実はこれ、発売当時(2002年)にいただいたものだけれど読んだのは今。
なぜなら私は正しくない飼い主で、うちの犬は介護の必要な老犬ではない失礼な!と半ば面白くない気持ちでいたから。
でも雑誌連載はたまに読んでたんだよなあ。
うちの犬には認められない、冷静さを欠いた人でしかないのだな。
最近本棚を片付けていて奥の方から発見した。
視力を失った、足腰が立たなくなった、痴呆が始まった、そんな犬たちを手厚く介護する15組の家族。
手はかかるけれどそれは苦ではなく幸せな生活の一部、今ならそう思える。
うちの犬は本当に老犬にはならなかった。
推定10歳4ヶ月、およそ1ヵ月半という短い闘病生活で旅立ったから。
私が本をもらった時、もっと冷静に一緒に暮らす犬を見られて老犬になることを受け入れられていたのなら、ここに登場する犬たちとその家族のように幸せを共に噛み締めることができただろうか。
病気の看病と老いての介護は微妙に違うと思う。
看病は突然やってきて心の準備を許さない。
でもそれは間違いで、生き物と共に暮らし始めたらその時から老いだろうが病気だろうが視野に入れなければならないのだなと思う。
治らない病気とはいえ、してあげたいことはいっぱいあったな、と想い出してはまた苦しくなる。
闘病中、家族との確執のせいで辛い想いをさせてしまったかもしれないと後悔の日々。
ああ湿っぽい…。
生き物と暮らしている方、あるいはこれから考えられている方には是非目を通してほしい本。
家族と犬たちの眼差しが全てを語ってますから。
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