レッド・ボイス (Hayakawa Novels)
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T.ジェファーソン・パーカー 七搦 理美子
早川書房
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主人公ロビー・ブラウンロー刑事は、3年前に人を助けようとしてホテルの6階から落ちた。
命は助かったが頭を強く打ち、共感覚を持つようになった。
ロビーの場合、話し相手が嘘をついていると赤い四角が見えるという。
これが邦題の所以でしょうね。
この設定を読み、特殊能力さんの話は勘弁して欲しいと思ってしまったが、訳者あとがきによるとこの共感覚というのは実際にあるらしい。
ある刺激を受けたとき別の感覚が伴うことを共感覚と呼び、どの感覚が結びつくかは人それぞれだが、ロビーのように視覚と聴覚が結びつく場合が多いらしい。
本当にあることなら新しいことを知る機会だ、でも超能力刑事として奔走していたらどうしよう、と迷いながらも読む。
迷ったのは前作(?)「カリフォルニア・ガール」が私にはいまひとつだったからというのもある。
ロビーが取り組んだ事件の顛末は私好みではない。
大スキャンダルを見せておいて、殺人の真相は別のところですから。
それも解決しなければならないことであったのは確かだが。
共感覚の使われ方もただ見えるだけで中途半端だなあと思っていたが、むしろそれこそ自分が懸念したことじゃないのか?と少しばかり反省。
ミステリとして読むとかなり消化不良。
しかし読み終えた後にロビーの再出発の物語だったのだな、と思えるとこの静かな運びにも納得。
知らず知らずのうちに静かに心を震わせられているという感じ。
でも反面、「サイレント・ジョー」のような深い唸りをもう一度体験したいな、とも。
サイレント・ジョー (ハヤカワ文庫 HM)
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T・ジェファーソン・パーカー
早川書房
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大ぶりの蜂蜜の瓶を眺めている。
今日は早起きしてもう何度も中味の十円玉と一円玉を数えている。
ぎっしりつまっているのでかなりの重量だ。
それが嬉しくてたまらない。
なぜなら
「この瓶の口まで十円玉と一円玉がいっぱいになったらサーカスに連れて行く」
とタヌキが約束してくれたからだ。
昨日買い物のお釣りを入れとうとういっぱいになったので、今日タヌキが私を迎えにくるはずだ。
そしてタヌキのサーカスを見せてくれるはずだ。
もう一度数えようとしたその時、タヌキは黄色い前開きベストを着てやって来た。
急いで出かけようとする私に
「まだ8時半だから慌てなくてもいい、それよりも傘を忘れないように」
とタヌキが言う。
見るとタヌキもフリル付きの日傘のような傘を持っている。
私は雨傘を持ってタヌキの後をついていった。
二人とも蜂蜜の瓶は持っていない。
こんな夢見てて、大丈夫でしょうか(笑)。
しろくまカフェに影響されすぎのようだ。
出てくるタヌキはリアルだし、でもベスト着てるし、人みたいなこと言うし。
何だかわくわくするような夢だったので誰かに教えたかったのです。
失礼しました。
今日は早起きしてもう何度も中味の十円玉と一円玉を数えている。
ぎっしりつまっているのでかなりの重量だ。
それが嬉しくてたまらない。
なぜなら
「この瓶の口まで十円玉と一円玉がいっぱいになったらサーカスに連れて行く」
とタヌキが約束してくれたからだ。
昨日買い物のお釣りを入れとうとういっぱいになったので、今日タヌキが私を迎えにくるはずだ。
そしてタヌキのサーカスを見せてくれるはずだ。
もう一度数えようとしたその時、タヌキは黄色い前開きベストを着てやって来た。
急いで出かけようとする私に
