新婚旅行初日に花嫁ドリーが失踪した、と青年アレックスが私立探偵アーチャーの元を訪れる。憔悴ぶりから調査を請負うが行方はほどなく判明する。しかしアーチャーが目にしたドリーは血濡れの手に乱れた衣服で「人を殺した」と錯乱状態。彼女の言葉を裏付けるべくある家へ行くと言葉どおりに死体が発見された。幼少時に母親を殺された事件との関連に注目し調査すると恐ろしい真相が見えてきた。
最近感じたことのなかった読後の満足感!
面白かった、以外にも充実した世界を堪能した感じ。
いや、面白ければそれでいいんですけどね。
アーチャーが事実をひとつつかむと事件の違った側面が見え、またひとつつかむと違った側面が、と多面体になっていく。
そして行き着いた先は戦慄を覚える人間のエゴの塊。
内に抱える暗い部に圧倒される。
狂気を孕んだ人と知りながらも一緒に暮らし、その狂気を刺激してしまうというか期待しているような弱さと企みの共存さえ感じる。
他にも対立や重圧といった人間関係のおかれ方がなんともいえない。
初体験のロス・マクドナルド、もっと早く読んでおけばな〜と後悔。
だって、図書館にあまりないんだもの、傷んでるし(笑)。
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