出版社社長宅のパーティーで、人気作家エイモス・コットルが、ゲーム「幽霊の2/3」の最中に飲み物に毒を盛られて殺される。招待客の一人であったベイジル・ウィリング博士が、関係者から事情を聴くと意外なことが浮かび上がってくる。
中盤で明かされる「エイモス・コットルと名乗っていた男は誰なのか?」という最大の謎が最後まで引っ張ってくれます。
動機はともかく、正直、殺害トリックは魅力的とは思えないし、無理もあるかもしれない。
しかし、エイモスが本当は誰であったのかをたどることが主軸。
これにも二通りの意味があるので、倍ミステリアス。
この通りではないだろうな…というエイモスを取り巻く面々の思惑が、タイトルに意味をもたせているのもまた好きなところ。
虫垂炎の手術とか、ランゲルハンス島とか、「そ、そんな…」と思うようなこともあるが、書かれた時代を考えればそれも楽しみの一つ。
先日読んだ「殺す者と殺される者」もそうだったように、著者は人間の精神の不思議をミステリに絡めた魁の人だったのでしょうか。
この二冊しか読んでないが、私にはかなり好みの作風でありました。
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おじの遺産を相続し、転倒事故から回復したのをきっかけに仕事を辞め、幼い頃の思い出の母親の故郷で人生の再スタートを決心したハリー・ディーン。 生活の支度が整った頃、差出人不明のメモが見つかったり、運転免許証がなくなったと思えば突然戻ってみたり、見に覚えのない小切手の換金があったりと、不思議なことが頻発する。ハリーの遺産を妬む者の仕業なのか?とおびえる中、かつて恋した女性シーリアが町をうろつく徘徊者と勘違いして夫を撃ち殺してしまうという事件が起きる。これもハリーの身に起きている不思議なことのひとつなのだろうか?
そうそうぼんやり読んでいたつもりはないが、ヘンリーが登場するまで仕掛けに気付きませんでしたよ。
ということは、やっぱりぼんやりしていたのかな?(笑)
今では、内なる自分をテーマにして書かれた本は珍しいことではないが、この本が出版された1957年当時ではかなり異質だったのではないでしょうか。
しかも、最後ではなくまだ続きがだいぶあるうちに仕掛けが明らかになり、後は文字通りの心理戦を味わうこととなりました。
不自然だと感じたことが、ことごとく伏線だったとわかった時の得した感じ、わかっていただけるでしょうか、負け惜しみじゃないですよ(笑)。
でもハリーはちょっとぼんやりさんでしょ、一応専門の学者なんだから(笑)。
テーマとしては決して刺激的とはいえないけれど、仕掛けそのものが話の終着点ではなく、そこからも見せ場があるところが慣れてしまった今には新鮮かも。
「会員制殺人サイト 上 (ランダムハウス講談社文庫 シ 4-3)」
[文庫]
著者:ピーター ジェイムズ
出版:ランダムハウス講談社
発売日:2008-12-10
価格:¥ 924
by ええもん屋.com
[文庫]
著者:ピーター ジェイムズ
出版:ランダムハウス講談社
発売日:2008-12-10
価格:¥ 924
by ええもん屋.com
「会員制殺人サイト 下 (ランダムハウス講談社文庫 シ 4-4)」
[文庫]
著者:ピーター ジェイムズ
出版:ランダムハウス講談社
発売日:2008-12-10
価格:¥ 893
[文庫]
著者:ピーター ジェイムズ
出版:ランダムハウス講談社
発売日:2008-12-10
価格:¥ 893
同じ著者の「1/2の埋葬」が気になっていたのですが、どういうわけかこちらを読んでしまいました。
しかも、警視グレイスシリーズとしても2作目。
順番にうるさい私がどうしたことでしょう。
そんなことが頭にあるせいか、事件の解決が見えないところは全く見えず、とっかかりが見えたらあっという間、というのが気になった。
糸口が見つかればあとは~というものなのかもしれないけれど。
グレイスの失踪した妻の物語が今後展開を見せるのかもしれないと思うと、やっぱりその点は楽しみだったりする。
クレオとの関係にもどう影響するのか気になるし。
タイトル見れば、陰惨な内容が待っていることくらい想像つくのに、読んでしまってやっぱりなあ…となるのは明らかに私が間違っている。
なのに何故読んじゃうかなあ、私。
そういうところが見たいとか思い浮かべたいわけではない。
精神的にも肉体的にも残酷なことを書くケッチャムやマキューアンが、本当はいい人だと想像させるだけの読後感を抱かせてくれるので(笑)、他でも希望を持ちたいと思ってでもいるのだろうか。
これは、本当にそういうサイトを運営しているやつらが、最終的には警察に踏み込まれてある意味事故で跡形もなく消え(生き残りはいるけれども、多分)それで終了。
余韻も理由も感じられず、ただ極悪人消滅というか…解決とはそういうものなのだろうか。
読みたいわりには、受け入れ態勢が麻痺しているともいえるかもしれない。
