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本の感想
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初恋ソムリエ
「初恋ソムリエ」
 [単行本]
 著者:初野 晴
 出版:角川書店(角川グループパブリッシング)
 発売日:2009-10-02
 価格:¥ 1,680
 by ええもん屋.com

「退出ゲーム」の続編集。

青春ミステリとしかいいようのない設定なのに、出てくる事件が深く切ないのは相変わらず。
今回も、盗撮、過った道からの更生、不登校、左翼運動(おそらく)、と高校生だけで手に負えるものではない話ばかり。
チカをはじめ、仲間たちの人を大切に想う心が本当の辛さ、切なさを覆ってくれているのだと思う。
だから、高校生とは思えない知識や行動力も嫌味には感じられないのだろうな。
私はこのシリーズ好きなので、普門館まで見届けさせて欲しい。
どこまでパーティーは増えるのか、草壁先生の過去、チカとハルタの恋の協定は守られるのか、まだまだたくさん知りたいじゃないですか。
そして彼らが出会うさまざまな心の傷を受け止めて、知らないうちに大人になっていく姿も見たいじゃないですか。
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「世界音痴」の衝撃で、続けてエッセイを読んだら「中った感」があったので御無沙汰していた穂村さん(笑)。
しかし広告で見た「絶叫委員会」の
町には、偶然生まれては消えてゆく無数の詩が溢れている。
不合理でナンセンスで真剣で可笑しい、天使的な言葉たちについての考察。
といううたい文句に心くすぐられて久しぶりに読む。
また中ろうとしているのか、二冊読む(笑)。

整形前夜
「整形前夜」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:穂村 弘
 出版:講談社
 発売日:2009-04-10
 価格:¥ 1,470
 by ええもん屋.com

「変」になる、に書かれている階段を降りられなくなる感じに共感。
私も時々あるなあ。
どっちの足を出したらいいか、ひどい時などはそもそも足を使うのか?とさえ(笑)。
気持ち悪くて誰にも話したことなかったけれど、他にもいるんだとわかりちょっとほっとしてみたり。
そういう、「ちょっとわかる」というようなプチ共感が嬉しく楽しいから読んじゃうんだよなあ…。


絶叫委員会―天使的な言葉についての考察
「絶叫委員会―天使的な言葉についての考察」
 [単行本]
 著者:穂村 弘
 出版:筑摩書房
 発売日:2010-05
 価格:¥ 1,470
 by ええもん屋.com

見聞きした言葉からその言葉に隠れる真実とか背景が広がって、楽しかった。
一緒に会話をしていた相手が発したのか、たまたま聞こえた会話の断片なのか、初めて通った道での貼り紙なのか、想像のスタート地点が違うことで真意とは違うかもしれないけれども広がる想像(妄想)っていいなあとしみじみする(意味不明?)。
表紙にもある、「でも、さっきそうおっしゃったじゃねえか!」って最高だよね。
相手との関係は意識しながらも、話し終わらないうちに怒りがそれを乗り越えてるのだもの。
ある家の前にあった「猛犬にっこり」も好き。
おそらく「猛犬注意」の「注意」が薄くなったところに「にっこり」と書かれたのだろう。
犬を飼い始めたから配達や検針でやってくる人へ一応の注意を示したものだったけれど、なんとびっくりぜんぜん吠えないの、穏やかったらありゃしない、これは看板に偽りありだな、と文字が薄くなって書き換えるのを待っていたかのような状況が浮かぶ(私だけか?)。
そう思うと、背景が見えない、通りすがりに出会った言葉の方が勝手な想像には楽しいですね。
のら犬ローヴァー町を行く (Hayakawa novels)
「のら犬ローヴァー町を行く (Hayakawa novels)」
 [単行本]
 著者:マイクル・Z. リューイン
 出版:早川書房
 発売日:2000-06
 価格:¥ 1,995
 by ええもん屋.com

