は親友で、あの人はあの人だという着地点が待っているが、辿る道の険しさはそれぞれなので楽しいことこのうえない。
それなのにいくつかのキーポイントは繰り返され、それに出会うのもまた嬉しい。
この繰り返しがあるからこそ、第四章の孤独の果てに出会った着地点が効いているような気がする。
文体の妙もあって私はかなり満足。
先に読んだ「新釈 走れメロス 他四篇」の「走れメロス」に出てきた図書館警察がここにも登場。
結構好きなキングのアレから来てるんでしょうか。登美彦氏もお気に入りなのだと嬉しいな。
そういえば登美彦氏は最近、本当にかぐや姫を見つけられたそうで。おめでとうございます。
「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)」
[単行本(ソフトカバー)]
著者:町山 智浩
出版:文藝春秋
発売日:2008-10-09
価格:¥ 1,050
by ええもん屋.com
[単行本(ソフトカバー)]
著者:町山 智浩
出版:文藝春秋
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でもほとんどが新鮮だったのは何故?(笑)
デタラメな戦争、暴走する宗教、格差社会、と実際に生活する町山さんが肌で感じたアメリカ。
宗教、政治、と素人にはとっつきにくい話題も実際の生活での影響があげられているのでわかりやすいですね。
戦争はともかく、格差社会の未来や政治の話は今の日本にはとても他人事ではない。
格差社会の項にある「30Days」という番組は私も見た。
初回がこの「最低賃金で働いてみる」だったので特に印象的。
毎日毎日働いているのに生活していけないなんてどう考えたっておかしい、アメリカは間違っていると思っていたが今の日本はこれを後追いしているようだ。
破綻しかけている年金制度も、日本がこんなにトップの入れ替わりが激しい国でなかったらとっくにアメリカに追随しているかもしれない。
というように、アメリカの(というかブッシュを)笑った後には日本の現状や不透明な先行きが浮かんで笑えなくなるという本。
サブプライムローンの話を読んでいて思いだした余談。
お笑いコンビのパックンマックンがラジオでサブプライムローンを解説するというのがあった。
アメリカ出身のパックンが「アメリカの友だちもこれでたいへんですよ」みたいなことをマエフリで言った。
話が進む中、「友だちは実際どんなふうなの?」と質問されたら一瞬口ごもった後「僕はハーバード大ですから友だちはサブプライムローンなんて関わってないですよ」とオドロキの発言。
当然と言えば当然、ああ、さっきのセリフは本当にマエフリだったんだ、と笑わせていただきました。
メイド喫茶(店長ばあさん)でバイトする、探偵になりたい女子高生歩鳥のすっとこどっこいな日々。
ひょんなことから読み始めたらクセになり、とうとう5巻。
今回、ジョセフィーヌがフューチャーされているエピソードがあるので犬好きも大満足。
裏表紙にもちゃっかりいるしね。
以前も宇宙人が登場したりと歩鳥が知らないうちにSFな話が展開してはいたが、今度も雪女やUMAと気付かないうちに関わってます。
何気に好きなのは登場人物が着ている服に書かれている意味不明な文字。
間違いなく趣味悪いんだけど愛着が湧きそうなへんてこりんさだ。
「それでも町は廻っている 2 (2) (ヤングキングコミックス)」
[コミック]
著者:石黒 正数
出版:少年画報社
発売日:2006-10-26
価格:¥ 560
[コミック]
著者:石黒 正数
出版:少年画報社
発売日:2006-10-26
価格:¥ 560
「それでも町は廻っている 3 (3) (ヤングキングコミックス)」
[コミック]
著者:石黒 正数
出版:少年画報社
発売日:2007-08-03
価格:¥ 560
[コミック]
著者:石黒 正数
出版:少年画報社
発売日:2007-08-03
価格:¥ 560
「それでも町は廻っている 4 (4) (ヤングキングコミックス)」
[コミック]
著者:石黒 正数
出版:少年画報社
発売日:2008-03-19
価格:¥ 560
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著者:石黒 正数
出版:少年画報社
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私立探偵パトリック&アンジーシリーズ「スコッチに涙を託して」に続くの第二作。
マフィアに狙われているかもしれないという精神科医の依頼。そこへ磔にされた死体が発見されたところからこの事件の元は精神科医ではなく、パトリックの過去へと結びついていく。
人間関係の描かれ方がたまらない。
大切な人を大切だと認められたところに訪れる悲劇、それが新たな心の別れを作り出したかに思えるが「永遠に生きつづけるつもりなの?」の言葉を発した人物ならではの絆の再確認。
この二作目で関係性にやられたんだなあ、と感慨深い。
一作目だけだとパトリックとアンジーとどうしてフィルが仲良しなのか理解できないもの。
アンジーだけならそういう男に引っ掛かったという見方もあるけど。
パトリックの父親への想いもさらに苦く、でもそれが深みを呼び、今作のキーにもなっている。
このシリーズは途中のどれかひとつをいきなり読んだら損する。
異常者の挑戦状のような事件も実はパトリックの過去に関わっているわけで、それには彼の周囲の人との関わりを本のとおりに知っていく方が厚みや驚きの響き方が違ってくると思う。
偶然にも今発売中のミステリマガジンはデニス・ルヘインの特集。
もちろん、このシリーズを含め全作品の解説付き。
再読し終えたら「運命の日」に手を出そうかな。先の長い話だけど。
「運命の日 上 (1) (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ)」
[単行本]
著者:デニス・ルヘイン
出版:早川書房
発売日:2008-08-22
価格:¥ 1,890
[単行本]
著者:デニス・ルヘイン
出版:早川書房
発売日:2008-08-22
価格:¥ 1,890
「運命の日 下 (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ) (ハヤカワ・ノヴェルズ)」
[単行本]
著者:デニス・ルヘイン
出版:早川書房
発売日:2008-08-22
価格:¥ 1,890
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著者:デニス・ルヘイン
出版:早川書房
発売日:2008-08-22
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