やっぱり興味をもった前作から読めばよかったと少し後悔の残る読書でありました。
恒例なので一応。投稿数を稼ぐためにもね(笑)。
1月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1857ページ
世界のお弁当―心をつなぐ味レシピ55
お弁当は想像以上にお国柄を表しているものなのですね。
読了日:01月26日 著者:服部 直美
ロダンのココロ 夏 (朝日文庫 う 21-2)
四季編集で文庫になったのですね。全部読むか。
読了日:01月23日 著者:内田 かずひろ
ストロベリーナイト (文芸)
玲子のように犯人のためには泣けないなあ…
読了日:01月21日 著者:誉田 哲也
退出ゲーム
軽く読めるのに、謎の根源は深くて辛くて切なくて。
読了日:01月17日 著者:初野 晴
雨に祈りを (角川文庫)
ブッバがいるからこそのパトリックとアンジーだと痛感。もっと読みたいけれどこれがシリーズ最後でもかまわないとさえ思う。
読了日:01月12日 著者:デニス レヘイン
インドなんて二度と行くか!ボケ!!―…でもまた行きたいかも (アルファポリス文庫)
年明け一冊めはエネルギーに溢れたものを、と文庫版を。さくらさんが南米旅行から無事に戻ることをお祈りして。
読了日:01月03日 著者:さくら 剛
読書メーター
1月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1857ページ
![世界のお弁当―心をつなぐ味レシピ55](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51HwwuIdDrL._SL75_.jpg)
お弁当は想像以上にお国柄を表しているものなのですね。
読了日:01月26日 著者:服部 直美
![ロダンのココロ 夏 (朝日文庫 う 21-2)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/513aSCNENgL._SL75_.jpg)
四季編集で文庫になったのですね。全部読むか。
読了日:01月23日 著者:内田 かずひろ
![ストロベリーナイト (文芸)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/518JFDTVETL._SL75_.jpg)
玲子のように犯人のためには泣けないなあ…
読了日:01月21日 著者:誉田 哲也
![退出ゲーム](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41fejy%2B7meL._SL75_.jpg)
軽く読めるのに、謎の根源は深くて辛くて切なくて。
読了日:01月17日 著者:初野 晴
![雨に祈りを (角川文庫)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51DDAE6507L._SL75_.jpg)
ブッバがいるからこそのパトリックとアンジーだと痛感。もっと読みたいけれどこれがシリーズ最後でもかまわないとさえ思う。
読了日:01月12日 著者:デニス レヘイン
![インドなんて二度と行くか!ボケ!!―…でもまた行きたいかも (アルファポリス文庫)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/516PrfJLo8L._SL75_.jpg)
年明け一冊めはエネルギーに溢れたものを、と文庫版を。さくらさんが南米旅行から無事に戻ることをお祈りして。
読了日:01月03日 著者:さくら 剛
読書メーター
居住する町と、となり町が戦争を始めたのに、何故か外国での戦争をニュースで知るようでしかなく、しかし町の広報に載せられる戦死者は確実にいる。
現実感がないのに偵察任務を命じられた主人公の目から見た奇妙な戦争が語られる、というのがこの本。
気に入らないところがあるから、憎いから、とそういう感情があって始まるのが戦争だと思っていたが、ここで始まったのはそれによっての経済効果や鼓舞された住民の力を当て込んでのもの。
戦争という事業を共同で遂行した、ということになるらしい。
戦争によって潤う仕事があるのも事実である、そこを殊更ドライに見ているといえるかもしれない。
「何故戦争なのか?」、あいまいな動機、お役所がやってることだから、戦争にも適用されるお役所仕事、と戦争という今の私たちには現実からかけはなれた言葉を借りて、とても現実的な気質を見せられているような気がしてならなかった。
ふざけているかのような、おおよそ9時から5時までの戦闘時間や、年末年始休戦だけど、「The Wire」のギャングも、日曜の朝は教会に行く時間なので襲撃はご法度というくらいなので現実的なのかもしれない。