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本の感想
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訴えてやる!大賞―本当にあった仰天裁判73 (ハヤカワ文庫NF)
「訴えてやる!大賞―本当にあった仰天裁判73 (ハヤカワ文庫NF)」
 [文庫]
 著者:ランディ カッシンガム
 出版:早川書房
 発売日:2006-07
 価格:¥ 819
 by ええもん屋.com
ある家に泥棒に入った男が住人に発見され、慌てて窓から逃げようとしたら壊れた窓枠のせいで怪我をしその場で捕まるが、「自分が怪我をしたのは窓枠が修理されていないから」と泥棒被害者宅を訴えたという。
こういう信じられないような裁判ネタが大好きなので読んだ本。
私が記憶しているこの裁判は真偽のほどは定かではないが、この本で取り上げられているのは本当にあった裁判なので質が悪いような気もする(笑)。
そんなことで訴えて恥ずかしくはないのか…と思うものばかりでそういったネタとして楽しめる。
が、信じられない訴訟にも裁判費用はかかるわけだし、訴えが認められて勝訴でもしたら多額の賠償金が支払われる。
その金がどこから出るのか、支払った企業が損失の補填に何をするか、と考えると笑い事ではない。
この本の説明に充てられている第1章で「訴訟が成長産業」と書かれているのは笑えない。
訴えたい人に「あなたの責任ですよ」と一蹴してあげるのも弁護士の務めのような気がするが、訴訟が産業といわれれば「なるほど」と言うしかない。
様々な判決に慣れてきた第12章は、事例が挙げられた後に自分が陪審員になったつもりで有罪か無罪か考えてみましょう、となっている。
日本でも来年度から裁判員制度がスタートするので他人事ではないものなあ。
私は再三書いてるけど裁判員制度には反対。
もし自分が訴えられた側だったらと考えれば擁護してしまうかもしれないし、事前の偏った報道に触れてしまったらそこから考えを変えることは自分の性格からして難しいと思うから。
だいたい、良くも悪くも日本人は法と密着してませんからね。
何だか裁判員制度自体にステラ賞あげたくなってきた(笑)。
ステラ賞→コーヒーをこぼして火傷した、とマクドナルドを訴えて賠償金を得たおばあさんがステラさんだったことから、ステラというのが仰天訴訟の代名詞になったようだ。
その中からこれぞ!というものに与えられるのがステラ賞なのだとか。
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福家警部補の挨拶 (創元推理文庫)
「福家警部補の挨拶 (創元推理文庫)」
 [文庫]
 著者:大倉 崇裕
 出版:東京創元社
 発売日:2008-12
 価格:¥ 819
 by ええもん屋.com

大倉崇裕さんの「福家警部補の挨拶」からオッカムの剃刀がNHKの正月ドラマとして放送されました。
ストーリーの詳細は忘れていたものの、見ているうちに思い出してきました(なんとなく)。
でもあんなキメ台詞、あったっけ?読み返す必要アリか?

最初に犯人が犯罪を犯すところを見せるというコロンボ系なのですが、犯人がぬいぐるみネコで「ニャー」→メガネのない被害者「なんだ、ネコか」には、どうしていいやら…。
あまりコメディ色を感じずに読んだせいか、このつかみには少々困った。
しかし繰り返されるこの手の小ネタはキライでない(笑)。
好きだったのは被害者が持っていた掛布の顔が書かれたライターの指紋ネタ。
被害者以外の指紋は誰だ?となった時の、ウケを狙うつもりの「掛布じゃないのか?」に「その可能性も捨てきれません」「そう思って掛布のデータを集めてみました」と経歴上映。阪神ファンだから?(笑)
きたろうさんも出演されていたので(福家に「君の推理にはうんざり」みたいなセリフがお気に入り)、全体としては楽しめましたが私のイメージする福家とは微妙に違っていたなあ。
もっと、まわりに埋もれてしまっている感じだったんだけど。警察手帳も早く見つけすぎだし(笑)。
鑑識やってた小泉孝太郎さんには好印象、心の声が漏れるところとか。
最近の雰囲気俳優よりもかなり好感持てたですよ。日本のドラマほとんど見てないくせにプチ悪口はいけませんね。
シリーズ化されるのかなあ?
されるのだとすれば、福家の視線をもっとクローズアップして欲しいな、と思ったり。
ドラマ終了後にハイビジョンで放送スタートするコロンボのCMが入ったのにはびっくり。
このドラマはコロンボの宣伝だったのか…?

