外界から遮断された島で生活する老人船長と孤児。
そこに孤児の世話に看護師が呼ばれる。
看護師は船長と孤児の関係に疑問をもつ。
やがて船長の口から真実が告白される…。
孤児といっても拾われた時点でもう18歳。物語上では23歳。
孤児というのはどうかと思うが。
船長は性格が破綻している。
若い娘を騙して自分が恩人となり、実質的に彼女を支配下においているのだから。
しかも、彼女が初めてではない。過去にも同じことをしている。
その告白を聞かされた看護師が正義感を振りかざして彼女を救い出そうとするのだが…。
ここから結末へと向かうのに、著者は二通りのエンディングを用意している。
一つは勧善懲悪ものとして、船長が自分を悔い、監禁していた彼女に遺産を残して死ぬ。
そして彼女は看護師と共にその遺産で島を出て暮らしていく。
もう一つは島に留まるのだが、その過程が歪んでいる。
真実を話されてしまったと思った船長が投身自殺をするが、実は看護師は告げていない。
それどころか看護師が船長の立場に変わっただけ。
監禁されていた娘に真実を告げず、50年、年老いるまで一緒に暮らす。
最後の最後に船長のしたこと、自分のしたことを告白する。
一つ目のエンディングは生ぬるい感じがしたから、二つ目の方がいいかなとも思う。
でも、こっちもなんだかなあ…。
この著者の本 殺人者の健康法 のタイトルに魅かれて、図書館に探しに行ったがなかったので借りてみたのだが…。
保留かな。
PR
この記事にコメントする