祖父の人形店を継ぐことになった澪。
押しかけアルバイト冨永君、謎大き職人師村さんの三人で店はなんとか存続中。
そこに謎めいた事件がやってきて…という連作短編集。
津原さんといえば幻想的な小説の方が有名なのかもしれないが私はルピナス探偵団を思わせるこういった話の方が好き。
「毀す理由」も好きだけど「村上迷想」の一方向からではない心の複雑さ、妖しさ、もなんともいえない。
最終話は「ルピナス探偵団の憂愁」の最終話を思い出し、想像つくオセンチな展開とは思いつつも涙してしまった。
解釈はいろいろできるでしょうが、私はたまさか人形堂は安泰だと信じて続編を待ちたい。
PR
私はまんがに小説的なストーリーは望まないタイプ。
うまく言えないが、絵で全てを伝えられてしまうようで残念な気がしていた。
しかしこれは小説で言うなら行間を読むような、そんな感じ。
夫と二人で銭湯を経営していたが、夫が組合の旅行先で失踪する。
銭湯を再開するがそのショックは彼女が心の奥底にしまいこんでいたものの覆いを剥がしていく。
夫が失踪しなければ、組合の紹介の男が来なければ、剥がれることはなかったかもしれないが剥がれたからこそ彼女は「さよなら」を言えたわけなので不幸な過程を経たものの彼女が「かなえ」でいるためには必要なことだったのだな、と深みを感じる。
苦しんでいたのは、自分に戻るのはかなえだけではないラストページの余韻は見事。
クラのしぐさも、生活している犬というのが伝わってきてお気に入り。
しかし、登場する探偵がリリー・フランキーさんにしか見えないのは減点(笑)。
脳の機能はおどろくほど優れているのにそれが心と結びつかない男、鈴木一郎。
この心を持たない鈴木一郎という男を探る旅には惹きつけられた。
どれだけ魅力的だったかというと終盤の病院での爆弾騒動が長く感じるくらい(笑)。
もちろんここも鈴木一郎を知るためには必要なのは承知。
病気の話が説明ではなく、鈴木一郎又は入陶大威を浮かび上がらせる、感情がないのに人として見えてくるところが惹きつけるのだろうな。
あることをきっかけに脳と身体が結びついたと話す鈴木一郎にちょっとがっかりすくるくらい。
でもそこにはやはり感情は介入していないようだけど。
担当の精神科医はラストの彼に罪悪感を見たと言う。
なかった感情が芽生えるのか?続編でその表情の意味が語られることに期待。
実現はしないと思うが、ブログタイトル変えたいですよ。
以前同じタイトル見つけたというのもありますが、もっと本を読むことが楽しいというようないい言葉、ないですかね?
ブログの引っ越しに気を取られ(だってなかなか更新されなくてイライラしてたのですもの)、よく考えることもせずにつけてしまったことが悔やまれる。
まあいいや、そんなこと考えてるくらいならドラマ見て本読んでた方がどれだけ楽しいかってことですよ。
今、読書メーターに過去の記録を登録中なのですが…進みません。
せめてこのブログを始めたところまでは入れたいのですよ。
ブログだとカテゴリーを完全に作家別にすると乱読が祟ってとんでもない長さになってしまうけど、読書メーターさんで管理してくれるのならありがたいですからね。
というわけで、読書メーターで本にコメントついてないのは過去の分ということであります。
2月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3533ページ
まほちゃんの家
「死の刺」を頭において読んだら間違い(笑)。まほさんの視点に、血の通っている人をみたような気がする。
読了日:02月28日 著者:しまお まほ
キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢
三面記事的な話題が中心で楽しめます。漢字タトゥーの話がお気に入り。
読了日:02月28日 著者:町山智浩
初心者的カレーの鉄則
ちょっと目先を変えるだけで楽しいカレーがさらに楽しい。
読了日:02月26日 著者:水野 仁輔
チャイルド44 下巻 (新潮文庫)
いろいろ詰め込みすぎ?飽きさせないのはすごいけど。ちょっとデクスターっぽくて…
読了日:02月25日 著者:トム・ロブ スミス
チャイルド44 上巻 (新潮文庫)
読了日:02月22日 著者:トム・ロブ スミス
Dr.ノムラの犬の悩み相談所 (Inu to Issho ni Series)
犬と生活していればこその回答が飼い主さんを勇気づけてくれると思います。
読了日:02月19日 著者:野村 潤一郎
オリンピックの身代金
伊良部シリーズも面白いけど、こういう奥田さんの方が好き。テロリストなのにその熱が伝わってこない犯人というのは別の意味で恐ろしい。
読了日:02月16日 著者:奥田 英朗
敗者復活
同じことをそれぞれがどう見ていたか、似ているようで微妙に違うのが面白かった。
読了日:02月16日 著者:サンドウィッチマン
メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)
伝える側はデータよりも先に伝えたいことが決まっているのだな。
読了日:02月13日 著者:松永 和紀
書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記
「本棚」という本を見てから桜庭さんの読書が気になってたまらない。どんなふうに読書をされているのかも垣間見れて満足。
読了日:02月09日 著者:桜庭 一樹
死刑基準
死刑となるのは…かと思ったが、廃止か存続か、に深く関わる法曹関係者が被害者側になるというものだった。
読了日:02月05日 著者:加茂 隆康
動物園の鳥 (創元クライム・クラブ)
落ち着かなかったなあ…いろんな意味で完結したことに安堵。
読了日:02月03日 著者:坂木 司
読書メーター
以前同じタイトル見つけたというのもありますが、もっと本を読むことが楽しいというようないい言葉、ないですかね?
ブログの引っ越しに気を取られ(だってなかなか更新されなくてイライラしてたのですもの)、よく考えることもせずにつけてしまったことが悔やまれる。
まあいいや、そんなこと考えてるくらいならドラマ見て本読んでた方がどれだけ楽しいかってことですよ。
今、読書メーターに過去の記録を登録中なのですが…進みません。
せめてこのブログを始めたところまでは入れたいのですよ。
ブログだとカテゴリーを完全に作家別にすると乱読が祟ってとんでもない長さになってしまうけど、読書メーターさんで管理してくれるのならありがたいですからね。
というわけで、読書メーターで本にコメントついてないのは過去の分ということであります。
2月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3533ページ

