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本の感想
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腕貫探偵 市民サーヴィス課出張所事件簿
「腕貫探偵 市民サーヴィス課出張所事件簿」
 [単行本]
 著者:西澤 保彦
 出版:実業之日本社
 発売日:2005-07-16
 価格:¥ 1,680
 by ええもん屋.com

講談社の新書でどんどん出版されていた頃は、それに合わせてよく読んでいたが、理由はないけれど最近遠ざかっていた。
読みやすくて好きだったのを思い出し、本格的な長編へのリハビリも兼ねて借りた。
そういえばこの前も「パズラー 謎と論理のエンタテインメント」を読んだっけ。

市民サーヴィス課臨時出張所
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こんな貼り紙が合っているような、いないような不思議な場所に貼られている。
そしてそこには一昔前のコントの役所の職員といった風情の男が座っている。
タイトルにあるように腕貫をして。
連作短編集になっていて、様々な人がこの腕貫男に相談に来るのだが、またこれが神出鬼没。
大学内、病院、街角…と統一性もない。
幻なのではと思ってしまうが、相談を終えると順番を待つ列が出来ている。
対応の仕方がこれまたコントのよう。
誰も待っている人がいないのに受付帳のようなものに名前を書いて待っていなければならない。
時間が来ると相談者がまだ聞きたそうにしているにも関わらず、「次の方どうぞ」となる。
でも、終了間際に答えが導き出されることを伝えてくれる。
この答え方までお役所コント風で素っ気ない。

都築道夫さんの安楽椅子探偵物「退職刑事」が西澤さんもお好きなようで(前出の「パズラー」にそのまま退職刑事が登場していたっけ)そういった趣き。
西澤さんの書くものって、設定はありえないことだったりするが、その決められた中では本格推理であるという印象。
SF的な設定だとか。
これも神出鬼没の市役所相談員というありえない設定。
でもその世界が妙に魅力的。
ライトな設定だけれど心の闇に触れるような事件というのもまた魅力でしょうか。
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