竜崎は東大卒の警察官僚。いつも原理原則に則ったもの言いで「変人」の異名を持つ。そんな竜崎の目の前に過去の犯罪者への連続「私刑」事件が発生する。それが現職警官の不祥事事件とわかった時、組織は隠蔽の道を選ぼうとしていた。自身の息子の不祥事と重ね合わせた竜崎の選択は…?
確かに組織の中にいたら変わり者だけれど、自分たちは生活の保障を得たも同然、それならいつ何時でもピンチには全力でという国家公務員としての覚悟は素晴らしい。
頭ではわかっていてもなかなかできることではない。
それを本当に負担にも感じずにやってみせるのが竜崎という男。
なにせ、今の世の中の公務員の国民の上への胡坐のかき具合といったら呆れるばかりなので「竜崎を見習えよ」と言いたくなる。
しかし、話のスタートの東大以外は大学でない、息子は東大にいかせたいが姉はどこでもいい、妻は家庭を守るもの、といった堅物の見本のような登場には嫌悪を感じたのも事実。
鼻つまみものが主役なんて困ったなあと思うのも束の間、その裏表のなさがだんだん魅力に思えてくる。
彼を慕う部下がいるのも、伊丹が彼に憧れていたのも頷ける気がする。
最後には家庭人としての喜びも知らず知らずのうちに得られたようだし、正義を信じるものの強さに安堵。
続編、竜崎にどんな変化があるのか、あるいはないのか、とても楽しみ。
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