おじの遺産を相続し、転倒事故から回復したのをきっかけに仕事を辞め、幼い頃の思い出の母親の故郷で人生の再スタートを決心したハリー・ディーン。 生活の支度が整った頃、差出人不明のメモが見つかったり、運転免許証がなくなったと思えば突然戻ってみたり、見に覚えのない小切手の換金があったりと、不思議なことが頻発する。ハリーの遺産を妬む者の仕業なのか?とおびえる中、かつて恋した女性シーリアが町をうろつく徘徊者と勘違いして夫を撃ち殺してしまうという事件が起きる。これもハリーの身に起きている不思議なことのひとつなのだろうか?
そうそうぼんやり読んでいたつもりはないが、ヘンリーが登場するまで仕掛けに気付きませんでしたよ。
ということは、やっぱりぼんやりしていたのかな?(笑)
今では、内なる自分をテーマにして書かれた本は珍しいことではないが、この本が出版された1957年当時ではかなり異質だったのではないでしょうか。
しかも、最後ではなくまだ続きがだいぶあるうちに仕掛けが明らかになり、後は文字通りの心理戦を味わうこととなりました。
不自然だと感じたことが、ことごとく伏線だったとわかった時の得した感じ、わかっていただけるでしょうか、負け惜しみじゃないですよ(笑)。
でもハリーはちょっとぼんやりさんでしょ、一応専門の学者なんだから(笑)。
テーマとしては決して刺激的とはいえないけれど、仕掛けそのものが話の終着点ではなく、そこからも見せ場があるところが慣れてしまった今には新鮮かも。
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