「青空の卵」、「仔羊の巣」に続く完結編。
今回は長編で動物園に傷ついた猫が多数現れることへの疑問を解決していく。
そこに何の因果か、鳥井と坂木の関係がこうなったきっかけである中学時代のいじめっ子が事件のキーとなって登場。
今まで漠然といじめられていた鳥井、その機会を逃さずに友だちになった坂木ということしか語られなかったが、具体的にいじめっ子谷越が何をしたのか、その時坂木が何をして何をしなかったのかがわかる。
子どものいじめとは言い切れない世の中の縮図でもありますね。
「好きな人に好かれる努力はするけど嫌いな人に嫌われるのは気にしない。でも相手の言い分があってるかもしれないので遮断はしない」というようなことを登場人物の一人が言う。
向かい合って話をしていても言葉が通じてないと感じることのある昨今、こういう心向きは心がけたいけど私の心はそれほど大人ではないので困る(笑)。
三部作読み終えるのに長い時間がかかったけど読んでよかった、区切りがつきましたものね。
読んだから言えるのは、やはり心に痛いだけで好みとはちょっと違った。
自分には道徳の本のようで向き合うにはちょっと辛い。
人の心の大切さは伝わってくるけどなにせ語りすぎ。
読んで膨らませる前に追い討ちかけられるようで落ち着かないったらない。
シークレットトラックは読みたくなかったし。
読みやすいけどツライ、そんな本。
でも読んでいてそれだけ心が動いたってことはわかっていただけますでしょうか?(苦笑)
病んだ事件ばかりだった「先生と僕」の方が気持ちよく感じてしまうのはそういったことが関係しているのかも…?
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Re:あみさん
私も、あみさんの感想を読んで心底ほっとしました。
みなさまの評判を聞くと、たいへん心を打つお話ですものね。
間違ってはいないけれど、反発してしまうところもありますよね。
「先生と僕」のように暗い影ならそのままに、読み手の想像する楽しみを残しておいて欲しいと思います。
みなさまの評判を聞くと、たいへん心を打つお話ですものね。
間違ってはいないけれど、反発してしまうところもありますよね。
「先生と僕」のように暗い影ならそのままに、読み手の想像する楽しみを残しておいて欲しいと思います。