私立探偵レイチェル・アレグザンダーと、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアのダシールのコンビの、ハードボイルドミステリの第一弾らしい。
前知識もなく、とりあえず犬が出てくるということで手に取った(笑)。
被害者クリフォードはゲイ、彼の飼い犬バセンジーのマグリットはドッグショーのチャンピオン犬で、トレーナーはクリフォードに許可なくマグリットの交配を手がけていた、残された恋人はクリフォードの描いた絵の権利を持ち、画廊と組んで個展を開いて収益を得ている、と怪しさを散りばめながら、たどり着いた真実はまた別なもの。
犯人はどうしてマグリットまで殺そうとしたのかは理解に苦しむが、だからこその悲痛な人間関係はこたえました。
ドッグショーや交配の裏側や、サービス・ドッグとしても活躍するダシールの穏やかさといったものはとても興味深かった。
犬側の語り口はないのに、存在感を示してくれるダシールの優しさをもう少し知りたいなあという気になった。
このダシールの犬種、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアはピットブルの別名だと思っていたら、それぞれを支持する側の言い分もあるのですね。
タイトルにあるバセンジーという犬種も初めて知った。
愛蔵書でもある「世界の犬図鑑」で調べましたよ。
吠えずに鳴く、という特徴に心打たれました。
近所に、本当に吠えなくて鳴いてる(泣いてる?)ワンコがいるのでバセンジーの血が混ざっているような気がしてきた。
PR
この記事にコメントする