兄理一の家で姪っ子ひとみと遊ぶのが楽しみな刑事舞田歳三の関係する事件の連作短編集。ゲームや他愛のない会話、その会話に事件解決のヒントが隠されていたりで一石二鳥だ(笑)。
刑事が普通の自宅で事件の話をすると解決らしいので頭の中では都筑道夫さんの「退職刑事」の図式が出来上がってた。
でも退職刑事役のひとみちゃん(注:私の中だけでですよ)は事件の話もあまり聞かされないし、発するヒントも歳三が閃くのであってひとみちゃんには意識がない。ダンスもしてない(笑)。そういう意味では肩透かし。
著者が「ゆるミス」「やわらか本格」と表現されているそのままに楽しめるのは間違いないのですけど。
1話だけでキャラクターのアウトラインを説明してしまうことをせず、話を追うごとに少しずつ明らかになっていくのも楽しみがいがある。
そう考えると収録されている6話で1話かもしれない。
「ゆるミス」等と表現されてはいるが、小学生が闇金に金を借りて「死んじゃったから返さなくてよくなってラッキー!」とか、市会議員の性的嗜好とか、従順であるが故に鬱積したものが爆発するとか、病んだ社会がこれでもかと登場。
その陰惨な部分を中和するのが舞田家のキャラクターの役割なのかも。
当然これも図書館本なのですけど、タバコ臭くてかなわなかった。
それでも読み通したというところで面白かったんだなということをわかっていただきたい(笑)。
PR
この記事にコメントする
Re:無題
表紙見返しで著者自らが「ゆるミス」と書かれているので事件の背景に潜んでいる「病み」をうっかり見落とすところでした。
舞田さん家のキャラクターがバランスをとっていてくれなければとんでもない話の連続ですよ。
舞田さん家のキャラクターがバランスをとっていてくれなければとんでもない話の連続ですよ。
Re:無題
そっちのタイトルの方がいいです。
だって、ひとみちゃんダンス教室でだけしかダンスしてないみたいですもの。
別にダンスしながら事件を推理するのだと思っていたわけではないですけど(笑)。
だって、ひとみちゃんダンス教室でだけしかダンスしてないみたいですもの。
別にダンスしながら事件を推理するのだと思っていたわけではないですけど(笑)。