大学の二年間を無駄に過ごしてしまった男が、基本的には同じ状況で、サークルの選択が違っていたなら…という四話からなるパラレルワールド(?)。
何を選ぼうとも、唾棄すべき悪友は親友で、あの人はあの人だという着地点が待っているが、辿る道の険しさはそれぞれなので楽しいことこのうえない。
それなのにいくつかのキーポイントは繰り返され、それに出会うのもまた嬉しい。
この繰り返しがあるからこそ、第四章の孤独の果てに出会った着地点が効いているような気がする。
文体の妙もあって私はかなり満足。
先に読んだ「新釈 走れメロス 他四篇」の「走れメロス」に出てきた図書館警察がここにも登場。
結構好きなキングのアレから来てるんでしょうか。登美彦氏もお気に入りなのだと嬉しいな。
そういえば登美彦氏は最近、本当にかぐや姫を見つけられたそうで。おめでとうございます。
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