不破の所属する警視庁外事2課に中国に国家機密を流している国会議員がいるという情報が入る。ガセネタと思われていたのに警察庁から女性理事官凸井がやってきて捜査を開始。純粋な捜査なのか、上の思惑が働いているのか、不破は事件の本質を見抜けるのか。
たいへん面白かった「鼻」の曽根さんの乱歩賞受賞作。
警察にスパイがいる、いやスパイのふりをしている二重スパイだ、いや三重だ…二転三転する「真相の告白」にどれを信じてよいのか最後までわからない。
あのエンディングももし話がこの後も続くのなら信用ならんところだ。
真相にはついていけないが、捜査官同士の腹の探り合いや凸井の思惑に振り回されているうちに読み終えてしまうという不思議な小説。
不破と対立しているというか方針が相容れない五味も適役っぽいのにその慕われ方がわかる気がするし、組織からのはずれもの若林の流され方なんかドラマがあったと思うけどあまり評判がよろしくないとか。
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