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本の感想
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パリ、ミラノ、ロンドン、アムステルダム、シドニー、NY、東京でペット愛好家のおうちで見られたペットインテリアというか生活空間をおさめた本。
街中をふつうに歩いてる犬や猫が好きだが、自宅ならではの表情というのもまたいい。
そんな安らぐペットとその生活用品がたくさんなのですが…外と内半々だったうちからは想像できないくらいグッズが溢れている。
布団、枕、いくつかのおもちゃくらいしかなかったので「もしかして不自由させていた?」と思えてきた。
水飲みもふつうにステンレスボールだったものなあ。
うちの場合、布団のある場所が居場所(基本自由だけど)という内生活。
でも本に登場するみなさんは家全体がその子の場所。
制限していたわけではないけれど飼い主としての自分にショックを感じる。
巻末にグッズが200点掲載されているのだが、なんと一つだけ私も愛用していたものがあってびっくり。
何かというと、家に入る時に足を拭くグローブ。絵柄が肉球なのです。
たぶん同じものだと思うけど…値段が違うかもしれない(笑)。
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キリ番踏んでいただいた方、メッセージありがとうございました。
たいへん嬉しく思います。
これを機会にお気軽にコメントもよろしくお願いいたします♪
造花の蜜
「造花の蜜」
 [単行本]
 著者:連城 三紀彦
 出版:角川春樹事務所
 発売日:2008-11
 価格:¥ 1,890
 by ええもん屋.com

「圭太君が蜂に刺された」という電話で慌てて幼稚園へ駆けつけると「蜂に刺されたのはおばあちゃんでしょ?圭太君は先ほど迎えに来たあなたに渡しました」と先生に告げられ驚愕する母親香奈子。
蜂事件は仕組まれた嘘で圭太は誘拐されたのだった。
犯人の要求に翻弄されながら家庭の複雑な状況が露見するがそれは始まりに過ぎなかった。

誘拐事件、事件の真相、その後、という三つに大きく分けられる。
真相を知るところまででも十分に一つの小説として成立していると思ったので「その後」の必要性に首をかしげながら読んだ。
そこまでで、予想のつかなかった本当の誘拐事件の姿に驚かされ、何があっても驚かないつもりだったが「そうだったのか…」感は隠せない。
なるほど、連城さんが余計なことをするわけはない。
しかし驚きっぱなしの本だったなあ。
どんどん変わる誘拐事件の顔、一面からでは見られない犯行グループ、単なる虚勢ではない警察への挑戦、それらが加速して一気にラストへ駆け抜けていった感じ。
勢いで一気に読了してしまうが、香奈子の義姉とか、香奈子の元姑の隣人とか、その後の小川家山路家とか、気になる部分がないこともない。
それは純粋に人生の淵を見てしまった人たちの今後だったりという、奥行きに想いを馳せるといったことだが、犯人の資金の出所は単純にして最大の疑問。
「その後」では圭太君事件で手に入れた金を回しているのだろうが、じゃあ圭太君事件は?
複数犯を無報酬でつなぎとめられるわけはないだろうし。
それまでに造花の蜜を吸って得たものが資金ということでいいのだろうか。
蜂にこだわったのも疑問といえば疑問だが、「川田」に共犯者&被害者以上のものを感じていたのでは?という気もする。単にポーズとして利用したという見方もできるけど。

連城三紀彦さんで誘拐とくれば「人間動物園」がありますが、今月19日(日)にWOWOWでドラマとして放送されます。
読んだ頃は内容の覚書はしていなかったので、細部は忘れているがたいへん面白かったと思ったことだけは覚えている。
WOWOWのドラマも力が入っているので期待できるかも…?

人間動物園 (双葉文庫)
「人間動物園 (双葉文庫)」
 [文庫]
 著者:連城 三紀彦
 出版:双葉社
 発売日:2005-11
 価格:¥ 660
 by ええもん屋.com

おっさんは世界の奴隷か―テースト・オブ・苦虫〈6〉
「おっさんは世界の奴隷か―テースト・オブ・苦虫〈6〉」
 [単行本]
 著者:町田 康
 出版:中央公論新社
 発売日:2008-11
 価格:¥ 1,680
 by ええもん屋.com

これ、エッセイの第6弾だけどおおよそ事実とは思えない。でも小説でもない。
町田さんの身近なことについての語り口を楽しむものと思えばエッセイでいいのだろうけれど。
楽しければジャンルや定義なんて関係ないという読書スタイルの私がこだわるようなことではないですね。
いつもながら目の付け所が非常に細かくて、でもそれはふつうのことでもあって、それなのにどこか異次元に連れて行かれるような、とんでもない話がぎゅ~っとしている。
今回私が好きだったのは高山飛車子のネーミングと知性の渦潮かな。
こういう偽四字熟語やことわざ、好きですよね。あと猿も(笑)。
儚い羊たちの祝宴
「儚い羊たちの祝宴」
 [単行本]
 著者:米澤 穂信
 出版:新潮社
 発売日:2008-11
 価格:¥ 1,470
 by ええもん屋.com

タイトル作をラストに据えた五編からなる短編集。
読書倶楽部「バベルの会」がすべてを結びつけるという微妙な役割を担っている。
一話目「身内に不幸がありまして」で今まで抱いていた米澤さんのイメージと違うなと感じた。
独白文というかたちで進むことも、旧家の館という舞台も。
一話目だけに限らず、二話目、三話目…と統一された進み方なので、これは短編集というよりも英語副題「The Babel Clib Chronicle」という一冊の本というのがふさわしいと思える。
どの話も終盤の種明かしというか露見する真相に唸っていた。
そしたら「ラスト一行の衝撃に徹底的にこだわった連作集」というのが宣伝文句だったと後から知った(帯にあったの?こういう時図書館派は損だ)。
確かにラスト一行は決定的な言葉だけれど、そこにたどり着くまでに「まさか、まさか」と気持ちを昂らせてくれる雰囲気がお見事なのだと思う。
「山荘秘聞」だけは本当にラスト一行でびっくりしたけど(笑)。これも伏線はたくさん張られていたのだが。
どれも悪意と愛情と残酷さのなんともいえない混ざり具合がたいへん好みでした。

旧家で館、ということで佐々木丸美さんの小説の数々が頭に浮かんでしまった(学生の頃、マルミストだった期間あり・笑)。全然世界は違うのですけども。
私が読んだ頃は講談社文庫だったけど創元から復刊されているのですね。
とりあえず、「館」のつくものを(笑)。

崖の館 (創元推理文庫)
「崖の館 (創元推理文庫)」
 [文庫]
 著者:佐々木 丸美
 出版:東京創元社
 発売日:2006-12-21
 価格:¥ 680
 by ええもん屋.com
水に描かれた館 (創元推理文庫)
「水に描かれた館 (創元推理文庫)」
 [文庫]
 著者:佐々木 丸美
 出版:東京創元社
 発売日:2007-02-28
 価格:¥ 780
夢館 (創元推理文庫)
「夢館 (創元推理文庫)」
 [文庫]
 著者:佐々木 丸美
 出版:東京創元社
 発売日:2007-04
 価格:¥ 693

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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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