「死の刺」を頭において読んだら間違い(笑)。まほさんの視点に、血の通っている人をみたような気がする。
読了日:02月28日 著者:しまお まほ

三面記事的な話題が中心で楽しめます。漢字タトゥーの話がお気に入り。
読了日:02月28日 著者:町山智浩

ちょっと目先を変えるだけで楽しいカレーがさらに楽しい。
読了日:02月26日 著者:水野 仁輔

いろいろ詰め込みすぎ?飽きさせないのはすごいけど。ちょっとデクスターっぽくて…
読了日:02月25日 著者:トム・ロブ スミス

読了日:02月22日 著者:トム・ロブ スミス

犬と生活していればこその回答が飼い主さんを勇気づけてくれると思います。
読了日:02月19日 著者:野村 潤一郎

伊良部シリーズも面白いけど、こういう奥田さんの方が好き。テロリストなのにその熱が伝わってこない犯人というのは別の意味で恐ろしい。
読了日:02月16日 著者:奥田 英朗

同じことをそれぞれがどう見ていたか、似ているようで微妙に違うのが面白かった。
読了日:02月16日 著者:サンドウィッチマン

伝える側はデータよりも先に伝えたいことが決まっているのだな。
読了日:02月13日 著者:松永 和紀

「本棚」という本を見てから桜庭さんの読書が気になってたまらない。どんなふうに読書をされているのかも垣間見れて満足。
読了日:02月09日 著者:桜庭 一樹

死刑となるのは…かと思ったが、廃止か存続か、に深く関わる法曹関係者が被害者側になるというものだった。
読了日:02月05日 著者:加茂 隆康

落ち着かなかったなあ…いろんな意味で完結したことに安堵。
読了日:02月03日 著者:坂木 司
読書メーター
初めて知ったが、著者は島尾敏雄さんのお孫さんとのこと。
まんがやエッセイをたくさん発表されているが自分周辺のことを書くのは始めてのことだったらしい。
1978年生まれなのに一時代前のような幼少期の生活、高校時代の厳格な一本線(外泊禁止)にご両親の意志を感じる。
ただ行動範囲を狭めるのではなく、何をしたらいいのかわからないでいるのに模索もしないでいる無気力さにお父様が手を上げたというのもわかる気がする。
手を上げられたはずの著者がそれを覚えていないというオチはつきますが。
放っておかれたのではなく人として慈しんで育てられたのだな、とたいへん羨ましい。
人としての感情は生身の人と関わることで芽生えていくのだな、と腹の底が温かくなるような爆弾を仕込まれたようななんともいえない気持ちになった。
島尾敏雄さんといえば「死の棘」しか読んだことはない。というよりもこの衝撃が強すぎて他が読めないとも言う。
まほさんの祖父母として登場するお二人があのトシオとミホなのだと思うと「死の棘」を再読したくなる。