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本の感想
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この指とまれ  -GONBEN-
この指とまれ -GONBEN-
posted with amazlet at 08.08.06
小川 勝己
実業之日本社
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父親が会社で不正を働き逮捕された吉田、少年時代に暴れまくったが更生したようでいてアル中の夏樹、恋人に貢いだのに別の女に乗り換えられた夏子らが歩に持ちかけられ詐欺グループを結成。
計画は綿密に「ビジネス」は次々と成功するが、ヤクザに手を出したことから身辺がきな臭くなる。
学生サークル詐欺グループは自分たちの尻を拭えるのか?


以下、内容を連想させる部分もあります。

GONBEN−ごんべん−とは警察業界擁護で詐欺のこと。
次から次へと詐欺の手口が出てくる。
どうしてこんなことに引っ掛かるかな、よりもかなり大掛かり。
1年もの期間を費やしているものまで。
ニュースに出てくる「許せない人たち」なわけですよ。
イギリス海外ドラマ「華麗なるペテン師たち」と似た設定。
決定的に違うのはドラマはターゲットは悪人で一般人には手を出さないのに対し、こっちの選定基準はカモになるかどうかそれだけ。
情け容赦ない人選とでもいいましょうか。
どうして引っ掛かるのかわからないようなニュースがあるが、詐欺師たちはターゲットが逃れられないよう万端の準備をしてくるのだから無理な話なのか。
詐欺の組織力の恐ろしいこと。
でも…文中に出てくる「詐欺師は二人組みが多い、人数増えると分け前が減るから」というのがラストの恐ろしさに直結!

ご本人の日記に「全部読んでいる人なんているのだろうか」とありました。
巻末の全仕事でチェックしてみると…いましたよ、ここに!(笑)
出版されているものは全部読んでました。
描写がキツイところもあるけれど、それを含めて何故か好き。
あまりにもダメ人間でこっちが苦しくなるようなこともある。
登場人物の生活感がリアルにくるところが好きなのかなあ。
小川さんが体調をくずされているのは心配ですが、本は楽しめました。
彼らの今後とかそれ以前も知りたくなる読後感です。
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無題
カクテキさん、小川作品、全部読まれているのですか・・・!
私は頑張って2冊です。
『撓田村事件』は大っ好きな作品なのですが、その後『眩暈を愛して〜』で「???」状態に(汗)。
ノワール小説が苦手なので、他の作品には手が出せないのです・・・。
めみ URL 2007/11/11(Sun)  20:29 編集
無題
めみさん、こんにちは。
小川さんを好きな作家さんとは意識してなかったのですが、全部読んでいるということは好きなのかな?
ジム・トンプスンが好きで、奥田英朗さんは「邪魔」が一番、という読書傾向のせいでしょうか。
良くも悪くも、登場人物が転がっていく様が好きなんですよ。
「この指とまれ」は詐欺の手口のお勉強にもなるのでおすすめです(笑)。
カクテキ 2007/11/12(Mon)  10:07 編集
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