のら犬ローヴァーの生活を追った短編集。
ローヴァー、かっこいい!
群れず、宿を持たず、しかし困ったものには手を差し伸べる、そんな犬なのですよ、ローヴァーは。
助けが必要な犬には本犬が望むのなら寄り添ってあげ、決してべたべたしすぎないところなど、まさに理想の男(笑)。
タイトルやイラストを見ると、童話のような気もするが、書かれていることは人間界の縮図で時に手厳しく、時に優しく、ほのぼのしたり苦しくなったり、実に奥深い。
最近読んだ「パーフェクト・ブルー」「心とろかすような」では、主人公の犬が人間の言葉を完全に理解していたが、ローヴァーでは犬と人間は通じ合ってはいない。
だからこそ、語られる命の尊さや無駄遣い、環境問題などがリアルに感じられるのかも。
印象的だったのは「幸運」。
寝床も食べ物も、運動も十分、いつもかまってくれる飼い主に恵まれたロールシャッハとの出会い。
私からするとロールシャッハはなんて幸せな、いい飼い主に恵まれたなあと思える。
でもローヴァーは、門が開いているのにそこから飛び出す犬らしさを忘れてしまったロールシャッハを気の毒に思っている。
人に飼われることは犬の本能を邪魔しているのかな、と考えさせられる。
ロールシャッハが、ボール投げ遊びについて飼い主のことを「彼はこの遊びに夢中でね」というのはちょっと思い当たる節がないでもないなあ(笑)。
雑貨コレクターのうちの中
「雑貨コレクターのうちの中」
 [単行本]
 著者:森井ユカ
 出版:ポプラ社
 発売日:2010-01-16
 価格:¥ 1,680
 by ええもん屋.com

立体造形家で雑貨コレクターの森井ユカさんが、自宅や仕事場を公開した本。
あれだけの雑貨好きなのでさぞぎゅうぎゅうにモノがあふれかえっているのでは?と期待していたら、
すっきりとした部屋でその意外性に驚いた。
さすがマニア、彼女なりのこだわりや闘いが今を開拓したのだなと感心することしきり。
彼女のお気に入り雑貨をながめられるのが楽しいのはもちろんだけれど、
「雑貨コレクターの旅スタイル」でも感じたように文章も楽しくておすすめです。

因業大家(笑)との闘いが漫画になっているのですが(1ページ分)、その漫画を描いた人がもりいくすおさんとはびっくり。
え、ご夫婦だったの?
ということは雑貨コレクター本で森井ユカさんに興味を持つ以前から、微妙にリンクしていたのですね。
リンクといっても同じラジオを聴いていた者同士というだけですけれど。
それでも町は廻っている 7 (ヤングキングコミックス)
「それでも町は廻っている 7 (ヤングキングコミックス)」
 [コミック]
 著者:石黒 正数
 出版:少年画報社
 発売日:2010-04-30
 価格:¥ 560
 by ええもん屋.com

7冊めともなると、歩鳥のわが道は確立され、それぞれのキャラクターもわかってきて、安心して読める。
そんな中、森秋先生とおまわりさん松田の意外な面が見られるというおまけはお得感がある。
タッツンという呼び名が歩鳥グループの外にも浸透してきたり、
針原さんにも新しい世界が歩み寄ってきたり、
キャラクターが落ち着いてきた分、そこからの広がりにほんわかしたり、じ~んときたりする。
家、学校、商店街のみんなとの今の感じがずっと続けばいいな、誰ひとり欠けてほしくない、欠けてほしくないことは増えるばかり…
のほほんとしているだけのような歩鳥の悩みはホントに壮大(笑)。
でもこれって、紺先輩との祭りと合わせて、じ~んとくるなあ。
紺先輩も歩鳥の深さを再認識したかもなあと思えるシーンでした。
余計なお世話なことを付け加えると、この歩鳥の悩みはアニメ化に対する
ファンの心の代弁かもしれない(笑)。
いつもどおり楽しめたけれど、ジョセフィーヌの出番が少ないのはちょっと不満。
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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