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本の感想
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やんごとなき読者
「やんごとなき読者」
 [単行本]
 著者:アラン ベネット
 出版:白水社
 発売日:2009-03-11
 価格:¥ 1,995
 by ええもん屋.com

イギリスの女王陛下が80歳を迎えようというそのお年で読書の楽しみに目覚めてしまった!というお話。
本を読みたい気持ちにとらわれて公務を面倒臭く思ったり、本を読むことで感情が育っていく感じもかわいらしい。
この年になっての陛下の変化を「高齢者特有の変化」と受け止めてしまうお付きのものたちも含めてかわいらしい。
しかし、この女王陛下の変化を見越してか、皿洗いから読書担当人になったノーマンを陛下から引き離すサー・ケヴィンだけはかわいくない(笑)。
陛下とノーマンの引き離され方といったら、身分違いの恋を引き裂かれる悲恋物のようで涙なしには読めなかった(ウソ)。
この時の陛下の諦めというか、全貌ではないけれども何が起きたのかを察した感じが、自分ではどうにもならない女王という立場をしっかと受け止める凛々しささえ感じさせる。大袈裟?
心の成長に年齢は関係ないのだと希望を持てる、楽しい読書でありました。
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訴えてやる!大賞―本当にあった仰天裁判73 (ハヤカワ文庫NF)
「訴えてやる!大賞―本当にあった仰天裁判73 (ハヤカワ文庫NF)」
 [文庫]
 著者:ランディ カッシンガム
 出版:早川書房
 発売日:2006-07
 価格:¥ 819
 by ええもん屋.com
ある家に泥棒に入った男が住人に発見され、慌てて窓から逃げようとしたら壊れた窓枠のせいで怪我をしその場で捕まるが、「自分が怪我をしたのは窓枠が修理されていないから」と泥棒被害者宅を訴えたという。
こういう信じられないような裁判ネタが大好きなので読んだ本。
私が記憶しているこの裁判は真偽のほどは定かではないが、この本で取り上げられているのは本当にあった裁判なので質が悪いような気もする(笑)。
そんなことで訴えて恥ずかしくはないのか…と思うものばかりでそういったネタとして楽しめる。
が、信じられない訴訟にも裁判費用はかかるわけだし、訴えが認められて勝訴でもしたら多額の賠償金が支払われる。
その金がどこから出るのか、支払った企業が損失の補填に何をするか、と考えると笑い事ではない。
この本の説明に充てられている第1章で「訴訟が成長産業」と書かれているのは笑えない。
訴えたい人に「あなたの責任ですよ」と一蹴してあげるのも弁護士の務めのような気がするが、訴訟が産業といわれれば「なるほど」と言うしかない。
様々な判決に慣れてきた第12章は、事例が挙げられた後に自分が陪審員になったつもりで有罪か無罪か考えてみましょう、となっている。
日本でも来年度から裁判員制度がスタートするので他人事ではないものなあ。
私は再三書いてるけど裁判員制度には反対。
もし自分が訴えられた側だったらと考えれば擁護してしまうかもしれないし、事前の偏った報道に触れてしまったらそこから考えを変えることは自分の性格からして難しいと思うから。
だいたい、良くも悪くも日本人は法と密着してませんからね。
何だか裁判員制度自体にステラ賞あげたくなってきた(笑)。
ステラ賞→コーヒーをこぼして火傷した、とマクドナルドを訴えて賠償金を得たおばあさんがステラさんだったことから、ステラというのが仰天訴訟の代名詞になったようだ。
その中からこれぞ!というものに与えられるのがステラ賞なのだとか。
曲芸師のハンドブック
ヴィレッジブックス
三川 基好(翻訳)
発売日:2008-04
おすすめ度:4.0

