精神科医伊良部シリーズ。
図書館本ではないのでとことん寝かせてしまい、ようやく読了。
無条件で楽しいのですが気になることも。
三つの短編で、プロ野球チームを持つ横暴が売りの田辺満男(ナベマン)、若くしてIT業界で成功し傍若無人な買収劇が注目の注安保貴(アンポンマン)、宝塚出身で家庭の匂いをさせないアンチエイジングに取り付かれる四十代の女優白木カオル、がそれぞれ患者となっている。
これは誰でも思いつくあの人たちがモデルですよね。
女優の話はともかく、後の二人の話は現実そのままじゃないですか。
あの騒動の裏にはこんなこともあったのかもしれない、と思いを巡らせて楽しめるけれどあまりにも題材によりかかっているような気がしないでもない。
そう思ってしまうと伊良部が医者っぽいことを言ってるとか(どのへんかは不明・笑)、マユミの私生活は知りたくないとか、出版社の依頼だったのかな、とか…しょんぼりしてくる。
そんなところへタイトルにもなっている「町長選挙」。
伊良部2ヶ月だけの赴任先の離島は町長選挙の真っ最中。
都庁職員で3年間の離島研修中の宮崎良平は買収の波に飲み込まれてあっぷあっぷ。
そんなことお構いなしの伊良部がまた火に油を注いで…ああ、これですよ伊良部は。
なんか最後でスッキリした。
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