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本の感想
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ラスト・チャイルド (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1836)
「ラスト・チャイルド (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1836)」
 [新書]
 著者:ジョン・ハート
 出版:早川書房
 発売日:2010-04-09
 価格:¥ 1,680
 by ええもん屋.com
ラスト・チャイルド(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
「ラスト・チャイルド(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)」
 [文庫]
 著者:ジョン・ハート
 出版:早川書房
 発売日:2010-04-30
 価格:¥ 840
ラスト・チャイルド(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
「ラスト・チャイルド(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)」
 [文庫]
 著者:ジョン・ハート
 出版:早川書房
 発売日:2010-04-30
 価格:¥ 840

早川書房創立65周年&ハヤカワ文庫40周年記念とかで、ポケミスと文庫上下巻が同時期に発売。
私はポケミスは形的にどうも読みにくく、文庫の方が好き。

13歳のジョニーは、一年前に誘拐された双子の妹アリッサの行方を懸命に捜している。
アリッサの誘拐直後、父親も姿を消し、母親は酒とクスリ漬けの日々、そこにつけこんだ地元名士の暴力。
ジョニーは、元通りの幸せな日々が戻ってくるかのようにアリッサ捜索に心血を注ぐ。
前二作(「キングの死」「川は静かに流れ」)、主人公の青臭さが応援したくも鼻につく部分が多かった。
しかし今度の主人公は13歳の少年。
幼い心は年齢そのものなので素直に応援できる。
むしろ、大人にならざるを得なかった部分が逆に胸を打つ。
対して、2トップ主人公ともいうべき刑事の青臭さが目立つ(笑)。
それはそれで好きだけど。

罪悪感とは、正義感とは、赦しとは、親とは、子どもとは、家族とは…もうだめかもしれない家族の再生、読み応えがあった。
「グリーンマイル」風なところも、メリモン家、フリーマントル家の源へと導いてくれ、ラスト・チャイルドのタイトルも響く。

ジョニーの母親が、父親失踪の理由を知り流す涙が印象的。
今までの涙とは違う、再生へ向けて必要な涙だったのだな、と。
「コールド・ケース」見てると、時々「これは穿り返してはいけないだろう」という気がすることもある。
が、立ち直るには、新たなスタートを切るには、事件の解決は必要であると改めて感じた。
ジョニーがジャックに手紙の返事を書くまでに期間があることも、二人のこれからを信じさせてくれるように思えた。

文庫の表紙は、読後に見ると泣けてくる。
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