ジョン・ヴィンセントは左手の指を6本持って生まれ、人と違っていることでイジメられやすかった。幼い頃から数字を一瞬で覚えられたり見たままの絵を描いたりできたジョンは免許証等の偽造で捕まったこともある。大人になった彼は持って産まれた技術から数人に成りすまし、病歴を偽り、頭痛の発作に悩まされ薬物過剰摂取で病院のお世話になることを繰り返していた。ある日ダニエル・フレッチャーである時に過剰摂取で病院に運ばれ、強制入院させるか否か判定する精神科医との面談で架空の男ダニエルを語りだす。

ジョンは他人に成りすます犯罪者。でもその理由は切ない。大金をせしめようとしているわけではない。生きるためにそうするしかないと信じている。
精神科医との面談の間に挟まれるジョンの過去には心が落ち着かなくなり胸を掻き毟りたくなる。
恵まれない家庭、能力を認められない幼少時、それでもジョンは生きてるためこうするしかなかった。
「曲芸」が生きるために必要なことだった、ジョンの真直ぐさに心つかまれる想いです。
ジョンの父親はいい父親とはいえないが、指の切除を勧めた医師に放った「どれがよけいな指なんだい?」は深く心に残ります。

そしてこの本は三川基好さんの最期の訳だそうです。
トンプスンの本でたくさんお目にかかりましたがこれが最期なのだと思うと読み終えることに寂しさを感じました。
遺された数々の本を読むことはできるのにこの寂しさは何でしょう。
世界の涯まで犬たちと
アーサー・ブラッドフォード
角川書店
売り上げランキング: 398720

犬好きとしては見逃せないタイトル。
しかし内容は…確かに犬は登場しますが驚きの連続。
どうしましょう(笑)。

14からなる短編集で、特にどれともつながりはない。
しかし主人公の男はどこか似通っている。
希薄そうな人間関係、でも世間的にはデリケートに距離を置かれそうな相手でもそれは変わらない。
希薄なところを突いたらいいのか、誰に対しても変わらないところを評価したらいいのか、とにかく判断できない。
この奇天烈で不思議な世界は体験しないとわからない。
好き嫌いははっきりわかれるかも。
何か教訓めいたことがあるわけでもないけれど、これは御伽噺なのかな、とも感じる。
おすすめは…壮大な物語になっている「ドッグス」かな。

この著者、お初の人だと思っていたらひょんなことで知っている人でした。
「How's Your News?」というドキュメンタリー映画の監督でもあるそうです。
映画を見たことはないですが、毎月購入している映画雑誌で取り上げられていました。
ボランティアで訪れた障害者キャンプで知り合った彼らをインタビュアーにし、タイトルの質問をたずね回るという映画らしい。
垣根がないのはこういった活動が背景にあるからか、と感じる。
マグショット―ハリウッド犯罪調書
「マグショット―ハリウッド犯罪調書」
 [単行本]
 著者:ジョージ セミナラ
 出版:鹿砦社
 発売日:2002-06
 by ええもん屋.com

rosedaleさんのブログで話題に上っていたLOST出演者の逮捕のお話。
ハワイの警察が暇なのか、撮影でストレスが溜まりすぎているのかLOSTのキャストはほとんどの方が何かしら逮捕されたり、車を止められたりしているらしいです。
で、ミスター・エコーこと、アデワレ・アキノイェ・アグバージェも免許不携帯で逮捕されたとか。
この方、OZという刑務所ドラマのアデビシ役が有名なので違和感がないようなあるような、変な感じ。
「アデビシのマグショット、見てみたい」とあるのを読み、こんな本を持っていたことを思い出した。

有名人のマグショットばかりを集めた本。
その名も「マグショット−ハリウッド犯罪調書」。
逮捕された時の写真と罪状、その事件の背景なんてものが書かれている。
事件についての方はお粗末。
前後関係が?だったりするので全部を信じるのはどうかと思う。
人によってもバラバラだし。
そんな感じで文字数のわりに内容は薄っぺらい印象。
しかし普段見られない表情があるのは事実。
96年に出版されている。今回改めて引っ張り出して眺めた感想は
私って悪趣味なのねってことでしょうか。
ゴシップ好きの域を超えてる気がする(苦笑)
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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