偶然手にしたのですが、犬といえばジェイムズ・サーバーといわれるくらいに犬関連の話をたくさん書いている作家らしい。
イラストも、生活している犬の感じが匂ってくるようでなんともいえない。
表紙にもいるブラッド・ハウンドちゃんのパラパラまんがが右ページ下で楽しめるのもステキ。
サーバーは1930年代から1950年代に活躍した人とのことなので、当然書かれているのもその頃のこと。
でも、時代が変わっても犬をとりまく、犬を愛する人の行動は変わらないのだな、と古さは感じられない。
犬と生活をしたことのある人なら、どれを読んでも頷けるし、そのユーモアにも隣にその犬がいるような錯覚を起こすと思う。
そんな中、メドゥヴィというプードルとの思い出と、死に対して捧げた「メモリアル」は心に沁みる。
これをもっと前に読んでいたなら、まさとのお別れにも毅然としていられたかもしれないと思うとまた涙、だ。
犬は私などよりよっぽど賢くて、その時がきたらたったひとりで受け入れる覚悟ができているのだ、とそう思えていたなら別れの時はもう少し違っていたかもしれない。
こういう気持ちにさせてくれるサーバーも、「メモリアル」について「亡くした直後に書いたので、そこかしこが夕暮れ色に染まっている」というので、愛するものとの別れとはそういうものなのだな、と。
しんみりしてしまったけれど、全編通じてユーモアに溢れていて楽しい本。
気に入った描写を引くと
辛抱強くて熱心なイングリッシュ・ブラッドハウンドが私服警官だとすれば、ジャーマン・シェパードは制服警官だ
ジャーマン・シェパードの犬刑事レックス、本当は制服警官なんだ!(笑)
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