忍者ブログ
本の感想
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

テースト・オブ・苦虫 5 (5)
中央公論新社
町田 康(著)
発売日:2007-11

シリーズ(?)5作目のエッセイ。
いつもの煙に巻かれたような法螺とも現実ともつかない話の数々。
この文体を読むのに最初は違和感があったけれど今となれば独特のリズムとなって逆に読みやすくってたまらない。
エッセイなんだしあえて書くこともないと思ったけれど今回から「テースト~」以外にタイトルがつくようになったらしいのでつい(笑)。
それと内田百閒先生の匂いを突然のように感じてしまったもので。
鞄を持つのが嫌いで必要な時には友人に借りるという件で「漱石先生のお古の帽子は7年もったのに君のは安物だから3年しかもたない」といいがかりをつけた話を唐突に思い出した。
百閒先生を頭に浮かべながら読むと、あーだこーだとヘンテコリンなことを並べた最後に「という話を聞いた」と締めたりするのも百閒先生としか思えない。
百閒先生好きの私がこのシリーズを楽しみにしているのはただ面白いから以外にも理由があったということなのだろうか、なんて感じてしまいましたとさ。
ついでに百閒先生の何が好きかといえば、「冥途」などの小説は涙がでるくらい繊細なのに「阿房列車」や「大貧帳」のような随筆ではとことんとんちんかんであるという落差に他ならない。
阿房列車―内田百けん集成〈1〉   ちくま文庫
筑摩書房
内田 百けん(著)
発売日:2002-10
おすすめ度:5.0

PR
この記事にコメントする
color
name
subject
mail
url
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
「いま、殺りにゆきます」平山夢明 HOME 「鬼」今邑彩
photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
忍者ブログ [PR]
更新中
RSS表示パーツ
ブログ内検索
読書メーター
カクテキさんの読書メーター
アクセス解析