「パーフェクト・ブルー」を読んだ勢いで、続編短編集にも手を出してみた。
警察犬を引退し、監察医の先生のところにいたのが、どうやって蓮見家にやってきたのか、知りたかったことが書かれていたので満足。
よそで飼われていた犬をもらってくると、前の飼い主を恋しがって、悲しがって死んでしまう、マサもそうなってしまうのでは…と心配する糸ちゃん、それにしっぽで応えるマサのエピソードは涙もの。
最後の「マサの弁明」は少し趣が違うが、
どの話も人の醜い心が起こした事件を描きながら、人との心のつながりにあたたかさがあって、居心地の悪さと安心感とが同居している感じ(笑)。
なかでも「マサの留守番」は、少年犯罪、家庭内暴力、動物虐待、といろんなことが詰め込まれ、
迎えた結末は虚しくとも、そこには兄弟愛、家族愛があるのですね。
当たり前なのに難しい、人の心を見せられた想いです。
前作よりもマサの生活が感じられて、それだけでも、心をつかまれてしまう。
マサは人々が驚かない時間を選んで、ひとりで街を歩いて捜査をしているのですよ。
これは本当にREXだ(笑)。
REXは犬がひとりで歩いているのに、まわりが気にしてないんだけどね。
マサは探偵だけど、犬刑事と同じだなあと、S3の放送が待ち遠しくなってしまった!(笑)
前作に引き続き、ジャーマンシェパードという犬種にREXを、
マサという名前にお星様になった愛犬を重ね、
なんとも濃密な読書となりました(笑)。
公園の池で、アヒルと格闘(遊んでやっているらしい・笑)しているのなんて、うちも白鳥とやってたなあ…と楽しかった日々が浮かびます。
存在を知りつつもずっと読んでこなかった。
読んでいたら同じ名前(うちはひらがなだったけど)をつけたかどうかはわからないなあ。
と、何故今頃?いきなり?というのはミステリマガジン3月号での犬も歩けば謎に当たるという特集を読んだから。
犬が語り手、犬がよき相棒、とパターンも踏まえての紹介で、
ミステリに出てくる犬の話をあれこれ見て、取り上げられている犬絡みの話を読んでみたいと思い立ったのですよ。
その第一弾として手に取ったのが、マサという名に惹かれた宮部みゆきさんの二冊だったというわけ。
今後もちらほらと犬絡みの本を読んでいこうかな、と。
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「襲撃者の夜 (扶桑社ミステリー)」
[文庫]
著者:ジャック ケッチャム
出版:扶桑社
発売日:2007-05
価格:¥ 800
[文庫]
著者:ジャック ケッチャム
出版:扶桑社
発売日:2007-05
価格:¥ 800
「オフシーズン」と続編にあたる「襲撃者の夜」を続けて読破。
間にリハビリにと「パーフェクト・ブルー」を読んだけれど、あまり役に立たなかったような…。
残酷描写が取り上げられがちですが、そこはそういうものとさっさかと見ていくことにした(笑)。
「オフシーズン」は、出版するにあたって書き直した部分を当初のものに直してあるらしい。
こっちの方が断然いいと思う。
得体の知れないものに出くわした、表現しようのない恐怖が感じられるから。
「襲撃者の夜」は、前作での生き残りがパワーアップしているという…。
私はこっちはだめだった。
人気のない通りで人を捕まえる前作はまだしも、民家にまで出向いてくる食人族というのはちょっと違う気がする。
得体の知れなさが恐怖心をあおっていたのに、あちらのグループ側に語られてしまうとかたちが浮かんできてしまうじゃないですか。
そして普通の人間側の設定もちょっと似通ってるし。
似通っているとはいえ、主人公と思われた(思われたってことは…そういうことだ)自己を確立しているかに見える人物の影的な存在が大きくなっていくところは好きだ(「オフシーズン」だけならもっとよさが際立ったのかも)。
そして主人公と思われた人物の嫌な点もあるところがまた好きだ。
ある意味、正直に、優しい目で人間を見ているといえるのかもしれないなあと思う。
今まで読んだことなかったのですよ、これ。
読んでびっくり、なんと私のためのような本じゃないですか。
元警察犬マサの語りで話が進むという…いや、うちはひらがなでしたけどね(笑)。
そして元警察犬ということでマサはジャーマンシェパード(でしょ?)。
ということは、REXじゃないですかっ!
