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本の感想
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穢れしものに祝福を (角川文庫)
「穢れしものに祝福を (角川文庫)」
 [文庫]
 著者:デニス レヘイン
 出版:角川書店
 発売日:2000-12
 価格:¥ 1,000
 by ええもん屋.com
 
休業中のパトリックとアンジーを誘拐してまで依頼する仕事とは、癌で余命半年の大富豪トレヴァー・ストーンが失踪した娘デジレーを探して欲しいというものだった。元々はパトリックの師匠にあたるジェイ・ベッカーに依頼されたものだが、彼も調査の途中で行方がわからなくなっているという。途中までの報告書を頼りに失踪中の二人の足跡をたどり始めたパトリックとアンジーだったが、聞かされてきた情報の信憑性に疑問を感じ、誰をも信じられなくなったところに真相を連れてある人物が現れる。

パトリック&アンジーのシリーズ第三作。
仕事を休んでいることに前作の心の傷がうかがえる。
余命半年の大富豪の境遇に動かされたところもこの二人らしい。
報告書を元に追う前半は、カルト集団にカモにされたかもしれないか弱いデジレーが思い浮かぶが、後半(ほとんど終盤かな)になるとイメージはガラッと変わる=失踪事件も表情を変えてくる。
真相には読んでたどりつかないと興醒めなので。
ただ、ラストは…。
初めて読んだ時は興奮状態のままだったけど、読み返してみると少し強引?というかあり得なくないか…という気がしないでもない。
持つもの(金)持ってない人にはわからない世界なのか?

前二作では匂わせるだけだったパトリックとアンジーの過去がはっきりと書かれている。
16歳の時に二人は結ばれたがそれっきりだったこと、アンジーの12年にわたる不幸な結婚、パトリックはアンジーの姉と短い結婚生活を送った、と。
この関係に前作が容易には癒えない傷を残したが、今作で二人はお互いにパートナー、恋人、友人のどれをも超越した愛情を体感する。
足枷がなくなったからくっつく、もしくはそのせいで敢えて距離を置く、という展開でなかったことを嬉しく感じる。
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