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本の感想
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あげくの果て
「あげくの果て」
 [単行本]
 著者:曽根 圭介
 出版:角川グループパブリッシング
 発売日:2008-10-25
 価格:¥ 1,575
 by ええもん屋.com

「熱帯夜」「あげくの果て」「最後の言い訳」の三作からなる、新年一冊目を飾るにふさわしい表紙の本(笑)。
熱帯夜
作者のワナに嵌って楽しめた。なるほどね~。
あげくの果て
高齢者徴兵制度とその真相、行き過ぎた敬老精神団体、それに対抗する若年過激派、近未来小説かもなあ。
最後の言い訳
ゾンビもの。ゾンビは差別用語らしい(笑)。
これが一番のお気に入り。
どういう理由から蘇生者が増えていくのか、数が逆転したことへ蓋をした感じ等、これも黒い笑いに包まれながらも現実味がないとはいえない。
蘇生者という設定は別だけど。
ところどころに挿入されるニュースがあるかないかのギリギリの線上というところで、これまた秀逸。
生命保険会社の屁理屈表明、首相の失言、蘇生パンダ事件への中国側のコメント、どれも実際に聞いたような錯覚に襲われる(笑)。
それだけ真実味があるということはその分だけ切ないということでもあり、そこがまた著者のワナに捕らわれたという気がして非常に嬉しい。
理性と本能の板ばさみでどうするのかと思ったラスト…清々しくさえ感じられる選択が見事。

私は曽根さんのファンなのだなと実感できる一冊でありました。
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無題
はじめまして。
コメントとトラックバックをありがとうございます。
曽根さんは初読みだったのですが、独特のシニカルな視点とギリギリの表現が面白いですね。
私は一話目がお気に入りでした。
ia. URL 2009/03/09(Mon)  22:15 編集
Re:無題
ia.さん、こちらにもおいでいただきありがとうございます。
「鼻」を読んですっかりファンになってしまいました。
なので「あげくの果て」の黒風刺も読んでいて嬉しくてたまりませんでした。
好き嫌いが極端に分かれるタイプかとも思いますが、楽しめるお仲間に出会えてこれもまたたいへん嬉しいです。
【2009/03/11(Mon)  09:19】
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