設定だけで小躍りしているおバカさんな姿が見えますね。
そんなうきうき気分で、蓮見探偵事務所の面々、マスター、進也の人を思い遣る心にも嬉しくなり、それだからこそ途中で見えてきた真犯人は辛いものがありました。
それでも、進也の「尊敬しても、憧れてもいなかった。ただ、兄貴が好きだった。大好きだった」この言葉に救われる思いがしました。
一応、恒例なので。
やはり「無理」が一番かな。
想像がつきすぎる世界での奥田さんはきつかった(笑)。
4月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1662ページ
雑貨コレクターの旅スタイル
これまでの本のコラム部分が主役になったような本。仕度から現地、失敗までも愛する心意気が気持ちいいです。
読了日:04月23日 著者:森井 ユカ
私が見たと蝿は言う (クラシック・セレクション) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
出てくる人にどんどん肉付けされて広がるのが楽しかった。それが犯人もなのですよね…(笑)。
読了日:04月19日 著者:エリザベス・フェラーズ
無理
救いのない物語からコントのようなラスト、そしてまたそこからさらに救いの見えない物語が始まるのかと思うと苦しすぎる。でも、奥田さんのこの系統の小説を待っていたのですよ。
読了日:04月17日 著者:奥田 英朗
王様は島にひとり
エッセイだけど、かなり作りこんでるよね?そこが好きだけど。兄貴と慕うあの人への想いは真面目にとってはいけないと思う(笑)。
読了日:04月10日 著者:池上永一
狛犬かがみ―A Complete Guide to Komainu (Japanesque)
笑って見始めたけど、終盤にはその表情や石工の想いに切なさも。
読了日:04月08日 著者:たくき よしみつ
トリガー
ところどころ表現に寂しくなるところもあったけど、発想も展開も結構好き。
読了日:04月08日 著者:板倉 俊之 (インパルス)
読書メーター
やはり「無理」が一番かな。
想像がつきすぎる世界での奥田さんはきつかった(笑)。
4月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1662ページ
雑貨コレクターの旅スタイル
これまでの本のコラム部分が主役になったような本。仕度から現地、失敗までも愛する心意気が気持ちいいです。
読了日:04月23日 著者:森井 ユカ
私が見たと蝿は言う (クラシック・セレクション) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
出てくる人にどんどん肉付けされて広がるのが楽しかった。それが犯人もなのですよね…(笑)。
読了日:04月19日 著者:エリザベス・フェラーズ
無理
救いのない物語からコントのようなラスト、そしてまたそこからさらに救いの見えない物語が始まるのかと思うと苦しすぎる。でも、奥田さんのこの系統の小説を待っていたのですよ。
読了日:04月17日 著者:奥田 英朗
王様は島にひとり
エッセイだけど、かなり作りこんでるよね?そこが好きだけど。兄貴と慕うあの人への想いは真面目にとってはいけないと思う(笑)。
読了日:04月10日 著者:池上永一
狛犬かがみ―A Complete Guide to Komainu (Japanesque)
笑って見始めたけど、終盤にはその表情や石工の想いに切なさも。
読了日:04月08日 著者:たくき よしみつ
トリガー
ところどころ表現に寂しくなるところもあったけど、発想も展開も結構好き。
読了日:04月08日 著者:板倉 俊之 (インパルス)
読書メーター
旅に出て仕入れた雑貨のあれこれを紹介してくれる森井さんの、旅を主役に変えた本。
いつもは、雑貨紹介がメインで少しだけコラムとして書かれていたことがメインになっている、ということです。
ホテル選び、持ち物、食事、服装、等々、彼女の旅へのこだわりがうかがえます。
押し付けではなく、ご自分の経験上編み出した技と言えるかもしれません。
初海外の話から、北朝鮮、居住した香港、どれも興味深いものばかり。
私は旅から縁遠い生活をしているけれど、旅行記や海外の写真は大好きなのでまたまた楽しませていただけました。