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本の感想
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心とろかすような―マサの事件簿 (創元推理文庫)
「心とろかすような―マサの事件簿 (創元推理文庫)」
 [文庫]
 著者:宮部 みゆき
 出版:東京創元社
 発売日:2001-04
 価格:¥ 680
 by ええもん屋.com

「パーフェクト・ブルー」を読んだ勢いで、続編短編集にも手を出してみた。

警察犬を引退し、監察医の先生のところにいたのが、どうやって蓮見家にやってきたのか、知りたかったことが書かれていたので満足。
よそで飼われていた犬をもらってくると、前の飼い主を恋しがって、悲しがって死んでしまう、マサもそうなってしまうのでは…と心配する糸ちゃん、それにしっぽで応えるマサのエピソードは涙もの。

最後の「マサの弁明」は少し趣が違うが、
どの話も人の醜い心が起こした事件を描きながら、人との心のつながりにあたたかさがあって、居心地の悪さと安心感とが同居している感じ(笑)。
なかでも「マサの留守番」は、少年犯罪、家庭内暴力、動物虐待、といろんなことが詰め込まれ、
迎えた結末は虚しくとも、そこには兄弟愛、家族愛があるのですね。
当たり前なのに難しい、人の心を見せられた想いです。

前作よりもマサの生活が感じられて、それだけでも、心をつかまれてしまう。
マサは人々が驚かない時間を選んで、ひとりで街を歩いて捜査をしているのですよ。
これは本当にREXだ(笑)。
REXは犬がひとりで歩いているのに、まわりが気にしてないんだけどね。
マサは探偵だけど、犬刑事と同じだなあと、S3の放送が待ち遠しくなってしまった!(笑)
前作に引き続き、ジャーマンシェパードという犬種にREXを、
マサという名前にお星様になった愛犬を重ね、
なんとも濃密な読書となりました(笑)。
公園の池で、アヒルと格闘(遊んでやっているらしい・笑)しているのなんて、うちも白鳥とやってたなあ…と楽しかった日々が浮かびます。

存在を知りつつもずっと読んでこなかった。
読んでいたら同じ名前(うちはひらがなだったけど)をつけたかどうかはわからないなあ。
と、何故今頃?いきなり?というのはミステリマガジン3月号での犬も歩けば謎に当たるという特集を読んだから。
犬が語り手、犬がよき相棒、とパターンも踏まえての紹介で、
ミステリに出てくる犬の話をあれこれ見て、取り上げられている犬絡みの話を読んでみたいと思い立ったのですよ。
その第一弾として手に取ったのが、マサという名に惹かれた宮部みゆきさんの二冊だったというわけ。
今後もちらほらと犬絡みの本を読んでいこうかな、と。

ミステリマガジン 2010年 03月号 [雑誌]
「ミステリマガジン 2010年 03月号 [雑誌]」
 [雑誌]
 出版:早川書房
 発売日:2010-01-25
 価格:¥ 840
 by ええもん屋.com

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無題
こんにちは!
会社からの書き込みが出来ない状態なので、
横目で見つつ、遅くなってしまいました。
わたしもこのシリーズ、読みました。家にあるのだけど、
ちょっと前に読んだから、ストーリーは忘れ気味ですが、
心に残るやさしい本ですよね。大好きです。
宮部さんの本はどれも読みやすくて心に残るものが多く、
考えさせられますよね。私はクロスファイアが好きなので、
近いうちにその話も書こうかなと思っております。
Anne URL 2010/05/15(Sat)  11:37 編集
Re:Anneさん
宮部さんの本はどれも優しい気持ちの余地を残してくれるのでいいですよね。
と、言えるほど読んではいませんが(笑)。
Anneさん、「クロスファイア」がお好きですか。
私こそ、かなり前に読んだのでうろ覚えです。
Anneさんの感想読んだら思い出すかも(笑)。
よろしくお願いします♪
【2010/05/16(Sat)  10:03】
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