「まだ8時半だから慌てなくてもいい、それよりも傘を忘れないように」
とタヌキが言う。
見るとタヌキもフリル付きの日傘のような傘を持っている。
私は雨傘を持ってタヌキの後をついていった。
二人とも蜂蜜の瓶は持っていない。
こんな夢見てて、大丈夫でしょうか(笑)。
しろくまカフェに影響されすぎのようだ。
出てくるタヌキはリアルだし、でもベスト着てるし、人みたいなこと言うし。
何だかわくわくするような夢だったので誰かに教えたかったのです。
失礼しました。
実はこれ、発売当時(2002年)にいただいたものだけれど読んだのは今。
なぜなら私は正しくない飼い主で、うちの犬は介護の必要な老犬ではない失礼な!と半ば面白くない気持ちでいたから。
でも雑誌連載はたまに読んでたんだよなあ。
うちの犬には認められない、冷静さを欠いた人でしかないのだな。
最近本棚を片付けていて奥の方から発見した。
視力を失った、足腰が立たなくなった、痴呆が始まった、そんな犬たちを手厚く介護する15組の家族。
手はかかるけれどそれは苦ではなく幸せな生活の一部、今ならそう思える。
うちの犬は本当に老犬にはならなかった。
推定10歳4ヶ月、およそ1ヵ月半という短い闘病生活で旅立ったから。
私が本をもらった時、もっと冷静に一緒に暮らす犬を見られて老犬になることを受け入れられていたのなら、ここに登場する犬たちとその家族のように幸せを共に噛み締めることができただろうか。
病気の看病と老いての介護は微妙に違うと思う。
看病は突然やってきて心の準備を許さない。
でもそれは間違いで、生き物と共に暮らし始めたらその時から老いだろうが病気だろうが視野に入れなければならないのだなと思う。
治らない病気とはいえ、してあげたいことはいっぱいあったな、と想い出してはまた苦しくなる。
闘病中、家族との確執のせいで辛い想いをさせてしまったかもしれないと後悔の日々。
ああ湿っぽい…。
生き物と暮らしている方、あるいはこれから考えられている方には是非目を通してほしい本。
家族と犬たちの眼差しが全てを語ってますから。
元気なよつばがただただ気持ちいい「よつばと!」の最新刊。
ケーキという言葉に、自分内で想像を膨らましてしまい現実を見せられて急速にしぼんでしまう様子なんて涙なしには読めない。
何故ならそういう経験があるからだ!(笑)
いつの間にか学校も始まり、この最新刊の最後ではとうとう秋物の服を買いに行くらしい。
どんぐり拾いに夢中になってまだ買ってはいない。
そうか、よつばも秋を迎えるのか…と少し寂しい気もする。
永遠の夏休みまんがだと思ってたからね。
とはいえ、セリフなしで訴えるところは相変わらず好きです。
「孕むことば」よりも前に出されたエッセイ。
「孕む~」は言葉というテーマが底に流れている感じがしたけれど、こちらのほうが普通にエッセイ。
お上品で隙のない方といった印象のあちらよりもこちらのほうが私にはとっつきやすくて好きだ。
別にこちらがお下品で隙だらけというわけではないが。
なにかやりだすとすぐ、横道へ横道へとそれていってしまう
本や映画などでは、本筋と関係ない些事・細部に目がいく
仕事の成果に直接影響がないことに限って力が入る、凝りまくる
道ばたの穴が妙に気になる
そんなあなたはやみくも体質の恐れありと帯に書かれているらしい(図書館本は帯取られちゃうのでAmazonで見た)。
道端の穴はそう気にならないけど、他は十分あてはまる。
ああ、私もそうなのか…。
でも否定的な気分にはならないな。
これがやみくも体質の方のエッセイだとしたら楽しいことしか伝わってこないので、そういう体質は得だなあと思える。
さげさかのりこさんの挿画も味わい深くてステキだ。
何でもない町の風景はもちろんだが私が食いついたのは主役とも言える黒犬。
気持ちに誘われるままに町を行き来していて、興味津々の様子がこの本にぴったり。
穴をのぞいたり、走ってみたり、自転車の人を見上げたり、いつもしっぽが振れているようにみえるから不思議。
犬好きのせいですか(笑)。