心が壊れた犯人というのが最近見たミステリチャンネルの「バーナビー警部」と丸かぶりだったのは個人的に衝撃的だった。電話で話してるところまで一緒でしたよ。
あげくの果て
「あげくの果て」
 [単行本]
 著者:曽根 圭介
 出版:角川グループパブリッシング
 発売日:2008-10-25
 価格:¥ 1,575
 by ええもん屋.com

「熱帯夜」「あげくの果て」「最後の言い訳」の三作からなる、新年一冊目を飾るにふさわしい表紙の本(笑)。
熱帯夜
作者のワナに嵌って楽しめた。なるほどね~。
あげくの果て
高齢者徴兵制度とその真相、行き過ぎた敬老精神団体、それに対抗する若年過激派、近未来小説かもなあ。
最後の言い訳
ゾンビもの。ゾンビは差別用語らしい(笑)。
これが一番のお気に入り。
どういう理由から蘇生者が増えていくのか、数が逆転したことへ蓋をした感じ等、これも黒い笑いに包まれながらも現実味がないとはいえない。
蘇生者という設定は別だけど。
ところどころに挿入されるニュースがあるかないかのギリギリの線上というところで、これまた秀逸。
生命保険会社の屁理屈表明、首相の失言、蘇生パンダ事件への中国側のコメント、どれも実際に聞いたような錯覚に襲われる(笑)。
それだけ真実味があるということはその分だけ切ないということでもあり、そこがまた著者のワナに捕らわれたという気がして非常に嬉しい。
理性と本能の板ばさみでどうするのかと思ったラスト…清々しくさえ感じられる選択が見事。

私は曽根さんのファンなのだなと実感できる一冊でありました。
あけましておめでとうございます。
今年も楽しく本を読んであれやこれやとお話できれば嬉しいなと思いますので、よろしくお願いします。

さて、ついでに先月のまとめ。特に冊数少ないですね。
自分が楽しんで読んでいるのなら数は関係ないとはいいつつ、少し寂しい。
改善はしないだろうということも含めて(笑)。

12月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1011ページ

凍える森 (集英社文庫 (シ16-1))凍える森 (集英社文庫 (シ16-1))
被害者一家を知る人への証言インタビュー形式は好きなんですけども…
読了日:12月27日 著者:アンドレア・M.シェンケル,平野 卿子
新釈 走れメロス 他四篇新釈 走れメロス 他四篇
ひとつごとに表情の変わる巧みさにやられました。今まで敬遠していたのがもったいない。
読了日:12月26日 著者:森見 登美彦
アンダーリポートアンダーリポート
信じた言葉の意味の重さが圧し掛かります
読了日:12月24日 著者:佐藤 正午
オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険
疑問点をひとつひとつ解説していくのはミステリの謎解きのよう。たいへん面白かったです。
読了日:12月02日 著者:鈴木 光太郎

読む冊数が少ないので、もう一つと統合しちゃおうかなとも考えた時期もありましたが、
訪ねてくださる方はほとんど重なっていないので、やはり海外ドラマつっこみと本は分けたままにすることにしました。

海外ドラマの方はテレビ放送がメインなので「今見ているもの」が合致することが多いです。
しかし、本は私が流行をあまり意識していないせいか「同じ頃に同じ話題」というのがほとんどなく、
それをどうとらえたらいいか迷うこともありました。
結局は本もブログも「読みたい時に読みたいものを」ということに落ち着きましたが。
こんなマイペースブログですがお付き合いくださる方のいることに感謝です。
来年もくだらないことを思いついたままに書いていきますので、みなさまも思いついたことを残していただけたらありがたいなと思います。

それではみなさま、よいお年をお迎え下さい。
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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