俳優・的場浩司さんが出会った素敵なお店&スイーツを紹介するという本。
あまり甘いもの好きというイメージはなかったが、ご本人は食べるのも作るのも大好きだとか。
シュークリーム、チョコレート、フルーツ…等の素材、子どもに贈りたい、お遣い物、といった用途別のジャンルで紹介されている。
その合間にスイーツに寄せる想いを綴ったSweets Essayがはさまれているという構成。
素敵な本だった。
おいしそうでキレイな写真はもちろん、一つ一つに添えられた的場さんの言葉が見事。
「スタッフが目の前に用意してくれたものを食べました」ではなく、それと出会った時の感動や食べたからこそ知っているアドバイス(食べ方や状況)に本気を感じる。
今、目の前で的場さんが語ってくれているかのような錯覚を起こす。
始めは添えられている文章をちょっぴり笑ったりもしたが、ページが進むにつれ、その真面目さに心を奪われる。
スイーツを目の前にした的場さんは「誰とどんな状況で食べるか」が常に頭の中にイメージされているよう。
「うふプリン」紹介ページ、「小ぶりで飽きない味だから何個も食べてしまう」の後に「他のみんながいらないって言ったら、全部食べちゃうかも」と続く。
どうですか!
お土産として持って行った先で、みんなで囲んで、こんなにおいしいからみんながいらないって言うわけないのに、いらないって言ったら全部食べちゃうかもですよ。
読んだ瞬間声を出して笑ったけど、的場さんの人柄を見たような気がして、心が挫けていたこともありうっすらと涙が…(笑)。
祖父と一緒にケーキを食べたことを思い出したせいかもしれない。
食い盛りだった私は2個(今もか?)、祖父は1個、二人だけで内緒で食べた。
それまで祖父は洋風のものに興味ないと思っていたが、この時食べたレアチーズケーキをものすごく喜んだ。
2個目に入った私に「これならもう1個食べられる」と言い放つほど。
…2個目の食べ辛いことといったらない(笑)。
的場さんのように買う時に食べる人の顔を思い浮かべていたらこんなことにはならないのだろうな。
ケーキ屋さんのプリンは好きだけどグ○コの○ッチンプリンはキライとか、レアチーズは好きだけどベイクドチーズはキライ、とか80歳代後半にして祖父の新しい顔を知るきっかけとなった出来事だったなあ。
「プリンが好き」と聞いた親戚が持ってきた○ッチンプリンを一口で止めたのは笑ったなあ。
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